画像補正 | Image Correction

ノイズ軽減画像補正ソフト Neat Image
ソニー製カメラが吐き出す画像処理はノイズ補正よりディテール重視になっていると思う。 DxOスコアを高くするためだと思うけど、多少のディテールを犠牲にしても高感度ノイズを低減してもらいたい場合もある。

カメラの高感度ノイズリダクション設定も「切」「弱」「標準」だけで「強」っていう設定は無い。 SONY α9 の高感度ノイズは多めなのに、ノイズ低減優先設定が無い事が取材で使う上で大きなネックとなる。


ノイズ軽減

ちょっと昔のデジタルカメラでも銀塩時代とは比べ物にならない高感度画質を得ていたけれど、昔はより綺麗な写真に仕上げるため「ノイズ低減ソフト」を使っていた。 それが大昔に購入した「Neat Image」というソフトだ。

上のPC画面キャプチャー写真は東奥日報に掲載された僕の写真で、新聞紙面では判り難いだろうけど、若い女性選手の顔がノイズまみれなのは心が痛む。 そこで、PCに Neat Image を再度インストールして後処理してみた。

Neat Image も Version8.3.7 にアップデートされていたので、最新版をインストールして SONY α9 のノイズがどの程度軽減されるか試してみた。


SONY ILCE-9 FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ISO:10000 F:5.6 Tv:1/1000s
左:オリジナル 右:Neat Imageで処理
SONY ILCE-9 FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ISO:10000 F:5.6 Tv:1/1000s
ちょっとツルっとさせ過ぎ感はあるけど、アリーナのトップライトの影響で影になっている首筋のノイズが気にならないレベルまで軽減されている。 この写真だけ見れば普通の人は『あぁ、綺麗だねぇ』と思うだろうし、本人や親御さんにあげても恥ずかしくない。

問題は処理時間で、セレクトした後の写真のみにフィルターを掛けるのでなければやってられない。 寝ている間に自動処理させる手もあるけど、写真の状態を見てパラメーターを調整する必要があるので難しい。

それにしてもソニーさんはなぜノイズ低減優先設定が無いのだろう? 処理段数が増えるので嫌なのだろうけど、後処理させられるユーザーの苦労も考えて貰いたい。

SONY DSC-RX10M4 fl:220mm(600mm) ISO:6400 F:4 Tv:1/1250s(トリミング画像)
SONY DSC-RX10M4ならどうか? 左:オリジナル 右:Neat Imageで処理
SONY DSC-RX10M4 fl:220mm(600mm) ISO:6400 F:4 Tv:1/1250s(トリミング画像)
Neat Image で処理した SONY α9 の結果が悪くはなかったので、SONY DSC-RX10M4 で撮影した写真も Neat Image でノイズ軽減してみた。 写真としてのディテールを残せばノイズも残っちゃうけど、1インチという小型センサーで撮影した写真だと思えば充分綺麗な方だ。 SONY α9 が壊れた場合の緊急用には使えるかも知れないけど、SONY DSC-RX10M4 でピントが合ったちゃんとした写真を撮るには大変な努力が必要になる。

フリッカー軽減

最近のアリーナは照明環境が大変良くなったけど、酷いフリッカーが発生するアリーナもまだ存在する。 下の写真を撮影したアリーナの照明は昭和のままで、暗いしムラムラだしフリッカーが酷いし、絶望的な会場だった。 選手のママからは『業者さんの写真ってヒドイのぉ』とプレッシャーを掛けられているので、フリッカーの影響が酷く出た写真を渡す訳には行かない。

SONY ILCE-9 FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ISO:12800 F:5.6 Tv:1/640s
左:オリジナル 右:フリッカー軽減処理
SONY ILCE-9 FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ISO:12800 F:5.6 Tv:1/640s
カメラがフリッカーの影響が極小になるタイミングで撮ってくれれば良いのだけど、SONY α9 にはその機能が無いし、フリッカーの影響が出ている写真を修正してくれるアプリケーションソフトも存在しない...多分。 結局、Photoshopで自力修正するんだけど、駒ごとにフリッカーが発生する場所や濃さが異なるので、一発処理という訳にはゆかない。

また、カメラが出力するJPEG画像には最終的な写真としてガンマ処理されているので、明るい部分と暗い部分とで補正量が異なる。
暗い部分が目立たなくなる様に補正すれば明るい部分は補正過剰になるし、明るい部分に合わせれば暗い部分は補正不足になってしまう。 いやぁ、フリッカーの補正処理は面倒臭いんだけど、補正しなきゃ使えない写真なので一晩中泣きながら補正し続ける訳だ。

いっそフリッカー補正アプリを作ろうかと思ったけど、フリッカーの発生場所や濃さを自動で読み取るのはなかなか難しい。

まとめ

ソニー製品の高感度ノイズリダクション画質が綺麗じゃないと知っている方からは『ひょっとしてソニーで撮るの? あちゃぁ~!』と言われる事もある。 なので、ソニーで撮って納品するには Neat Image で後処理するのが必須になりそうだ。

また、フリッカーの影響が出ている写真を修正するのは苦行でしかない。 ソニーさん、アンチフリッカーのファームウェアアップデートを頼むよ。

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