KONICA HEXANON AR 40mm F1.8

0

KONICA HEXANON AR 40mm F1.8
KONICA HEXANON AR 40mm F1.8
AUTOREFLEX T4 に装着
AUTOREFLEX T4 に装着
 このレンズは1979年に発売された Konica FS-1 用セットレンズとして登場したレンズで、今ではパンケーキレンズに分類される。 性能は落とさずに小型軽量化を実現したレンズで、価格は AR 50mm F1.7 と同程度だったと記憶している。 Konica FS-1 のセットレンズとして登場したけど、小型化された Acom-1 や AUTOREFLEX T4 などにも似合うレンズだと思う。

KONICA HEXANON AR 40mm F1.8

HEXANON AR 40mm F1.8 独特なレンズ構成
レンズ構成
 GN Auto NIKKOR 45mm F2.8 や ROKKOR-TD 45mm F2.8 など、この時代の薄型レンズは薄型化のために3群4枚構成のテッサー型を採用するメーカーもあったけど、コニカは(パンケーキとしては鏡筒が厚めだけど)立派な5群6枚構成の拡張ガウス型を採用して描写性能を落とさずにF1.8という明るさも実現している。 しかも、通常のガウス型は第2第3レンズが凸凹メニスカスにするところを凹凸メニスカスにした独特な構成である。 なお、同じ様なレンズ構成のロシア製 ZENITAR-M 50mm F1.7 が1977年に発売されていて、とても優秀な標準レンズだった様だ。

 コニカのカタログでは「標準」に分類されているけど、準広角というべき焦点距離だし LEITZ minolta CL 用の M-ROKKOR 1:2 f=40mm と同じ焦点距離なので、僕にとっては使い勝手は悪くない。 なお、多くのARレンズは鏡筒横に赤●脱着指標と共に焦点距離が刻印されている事が多いのだけれど、このレンズは鏡筒スペースの関係から正面の銘板に「40/1.8」と赤く刻印されている。

 このレンズはコニカ製一眼レフの終末期に近いレンズで、分解・清掃してみると 銘板・後群締付環・絞り環はプラ製で、前群締付環・前群格納筒・後群締付環なども硬質エンプラ製にする事でコストダウンされている。 また、絞りクリックの構造が変更されて1段ステップのマイルドな感触になり、最小絞りはF22まで拡張されている。 なお、絞りF22では回折の影響により解像が低下するので覚悟して使う必要がある。

 分解・清掃時にマウントを外したら『あっ、クリック機構が変わっている!』と喜んで絞り環を回していたら鋼球ボールを「飛ばして」しまった。💦 部屋中を探して見つかったから良かったけど、ネジ込み式じゃなくなった絞り環は浮かさない様に気を付けた方が良い。

実写サンプル画像

HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F2.8
絞り:F2.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F4
絞り:F4
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F22
絞り:F22
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F2.8
絞り:F2.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8
絞り:F1.8
HEXANON AR 40mm F1.8 絞り:F1.8(フード無し)
絞り:F1.8
 開放ではフレアっぽいけどF2.8に絞ると画面中央フレアが消える。 F5.6まで絞れば画面隅でも充分な描写になる。 周辺光量落ちはF4で目立たなくなり、F5.6で無くなる。 後ボケが少し煩いけど、周辺グルグルボケにはならないのであまり気にならないボケ方だ。 ただし、6枚羽根の絞りは円形絞りじゃないので丸い玉ボケは絞り開放でしか得られないし、F2.8では風ぐるま状のボケになる。 ちなみに、玉ボケさせると薄っすらと年輪が見えるので、モールドレンズを用いてると思われる。 画面周辺では年輪の「へそ」が外側へ移動するので最終レンズだろうけど、モールドレンズでないならレンズ研磨工程がいい加減だという事になる。

35mm用角型フードを装着(Fマウント時代の35mm用)
角型フードを装着
 HEXANON は伝統的に逆光に弱いけど、このレンズを後ろ側から覗くと、視野外の光源がレンズ内面で拾っている事がハッキリと判るので、像面への影響が甚大だと想像できる。 外光フレアを演出として効果的に利用する(個人的に好きじゃないけど)のもアリだろう。
 外光フレアが発生する条件だと虹色円弧フレアが出たり全体的に低コントラストで淡い写真になってオールドレンズらしい描写だけど、外光フレアを排除した条件であれば気持ちの良い描写をしてくれる。 内面が静電植毛された純正35mm用角型フードを装着すれば外光フレアの影響を効果的に排除できる。 残念なのはフードを装着するとパンケーキな小型レンズという利点がスポイルされる事だ。
 HEXANON AR 40mm F1.8 は0.45mまで寄れるので『パンケーキだから...』という仕様的な妥協が少ないし、スナップ撮影にも使い易いオールドヘキサノンだと思う。

あとがき

 コニカのARレンズには優秀なレンズもあるけど、素晴らしい銘玉って言うのは少なかった(無かった?)気がする。 中古市場では AR 57mm F1.2 などが高額で取引されているけど、希少だから高額なのか 描写が素晴らしいから高額なのか は判らない。 パンケーキな AR 40mm F1.8 は使い易い優秀なオールドレンズで、銘玉に迫るレンズかも知れない。 なお、巷の噂によるとトキナーが製造していたらしい...本当かどうかは知らんけど。

Sponsored Link
Sponsored Link

0 件のコメント :

コメントを投稿

Sponsored Link