MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 - 絞り制御系の分解メンテナンス

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MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7(カメラは MAMIYA Prismat NP)
MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7(カメラは MAMIYA Prismat NP
 1960年に MAMIYA Prismat CLP 用として発売(日本向けは1961年発売の Prismat NP)されたこのレンズは、絞り込み方式が TOPCON R 用の Auto-Topcor などと同様な自動プリセット(半自動)絞り方式で、レンズにプリチャージレバーがあり、バネを手動でチャージしておけばレリーズ時に瞬間絞り込みが行われる。 既に完全自動絞り方式の Zunow Pentaflex や NIKON F が登場していたので、旧態然とした仕様のレンズではある。

メンテナンス作業

 絞り羽根は綺麗だけど絞り込み動作が遅いのと、プリチャージレバーの動きが悪くてプリチャージ後にレバーが自動的に戻ってくれない。 また、絞り環のクリック位置(クリックというか反転防止のラチェット)が妙で、クリック位置と絞り数値位置がズレてたりする。 これらの不具合を解消するために、分解して絞り駆動制御周りのメンテナンスを試みた。 分解方法は普通のレンズとはちょっと違うけど、判れば分解・メンテナンスは難しくない。

マウント部分の取り外し

イモネジを緩めて黒い深度表示リングをずらすとマウント固定ネジが現れる
イモネジを緩めて黒い深度表示リングをずらすとマウント固定ネジが現れる
 レンズマウント部がレンズ本体にガッチリ固定されていて、マウント面にある3本の銀色ネジを外したくなるけど、この銀色ネジを外す必要は無い。

 先ずは絞り環の前方にある黒い深度目盛リングを固定している3個のイモネジを外せば、深度表示リングを前方にズラすことができ、深度目盛リングの裏に隠れていたマウント固定ネジ(黒い接着剤の下)が現れる。

隠れていたマウント固定ネジを緩めてユニットを外す
光学ユニット部とマウントユニット部とを外す
 深度表示リングに隠れていたマウント固定ネジ(黒い接着剤の下)を緩めれば、マウント部・制御メカ部・絞り環とが一緒になったユニットが外れる。 なお、マウント固定ネジに定位置は無く、絞り制御ユニットと光学ユニットとを結合する際に、位相を微調整する様になっている。

絞り制御系のメンテナンス

プリチャージ摺動リングと固定リングの間に注油すればスムースになる
絞り制御系の中身
 マウント・絞り制御ユニットを外してみると、プリチャージレバーの摺動部がオイル切れでガシガシ動作だったので、極少量の注油を施したら驚くほどスムースになった。
 クリックは、組み戻す時にマウント・絞り制御ユニットとの装着位相を調整して、絞り数値とクリックとが合う様にしておいたが、絞り環がラチェット動作するのは溝と噛合うロック板が曲がってしまった(ロック状態で無理矢理開放側へ回した?)からなのかも知れない。 本来は真っすぐなロック板で、しっかりと溝に嵌ってラチェット動作などしない構造だったんじゃないかなぁ。

 また、レンズ側の半自動絞り駆動摺動部もオイル切れだったので、極少量だけ注油したら高速な半自動絞り動作が復活した。 なお、絞り付近の注油は「湿る程度」に極少量だけ注油し、不要な油は必ず拭き取りましょう。

レンズ面清掃

レンズ清掃の様子(今回は第一レンズ裏面のみ)
レンズ清掃の様子(今回は第一レンズ裏面のみ)
 前群系は簡単に分解できるけど後群はマウントを外す必要が有るので、後群系に汚れたレンズ面がある場合は、分解ついでに各レンズ面を清掃しておい方が良いだろう。
 残念ながら?、僕のレンズは後群が綺麗な状態なので、少し気になっていた前玉裏面だけを清掃しておいた。 前玉は銘板を外せば取り出せるし、他の面を清掃する場合は前群のカニ目を回せば前群をまとめて抜くことが出来る。

メンテナンス結果

メンテナンスにより、特にプリチャージ操作が快適になった
プリチャージレバーなどの操作感が回復した
 プリチャージレバーの動きがスムースになり、絞り環のクリック(ラチェット)も絞り環刻印数値上で止まる様になり、実に気持ち良く操作できる様になった。 とはいえ、絞り環がラチェット動作なので、ボタンを押しながら操作するのも面倒くさい。 半自動絞りが動作するときの反動で絞り環が小絞り方向へ回ろうとする仕組みなので致し方ない。 絞り込み動作も高速になったけど、マミヤのカメラに装着して銀塩撮影する事はないと思う。

実写確認

 絞り駆動制御系のメンテナンスだったけど、実写確認もしておいた。 絞り環をF1.7の開放にしちゃうとプリセットがチャージされて、絞り環を絞り込んでも開放のままになるので、実絞りデジタル一眼での撮影では操作が面倒くさい。 マウントアダプターの関係から絞り駆動ピン受け部品を外してあるので、セロテープでピンが押された状態に保持して、常にプリチャージが解除された状態(つまり、常にマニュアル絞り状態)でテスト撮影した。

 以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.1.01.06121 にて、ホワイトバランスをオートに設定し、Dレンジオプティマイザーはオンに設定して現像してあります。 なお、デジタルカメラのローパスフィルターやIRカットフィルターなど、フィルム時代には考慮されていない光学部材の影響で本来の描写性能ではないと思います。
MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
絞り:F1.7
MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
絞り:1.7
MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
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MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
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MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
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MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F5.6
絞り:F5.6
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MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
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MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 絞り:F1.7
絞り:F1.7 フード無し
 MAMIYA-SEKOR F.C. 58mm F1.7 は画面中心は普通のオールドレンズ描写だけど、絞り開放での画面周辺へゆくほど盛大な収差フレアが発生する。 三次収差は悪くなさそうだけど、高次の収差を野放しにした様な画面周辺フレア具合に、随分と潔い設計をしたもんだと感心してしまう。 ダブルガウス型らしいゴーストは出せるけど、迷光フレアは出し難い...イイことではあるけど、迷光フレアをエモいと好むマニアもいる。
 66年前のオールドレンズだけど、絞れば普通に良く写るし、開放での中央と周辺で差がありすぎる描写が面白い。 凄くクセのあるオールドレンズに興味のある人にお勧めだけど、クセを活かして撮るのは難しい。

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