ASAHI OPT. Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85

0

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85
 旭光学の「タクマー 85mm」は1960年発売の ASAHI PENTAX S2 用望遠レンズとして登場し、1964年発売の ASAHI PENTAX SP 発売時に Super-Takumar 1:1.9/85 となった。 1972年にはレンズ構成を大きく変更し、開放測光対応・マルチコート化した Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 が発売された。 Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 については随分前にも書いた記憶があるけど、どうやらアトムレンズでは無い様だ。 今回は詳しく書いてみる事にした。

レンズ名称発売年レンズ構成絞り羽根その他備考など
Auto-Takumar 1:1.8/851960-644群5枚6枚
Super-Takumar 1:1.9/851964-724群5枚6枚開放値表記変更
Super-Multi-Coated
TAKUMAR 1:1.9/85
1971-724群5枚6枚開放測光対応化
マルチコート化
Super-Multi-Coated
 TAKUMAR 1:1.8/85
1972-756群6枚8枚レンズ構成変更
開放測光対応化
マルチコート化

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 レンズ構成
レンズ構成
 旭光学の 85mm は1960年に4群5枚構成でエルノスター型の Auto-Takumar 1:1.8/85 が製品化された。 1964年に Super-Takumar 1:1.9/85 となったけど、レンズ構成は Auto-Takumar と(多分)同一なので、実測のF値が1.8と表記するには誤差が大き過ぎたと判ったのでF1.9と改めたのだと想像している。
 その後1971年に 1:1.9/85 のままマルチコート化されたけど、翌年の1972年にエルノスター型の特徴が色濃い6群6枚構成の変形ダブルガウス型を採用した Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 となった。 エルノスター型は明るいレンズを実現できるけど画面周辺性能には難点があるので、レンズ構成を変形ダブルガウス型にして画面周辺性能の向上を図ったのだと思われる。

実写サンプル画像(Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85)

Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F2.8
絞り:F2.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F4
絞り:F4
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F4
絞り:F4
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8(ヘリコイド併用)
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8 (ピントが鼻先だぁ💦)
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8
絞り:F1.8
Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 絞り:F1.8(ヘリコイド併用)
絞り:F1.8
 開放F1.8ではハイライト部が少しフレアっぽくて柔らかめな描写だけど、ポートレイトには丁度良さそうな感じかも知れない。 F2.8では柔らかさが消えて画面隅まで線が太めでしっかりした描写になる。 F4まで絞ればオールドレンズとは思えない素晴らしい描写になる。 先代の Super-Takumar 1:1.9/85 より明らかに描写性能が優れていると思う

 ボケは滑らかにボケてくれるけど、後ボケに少し二線ボケの傾向があるので煩く感じるシーンもある。 玉ボケは画面周辺でレモン型になっちゃうけど、ボケ方は悪くないのであまり気にならない。 ただし、色収差の影響で前ボケと後ボケとで色味が異なる(紫と緑)場合があるので、注意した方が良いだろう。

 ちょっと絞れば充分にシャープだし、絞り開放での柔らかさはポートレイト撮影にも有効だし、温かみのある発色もポートレイト向きと言えるだろう。 また、ヘリコイドアダプタで接写すると、深度が薄いこともあって合焦部以外はフワフワな描写になるけど悪くない描写だと思う。

あとがき

 その昔、Super-Takumar 1:1.9/85 を持っていたけど Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.8/85 を入手してから Super-Takumar 1:1.9/85 の出番は全く無くなっていた。 詳細なテストをしてみると、1:1.8/85 の方を「ひいき」にしたのは間違っていなかったと再認識した。 銀塩時代にはフィルムを無駄にする様な詳細な撮り比べなんてしなかったしねぇ。

Sponsored Link
Sponsored Link

0 件のコメント :

コメントを投稿

Sponsored Link