| レンズ名称 | 発売年 | レンズ構成 | フィルター径 | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| Auto-Takumar 1:2.3/35 | 1959-63 | 5群6枚 | 62mm | 310g |
| Super-Takumar 1:2/35 | 1963-67 | 7群8枚 | 67mm | 398g |
| Super-Takumar 1:2/35 | 1967-71 | 7群8枚 | 49mm | 242g |
| Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35 | 1971-75 | 7群8枚 | 49mm | 240g |
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35
アンジェニュー社の製品から始まったレトロフォーカス型広角レンズを、旭光学のF2.8より明るい製品で妄想してみよう。 ちなみに、Super-Multi-Coated TAKUMAR レンズと SMC TAKUMAR レンズとを混同している人がいるけど、両者は別製品なので記述には注意しましょう。
P.Angenieux RETROFOCUS TYPE R1 35mm F2.5
![]() |
| RETROFOCUS TYPE R1 構成図 |
Auto-Takumar 1:2.3/35
![]() |
| Auto-Takumar 構成図 |
Super-Takumar 1:2/35(FATタイプ)
![]() |
| Super-Takumar 構成図 |
Super-Takumar 1:2/35(SLIMタイプ)
| 新 Super-Takumar 構成図 |
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35
1971年に、Super-Takumar 1:2/35(SLIMタイプ)を開放測光に対応してマルチコート化された Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35 となって抜けの良い描写になったけど、描写特性が古典的ではないのとレンズが黄変しているので市場での人気はあまり高くない様だ。 中古市場では豊富な残存収差により Auto-Takumar 1:2.3/35 や Super-Takumar 1:2/35(FATタイプ)に人気がある。 当時の設計者は全く意図していなかっただろうけど、古いタクマーほど現代のレンズでは得られないエモい写真が撮れるのは確かだ。
実は Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35 を2本持っていて、ブラウニング対処して使っていたレンズと未処置のまま寝かしていたレンズとをライトボックスの透過光で比較してみると「えげつない」ほど差がある事が判る。 ちなみに『黄変したレンズでもデジカメで撮影するならオートホワイトバランスでちゃんと写る』と思っている人もいるけど、黄色味や赤味が強い映像はカメラが「夕景」とか「タングステン光」と判断して「赤味残しアルゴリズム」が働くので、意図した様な色彩表現にならない事が多い。 オデジカメ撮影でもブラウニング対策はするべきなのだ。
実写サンプル画像(Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35)
開放F2と明るいのに古典的レトロフォーカス型と違って絞り開放でも画面中央のフレアが少なく解像感がある。 画面周辺ほど描写が低下し、メリディオナルコマがあるので古典的レトロフォーカス感がある。 F2.8だと画面中央のフレアが消えるけど、画面隅の描写は開放と変わらない。 F4に絞ると画面周辺での描写がかなり向上し、F5.6だと画面隅でも充分な描写となる。 酸化トリウムレンズの黄変対策を施しておけば色乗りも良く、絞り込めば充分にシャープなレンズだ。
後ボケがリングボケっぽい事と周辺がレモン型ボケである事からグルグルボケになり易いので、シーンによっては画面周辺が騒々しくなる。 でも、これはオールドレンズとして楽しむべき「癖」と受け止めよう。 また、至近端での描写性能は悪くないけど、ヘリコイドアダプターを使って絞り開放で接写撮影すると、被写界深度の浅さも相まってホワホワな描写が得られるがF2.8に絞ると引き締まった描写になる。
マルチコートのおかげで抜けの良い写真が撮れるけど、念のためフードを装着した方が外光フレアは軽減できる。 純正の角型フードはネジ込み式だけど、しっかりとネジ込んだ後に180度摺動回転させられるので、画面に合わせて長手方向が真横になる様にセットしよう。 なお、この純正フードには「Takumar 1:2 35mm 1:3.5 35mm」と刻印された面と「ASAHI OPT. CO. JAPAN 49Φ」と刻印された面がある。 僕の Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2/35 はフードをネジ込むと「ASAHI OPT. CO. JAPAN 49Φ」が上になる様にしかセットできなかったので、銘板とフィルター枠を外し、フィルター枠を120度(3本ビス止めなので)回して再組立てして「Takumar 1:2 35mm 1:3.5 35mm」が上になる様にしておいた。
あとがき
1960年代の旭光学製標準レンズや中望遠レンズは優秀なレンズが多くあったけど、広角レンズには素晴らしいレンズは少なかったと思う...個人的感想だけど。 ところが、1970年代入ると優秀な広角レンズが製品化され始めたので社内的に何かあったと思っている。 1972年にカールツァイスとメガネレンズ事業で合弁会社を設立しているけど、カールツァイスからカメラ事業でも提携の打診があった様だ。 この時、水面下で光学設計技術の提携があり、旭光学のレンズ製品に反映されていたのだと想像している。





コメントを投稿