ASAHI OPT. Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24

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Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24
 旭光学の広角系タクマーは1967年に発売された 35mm / 28mm / 24mm / 17mm(Fish Eye)などの時から、それまでのアンジェニュー社のレトロフォーカス型から脱却したレンズ構成が採用される様になったと思う。 Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 は古典的レトロフォーカス型から進んだ構成の超広角レンズである。

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 レンズ構成
レンズ構成
 アンジェニュー社が1950年代に発売した広角レンズ「レトロフォーカス」が一眼レフ用広角レンズの主流になり、各社とも同様のレンズを開発・設計していた。 1967年発売の超広角 Super-Takumar 1:3.5/24 は古典的レトロフォーカス型から進化した8群9枚構成のレンズで、個人的な見立てでは凹凸凹の3枚からなる負パワーの前群(水色)とクセノター型で正パワーの後群(黄色)の間に厚いメニスカスレンズ(桃色)を配置したレンズ構成だと言える。 厚いメニスカスレンズは前玉の小径化と周辺画質の向上に有効なハズだ。
 1971年に開放測光対応・マルチコート化された Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 になり、Kマウントになっても SMC PENTAX 1:3.5/24 として生き残ったレンズである。 近距離補正機構は搭載されていないけど、最短撮影距離が0.25mなので近接撮影能力に不満は無かった。

実写サンプル画像

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F5.6
絞り:F5.6
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F8
絞り:F8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F5.6
絞り:F5.6
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F8
絞り:F8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F3.5(接写ヘリコイド併用)
絞り:F3.5
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/24 絞り:F8(接写ヘリコイド併用)
絞り:F8
 開放F値がF3.5と暗いこともあり絞り開放での画面中央には目立つフレアーはなく、画面周辺にはコマフレアがあるけど大崩れしない。 F5.6にすると画面周辺の描写も良くなり、F8だと画面隅でも充分な描写になる。 絞り開放での周辺光量落ちはあるけど急激な落ち込みではないのでノスタルジックな演出に使え、F5.6だと気にならない程度まで改善される。

 至近付近で撮影しても画質の劣化は意外と少なく、ヘリコイドアダプターで接写しても主被写体を画面隅に配置しない限り使える描写性能だと思う。 暗い超広角レンズなので大きなボケは得られにくいけど、グググっと寄れば背景をボカす事はできる。

立派でカッコ良い専用角型フード
専用角型フード
 1967年に登場し、1971年にマルチコート化された24mm超広角レンズとしては悪くない描写性能だと思うけど、開放F値が暗いので ASAHI PENTAX SP / SPF に装着するとファインダーが暗くて難儀したものだ。 他社では開放F2.8の製品が投入されていたのであまり注目されないレンズだったけど、邪魔に感じるほど立派でカッコ良い専用角型フードは注目に値する。

あとがき

 1960年代の旭光学製標準レンズや中望遠レンズは優秀なレンズが多くあったけど、広角レンズには素晴らしいレンズは少なかったと思う...個人的感想だけど。 ところが、1967年に発売された 35mm / 28mm / 24mm / 17mm(Fish Eye)などの頃からアンジェニュー社のレトロフォーカス型よりも進化したレンズ構成が採用されている。

 コンピューターによる光学設計が導入される前は、光学設計者と数学科卒の「計算嬢」が協働してレンズの開発を行っていた。 なので、奥様が「計算嬢」だったという設計者も結構いたものだ。 「計算嬢」がコンピューターに替わったのがこの時期だったハズで、より複雑なレンズ構成でも設計し易くなったのだと思う。 ちなみに、僕は1980年代初頭に某光学メーカーの自動レンズ設計システム構築に没頭し、2.0あった視力が1年間で0.3の近眼になってしまった。

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