CANON LENS 35mm F2 Type-2 L39 - Japanese Summicron

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CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39(カメラは Canon 7)
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39
 このレンズは、Canon 7 の記事で CANON LENS 35mm 1:2 Type-1 として紹介したけど、特徴を見直したところ Type-2 だと思われます。 この場で修正させて頂きます。m(_ _)m

CANON LENS 35mm 1:2 L39 - 1963年発売

 キヤノンカメラミュージアムの掲載写真と比較すると、絞り環の形状・刻印文字の太さなどから、この個体は Type-2 だと判断した。 キヤノンカメラミュージアムに掲載された Type-2 の写真はモノクロームなので、赤い赤外指標が非常に見難くなっているけど微かに確認できるので、赤外指標の有無で Type-1/2 を判断したら中古市場で Type-2 は見つからないだろう。

レンズ構成

CANON LENS 35mm F2 Type-2 L39 レンズ構成
レンズ構成図
 1963年に発売された4群7枚構成の変形ダブルガウス型で、後群の張り合わせが凸凹凸の3枚張り合わせになっているのが特徴だ。 なお、後群を3枚張り合わせにしたレンズ構成は1957年発売の 35mm 1:1.5 や1958年発売の 35mm 1:1.8 から用いられていた。
 ちなみに、前年に発売された Type-1 と基本的なレンズ構成は同じだけど、Type-2 は光学設計が見直されているらしい。 1年ちょっとで光学系から見直した理由は不明だけど、Type-1 の凸凹凸張り合わせの凹レンズは薄すぎて作り難そうな気がする。 また、キヤノンカメラミュージアムの記載では、モデル更新されているのに Type-1 も Type-2 も107gというのは妙だし、そもそも『107グラムって軽過ぎないか?』という疑問がある。 僕の個体は実測が121g(前後キャップ・フィルター無し)なので、107gより13%も重い。

 レンジファインダー機用レンズなので、最短撮影距離は1mと遠くて寄れない。 絞りはF2からF22までの等間隔絞り環で、各絞り値にクリックが設けられている。 絞り羽根は9枚絞りで、F5.6付近では開口形状が「九芒星」の様な妙な多角形状になる。

指の写り込み対策として富士写真のΦ40mm広角用金属フードを装着
社外製フード装着
 このレンズには、邪魔に感じる事もあった無限遠ストッパーが付いていないので、レンズの脱着時はマウント基部のギザギザ環をしっかり握って脱着する必要がある。
 また、コンパクトなレンズなので、ピント操作をする左手の指が写り込んでしまう事がある。 僕はハレ切り以外に指の写り込み対策として富士写真製Φ40mmサイズの広角用金属フードを装着している。
 銀塩カメラで撮影するなら、Canon P は「全視野」が35mm相当なだけでフレーム枠が無いので、採光ブライトフレームによる35mm用フレームがある Canon 7 か Canon 7S が使い易い。

コラム
 海外では CANON LENS 35mm 1:2 が 35mm F2 Summicron第3世代(5群7枚)と似た構成で同じ7枚なので「Japanese Summicron」と呼ばれる事もあるらしいけど、35mm Summicron第3世代 とは後群の貼合わせ構成が異なる。
 35mm広角レンズをライカと比較すると、35mm F2 Summicron第3世代 は1979年の発売で、CANON LENS 35mm 1:2 Type-1 はず~と早い1962年発売なので、35mm F2 Summicron第3世代 を「German Canon」と呼ぶべきだ...と僕は思う。 しかも、既に1957年には同構成の CANON LENS 35mm 1:1.8(4群7枚)が登場し、35mm F2 Summicron第1世代(6群8枚)が発売された1958年には CANON LENS 35mm 1:1.5(4群8枚)も登場しているので、35mm広角レンズの明るさでは、ライカより日本勢が先行していたのである。
 なお、35mm Summilux F1.4第1世代(5群7枚)が1961年に発売されたが、日本メーカーはレンジファインダー機への開発・製造リソースを縮小する時期になっていた。

描写特性

 今回は TECHART LM-EA7 を介して SONY ILCE-9 にて、オートフォーカスも使用して撮影してみた。 CANON LENS 50mm F1.5 L39 などと違って、画面周辺ではオートフォーカスが効かない。 画面左右方向に対しては中央1/2程までで、上下は8割ほどまでがAF可能だ。 恐らく、射出瞳距離や瞳径などがオートフォーカス可能な範囲と少し異なるのだろう。
 なお、明るめの広角レンズなので、デジタルカメラのローパスフィルターやIRカットフィルターなど、フィルム時代には考慮されていない光学部材の影響で本来の描写性能(特に画面周辺)は出ていないと思います。

遠景描写

 以下の写真は2023年8月の良く晴れた日に SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスを太陽光に設定し、Dレンジオプティマイザーはオフに設定して現像してあります。
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2.8
絞り:2.8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F4
絞り:F4
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F5.6
絞り:F5.6
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F8
絞り:F8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F11
絞り:F11
 絞り開放でも画面中央付近はとても良い描写で、画面周辺ほどコマフレアにまみれてボヤけてしまう。 F2.8に絞ると画面周辺のフレアが減るけどボヤけは残っている。 F4に絞ると画面周辺の描写がかなり改善する。 F5.6まで絞れば画面四隅を除いて素晴らしい描写になる。 風景などではF8に絞れば満足できる描写を得られるだろう。
 効果として使えそうな周辺光量落ちがあり、1段絞るごとに改善し、F8でほぼ目立たなくなる。 なお、発色はニュートラルで、僕好みの色乗りを見せてくれると感じる。

夜景描写

 以下の写真は 2023年8月にSONY ILCE-9 で撮影したRAW画像を古~い現像アプリ DxO PhotoLab 3.3.0 Build 4391 にて、ホワイトバランスを蛍光灯に設定して現像してみました。 なお、色収差補正やディストーション補正や周辺光量補正などは施していません。
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F4
絞り:4
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F5.6
絞り:F5.6
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F8
絞り:8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
 絞り開放の画面中央付近は少しソフトな描写で、画面周辺に行くほどコマフレアが増大する。 F2.8に絞ると画面中央付近はスッキリした描写になり、画面周辺の淡いフレアが消えて、硬いフレアが残る。 F4に絞ると、画面周辺のコマフレアがだいぶ小さくなり、F5.6まで絞れば夜景写真として使える気がする。 F8まで絞れば画面周辺の点光源が点光源として写る。 また、絞り羽根が9枚なので、絞ると輝点周りに18本の回折光芒が現れる。

 玉ボケ描写の画面中央付近は問題ないが、画面周辺では玉ボケのエッジ立つ。 また、画面周辺から隅にかけて「おむすび」状の玉ボケになるので、クセのある騒々しい後ボケになると推測できる。

一般撮影

 以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスをオートに設定し、Dレンジオプティマイザーもオンに設定して現像してあります。
 レンズの最短撮影距離が1mなので、LM-EA7 の最大繰出し量4.5mmと合わせると、合成の最短撮影距離が0.3mほどまで寄れる計算になるので、不都合なく使えた。 なお、記載の絞り値は撮影時の記憶に頼っているので、間違っているかも知れません。m(_ _)m
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F8
絞り:F8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
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CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
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CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F5.6
絞り:F5.6
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F4
絞り:F4
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
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CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F4
絞り:F4
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F8
絞り:F8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F5.6
絞り:F5.6
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F8
絞り:F8
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F11
絞り:F11
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F4
絞り:F4
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
CANON LENS 35mm 1:2 Type-2 L39 絞り:F2
絞り:F2
 絞り開放でも中心はコントラストも解像感も高くて素晴らしい描写だけど、周辺では盛大な「優しいコマフレア」により霞んだ描写になる。 「優しいコマフレア」という表現は曖昧だけど、くっきりしたコマフレアではなく淡いベールの様なコマフレアなので、シーンによっては全く気にならない場合もある。

 F4まで絞ると周辺でも実用的な画質になり、F5.6で画面全体がシャープな描写となり夜景でも使えそうになる。 絞り開放でのコマフレアの出方が優しいのでフレアっぽくても嫌味がない描写だ。

 ただし、後ボケが二線ボケ傾向なので、溶け切る前の小さなデフォーカスでは「さんざめく」背景ボケになる場合がある。

 発色も色乗りも良いし、近接した場合の描写もなかなかイイ感じだし、立体的な被写体を画面中央付近に配置すれば、絞り開放でも充分な描写を見せる優秀なレンズだと思う。

あとがき

 レンジファインダー用の CANON LENS 35mm F2 はなかなか良いレンズだと思うけど、1960年代は一眼レフの時代に突入し、マクロ撮影やTTL測光など、これまでのレンジファインダーカメラでは難しかった事が簡単に出来る様になる。
 NIKON F のシステム性や TOPCON RE Super のTTL開放測光など、百花繚乱の時代になり、キヤノンも Canonflex を発売していたが、一眼レフカメラのシステム設計の躓きで暗黒時代を迎えていた。

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