ASAHI OPT. Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28

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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28
 旭光学の「タクマー28mm」は1962年に発売された6群7枚構成の Super-Takumar 1:3.5/28 が最初で、前玉が大きくて寸胴な鏡筒だった。 1967年に構成を大きく変更した7群7枚で小型化され、1971年に開放測光に対応してマルチコート化された Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 になった。

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 レンズ構成
レンズ構成
 アンジェニュー社が1950年代に発売した広角レンズ「レトロフォーカス」が一眼レフ用広角レンズの主流になり、各社とも同様のレンズを開発・設計していた。 1967年発売の Super-Takumar 1:3.5/28 は古典的レトロフォーカス型の前凹群と後凸群の長い空間を厚いガラスで埋める事により、光路長を確保(像面湾曲補正にも有効)しつつ前玉の小型化を図った設計になっていて、HEXANON 28mm F3.5 と似たレンズ構成である。 古典的なレンズ構成の 本家 Angenieux RETROFOCUS TYPE R11 28mm F3.5 や 先代の Super-Takumar 1:3.5/28 などより前玉径が小さくなっている。
 最短撮影距離が0.4mなのであまり寄れないけど、60年代の他社製28mmは周辺画質の悪化を嫌って最短撮影距離が0.6m程度のレンズが多かったので、それに比べたらマシではある。

実写サンプル画像

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F5.6
絞り:F5.6
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F8
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F5.6
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F8
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F5.6
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5(接写ヘリコイド利用)
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F5.6
絞り:F5.6
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28 絞り:F3.5
絞り:F3.5
 開放F値がF3.5と暗いこともあり絞り開放でのフレアーは少なく、画面周辺の描写も酷くは無い。 F5.6に絞ると画面隅の描写も良くなり、F8だと画面全域で充分な描写になる。
 意外に至近付近で撮影しても画質の劣化は少なく、ヘリコイドアダプターで接写しても主被写体を画面隅に配置しない限り使える描写性能だと思う。

 1967年に登場(1971年にマルチコート化)した28mmレンズとしては悪くない描写性能だと思うけど、あまり個性を感じないのは優秀なレンズと言うことなのだろう。 最短撮影距離が0.2mとか「強い個性」があったら良かったと思うなぁ。

 35mm用の角型フードはネジ込み式で逆付け装着収納は出来なかったけど、28mm専用の角型フードはカブセ式の締め付けタイプで逆付け装着収納も出来る優れものだ...けど、キャップを着けられない。 締め付け方法が古来のベルト式ではなく、周囲3点からゴムが均等に突出する仕組みになっていて、フィルターを付けていてもフードの装着深さが変わらない。 Kマウントになった SMC PENTAX 時代の角型フードも逆付け収納は受け継がれていた...様だ。

あとがき

 1960年代の旭光学製標準レンズや中望遠レンズは優秀なレンズが多くあったけど、広角レンズには素晴らしいレンズは少なかったと思う...個人的感想だけど。 ところが、1970年代入ると優秀な広角レンズが製品化され始めたので社内的に何かあっと思う。 1972年にカールツァイスとメガネレンズ事業で合弁会社を設立しているけど、カールツァイスからカメラ事業でも提携の打診があった様だ。 この時、水面下で光学設計技術の提携があり、旭光学のレンズ製品に反映されていたのだと想像している。

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