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| OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO MC AUTO-ZOOM 1:3.6 f=35-70mm |
昔は『単焦点標準レンズを使って、被写体に対して寄ったり引いたりして写真の基礎を学べ』と言われたものだけど、寄れない・引けないシーンではズームに頼るしかない。 ワイド側がちょっと足りないと感じる35-70mmだけど、当時は標準ズームとして重宝したのもだ。
OM-SYSTEM ZUIKO MC AUTO-ZOOM 1:3.6 f=35~70mm - 1978年発売
35-70mm F3.6 という平凡なスペックの標準ズームだけど、描写性能やメカ構造にもこだわりが感じられる真面目に作った標準ズームで、容姿が樽の様で可愛らしいレンズだ。
レンズ構成
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| レンズ構成 |
8群10枚構成の2群ズームレンズで、第5~7凸レンズに低分散のリン酸塩クラウンガラス(住田光学ガラス名称:PSKN2)を使って色収差の補正に役立てている。
開放F値が見慣れないF3.6になっているけど、見慣れたF3.5に対して光量比で94.5%という事になる。 ぎりぎり±5%から逸脱しているので、正直にF3.6と記載したのかも知れない。 もうちょっと頑張ってF3.5にする事は無理だったのかねぇ。
さて、2群ズームはパワー配置によってはズーミングで前群が往復移動したりするけど、このレンズは前群も後群も一定方向にしか移動しないパワー配置になっているので、テレ端にすれば長さが最も短くなる。
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| 0.8mまでしか寄れない |
鏡筒前方に菱目ローレットの距離環があり、鏡筒中央に荒い縦目ローレットの回転式ズーム環が配置されている。 フォーカシングは前群繰出し方式で、最短撮影距離はズーム全域で0.8mと遠いし、マクロ機能は搭載されていないので途方に暮れる事が多々ある。 ズーム環を端より更に回せばマクロになる様な工夫が欲しかった。 また、OMレンズの一般的な単焦点レンズとは異なり、絞り環はマウント側に配置されていて、絞り環にはF3.6からFからF22まで1段単位(F3.6とF5.6の間は1.27段)でクリックがある。 なお、絞り羽根は8枚である。
フィルター径はΦ55mmで、ピント調節でフィルター枠が回転しない直進ヘリコイド方式を採用しているので、PLフィルターを利用し易い。
専用フード
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| 専用ラバーフード |
専用の大型ラバーフードは距離環筒の外周奥まで挿入して締め付け装着(奥まで挿入しないとケラれます)する方式で、レンズ単体では樽型の容貌だけど、フードを装着すると直線的な容貌へと変貌する。 なお、専用フードは距離環筒に装着するので、ピント調節で回転しちゃうことから、長大な距離環と同じなので不用意に触るとピントがズレてしまう。
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| ズームでのレンズの動き |
このレンズは118個のボールベアリングで支えられたズーム環の操作により、ワイド端では内筒がにゅ~っと出っ張り、テレ端では内筒が外筒縁まで引っ込むけど、フードの装着位置は変化しない。 これにより、ワイドでもテレでも焦点距離に応じてフードが有効に働く。 また、フードは逆付け収納が可能で、大きなラバーフードでも逆付け収納すればコンパクトに携行できる。 レンズ前面を打ったりすると、カムコマが破損したりするので、この純正フードを装着するのが良いだろう。 ちなみに、鏡筒外筒をそのままフードを構成する様にしたレンズが CANON FD 35-70mm F2.8-3.5 S.S.C. だけど、外観が大きく重くなってしまう。
オリンパスの35-70mmズーム
オリンパスの35-70mmズームのF3.6製品は自社製だったけど、1980年にコシナ製OEM品の 35-70mm F4 レンズと、1985年に同じくコシナ製OEM品の 35-70mm F3.5-4.5 レンズの2種類が追加販売(置き換え?)された。 F4レンズは 35-70mm F4 AF のベース光学系にもなっていた様だ。 ちなみに、35-105mm F3.5-4.5 はトキナー製OEM品だった。
描写特性
デジタルカメラのローパスフィルターやIRカットフィルターなど、フィルム時代には考慮されていない光学部材の影響で本来の描写性能は出ていないと思います。
遠景描写特性
以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.1.01.06121 にて、ホワイトバランスは太陽光に設定し、Dレンジオプティマイザーはオフに設定して現像してあります。
f=35mm
絞り開放から画面四隅以外はとても良い描写だ。 F5.6に絞ると画面中央付近は素晴らしい描写で、画面極四隅も充分な描写になる。 F8まで絞ると画面極四隅でも良い描写にな。
急に落ち込むタイプの周辺光量落ちがあり、F4に絞れば目立たなくなり、F5.6に絞るとほぼ解消する。
f=50mm
絞り開放から画面四隅以外は良い描写で、画面中央付近は素晴らしい描写だ。 F5.6に絞ると画面四隅も良い描写になり、F8まで絞ると画面全域で素晴らしい描写にな。
目立たないけどなだらかな周辺光量落ちがあり、F5.6に絞ると目立たなくなり、F8で解消する。
f=70mm
絞り開放の画面中央付近はソフトな描写で、画面周辺ほどソフト感が増す。 F5.6に絞ると画面四隅にソフト感が残るが、全体的に良い描写になる。 F8に絞ると画面全体が素晴らしい描写になる。
目立たないけどなだらかな周辺光量落ちがあり、F5.6に絞ると目立たなくなり、F8で解消する。
夜景描写特性
以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像を、古~い現像アプリ DxO PhotoLab 3.3.0 Build 4391 にて、ホワイトバランスを蛍光灯に設定して現像してみました。 なお、色収差補正やディストーション補正や周辺光量補正などの高額補正は施していません。
f=35mm
絞り開放から画面四隅以外は良い夜景描写だ。 F5.6に絞ると画面中央付近は素晴らしい描写で、画面極四隅も充分な夜景描写になる。 F8まで絞ると画面極四隅でも良い夜景描写になる。 F11まで絞ると画面極四隅でも素晴らしい夜景描写が得られる。
f=50mm
絞り開放から画面四隅以外は良い夜景描写で、画面中央付近は素晴らしい夜景描写だ。 画面四隅ではサジタルコマと非点収差が絡んで3方向に伸びる収差が現れるが、さほど酷くない。 F5.6に絞ると画面四隅も良い夜景描写になり、F8まで絞ると画面全域で素晴らしい夜景描写にな。
f=70mm
絞り開放では収差フレアがある夜景描写で、画面周辺は少し点像が歪になる。 F5.6に絞ると全体的に良い夜景描写になる。 F8に絞ると画面全体が充分に良い夜景描写になる。
スペック的に凡庸な標準ズームだけど、遠景描写でも夜景描写でもズームレンズとしては優れた描写性能を持ったレンズだと思う。
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