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| CANON LENS 50mm 1:1.4 Type-2 L39 |
1957年に
CANON LENS 50mm 1:1.4 Type-1 が25,000円で発売され、2年後には Type-2 として18,500円に値下げされた。 暗所に強い明るい標準レンズが庶民でも使える時代になってきたけど、レンジファインダーカメラは時代遅れになりつつあった。
CANON LENS 50mm 1:1.4 Type-2 L39 - 1959年発売
1957年に CANON LENS 50mm 1:1.4 Type-1 L39 が発売され、1959年に Type-2 に更新されたたが、時代は既に一眼レフへ移りつつあった。 1957年に日本光学から NIKON F が華々しく発売されたけど、キヤノンはレンジファインダーカメラとその交換レンズにかまけ過ぎて、「実用的な」一眼レフ開発に後れを取った。
レンズ構成
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| レンズ構成 |
このレンズは4群6枚構成の典型的なダブルガウス型で、1957年に発売された Type-1 と光学構成は同じだと思われる。 この時代には小西六が5群6枚構成で変形ダブルガウス型の Hexanon 1:1.9 f=50mm など、前群の張り合わせレンズを分離して画面周辺のコマ収差補正を行うレンズが登場する様になっていた。 極めつけは
Summicron f=5cm 1:2 で、千代田光学が Summicron と殆ど同じ構成の SUPER ROKKOR 1:2 f=5cm を発売(特許は大丈夫だったの?)していた。
一方、キヤノンは貼り合わタイプのダブルガウス型で製品化し続けていく。 キヤノンのダブルガウス型標準レンズは、FL 50mm F1.4 Type-2 で貼り合わせを分離しているけど、F1.2の標準レンズは張合わせのままだったし、F1.8の標準レンズはAF時代になってから EF 50mm F1.8 で貼り合わせを分離したと記憶している。
絞りはF1.4からF22までの等間隔絞り環で、各絞り値にクリックが設けられている。 また、絞り羽根は9枚で、Type-1 の10枚より1枚少なくなっている様だ。 なお、F2.8からF5.6辺りの開口形状が「九芒星」の様な、妙な多角形状になる。
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| Canon AUTO UP 450 |
レンジファインダー機用レンズなので、最短撮影距離は1mと遠くて寄れない。 近接撮影アダプター「Canon AUTO-UP」があり、52~39cmの範囲でピントが合う AUTO UP 450 と 100cm~55cmの範囲でピントが合う AUTO UP 900 の2種類が用意されていた。 アタッチメントサイズが 42mm / 50mm / 57mm の3サイズがあり、それぞれ 50/1.8 50/1.4 50/1.2 に適合する。
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| フードを装着 |
フィルター径はΦ48mmで、距離調節でフィルター枠は回転しない。 フードはカブセ締め付け式で、フード基部とフード傘部(S-50)が分離でき、間に SERIESE VII(外径約50mm)フィルターを挟むことができる。 現代なら先端にキャップを装着出来るネジ込み式市販フードの方が使い勝手が良い。 僕が使っているフードは先端にΦ55mmのキャップを装着出来るので、レンズを収納する時もフードは付けたままだ。
噂話
ある噂では、
CANON LENS 50mm f:1.4 の初期品(Type-0?)は4群8枚構成のゾナー型だったという噂がある。 1952年に発売された3群7枚構成のゾナー型である SERENAR 50mm f:1.5 を進化させたレンズとも言えそうだけど、直ぐに4群6枚構成のダブルガウス型に「こっそり」置き換えられたことになる。 勿論キヤノンカメラミュージアムにも記述はないし、どうも信じられない噂だけど、本当だったらビックリな噂だ。
ちなみに、中古市場でType-1を見かけたことが無いけど、噂通り4群8枚構成のゾナー型なら作り難そうなので、製造本数が極端に少なかったのかも知れない。 また、Type-1 から Type-2 で全長が2.7mmも伸びた理由は光学系の変更による影響だったのかも?
描写特性
今回も
TECHART LM-EA7 を介して SONY ILCE-9 にて、オートフォーカスも使用して撮影してみたが、画面周辺でもオートフォーカスが可能で、速くないけどマニュアルフォーカスより確実にピントを合わせられる印象だった。 恐らく、射出瞳距離や瞳径などがオートフォーカス可能な範囲内なのだろう。
なお、明るいレンズなので、デジタルカメラのローパスフィルターやIRカットフィルターなど、フィルム時代には考慮されていない光学部材の影響で本来の描写性能(特に画面周辺)は出ていないと思います。
遠景描写
以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスを曇天(雲が多くて陽ざしが弱いし霞んでいるので)に設定し、Dレンジオプティマイザーはオフに設定して現像してあります。
絞り:F1.4 |
絞り:2 |
絞り:F2.8 |
絞り:F4 |
絞り:F5.6 |
絞り:F8 |
絞り開放では淡いベールに包まれた様なソフトフォーカスな描写で、画面周辺行くほどコマフレアが増して画面隅ではボヤケてしまう。 F2に絞ると画面中央付近はフレアが消えてスッキリとした良い描写になるが、画面周辺から隅はボヤけたままだ。 F2.8に絞ると画面中央付近は素晴らしい描写になり、画面四隅を除いて周辺の描写も向上する。 F4まで絞ると画面四隅を除いて素晴らしい描写となるり、F5.6まで絞れば画面中央から周辺まで素晴らしい描写で、画面四隅も充分な描写になる。
なお、効果として使えそうな周辺光量落ちがあり、F5.6で解消されるまでジワジワと向上して行く。 コントラストも高く発色や色乗りも大変良いレンズだと思う。
夜景描写
以下の写真は 2023年8月にSONY ILCE-9 で撮影したRAW画像を古~い現像アプリ DxO PhotoLab 3.3.0 Build 4391 にて、ホワイトバランスを蛍光灯に設定して現像してみました。 なお、色収差補正やディストーション補正や周辺光量補正などは施していません。
絞り:F1.4 |
絞り:2 |
絞り:F2.8 |
絞り:F4 |
絞り:5.6 |
絞り:F1.4 |
ピントの合わせ具合にもよるけど、絞り開放の画面中央付近では青フレアが発生し、画面周辺に行くほどコマフレア(特にサジタルコマ)が大きくなる。 する。 多分短波長側の球面収差が急激にオーバーになっているのだろう。 F2に絞ると画面中央のフレアが激減し、画面周辺ではサジタルコマが減ってメリディオナルコマが目立つ。 F2.8に絞ると画面中央付近は良い描写で、画面周辺では輝点が放射方向に伸びるアスが残っている。 F4に絞ると画面周辺のコマも目立たなくなり、F5.6なら画面全域で夜景に使える描写になる。
絞り開放での玉ボケはエッジが立つので小デフォーカスの後ボケが少し騒々しそうだけど、妙なクセはなさそうだ。
一般撮影
以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスをオートに設定し、Dレンジオプティマイザーもオンに設定して現像してあります。
レンズの最短撮影距離が1mなので、LM-EA7 の最大繰出し量4.5mmと合わせると、合成の最短撮影距離が0.45mほどまで寄れる計算になるので、不都合なく使えた。 なお、記載の絞り値は撮影時の記憶に頼っているので、間違っているかも知れません。m(_ _)m
絞り:F1.4 |
絞り:F1.4 |
絞り:F1.4 |
絞り:F2.8 |
絞り:F5.6 |
絞り:F8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F8 |
絞り:F4 |
絞り:F2.8 |
絞り:F1.4 |
絞り:F1.4 |
絞り:F2.8 |
絞り:F1.4 |
絞り:F1.4 |
絞り:F1.4 |
絞り:F2.8 |
絞り:F1.4 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F5.6 |
梅雨時期の曇り空なので陽ざしが無かったので、特性が判り難い撮影条件です。 絞り開放ではソフトな描写で、画面周辺の背景ボケが少し騒々しいけど気になるほどじゃない。 F2.8に絞ると周辺でも実用的な画質になり、F4で充分な画質になる。 F5.6で撮影すると、中景でもピントを置いた部分は画面周辺でもシャープに描写される。
現代のレンズと違って、撮影シーンに応じた露出や絞りを考えないで、むやみに絞り開放で撮ると、滲みまくったダメダメ写真になる。 オールドレンズ遊びだとしても「考えて撮る」必要があるので、年寄りのボケ防止には良いレンズだ。
画面周辺では 50mm F1.8 Type-2 より1段ほど多く絞らないと、同等な描写性能にならないけど、絞りを開けて立体的な描写を求めるなら 50mm F1.4 の方が向いている。 発色や色乗りも悪くないし、ボケ味も滑らかでイイ感じた。 「素晴らしい」というより「素敵な」オールドレンズだと思う。
あとがき
CANON LENS 50mm 1:1.4 のType-1からType-2への変更は、絞り環のチックマークや深度目盛環の深さや全長など、外観に若干の変更がある様だけど、1957年の Type-1 発売価格が25,000円で、1959年の Type-2 発売価格が18,500円と、25%も価格を下げている。 「生産性の合理化」以外に低価格化を可能とした要因があったんじゃないかと勘繰ってしまう。 それが噂通りのゾナー型からダブルガウス型への変更なのかは判らない。
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