ASAHI OPT. SMC PENTAX 30mm F2.8 - 僕には中途半端

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SMC PENTAX 1:2.8/30
SMC PENTAX 1:2.8/30
 旭光学は 83mm 120mm 150mm など妙な焦点距離の単焦点レンズを発売していて、30mm が加わった。 焦点距離を細かく刻んで商品化してくれるのは有難いけど内心『そこまでしなくても』と思ったものだ。

SMC PENTAX 1:2.8/30 - 1976年発売

 旭光学の 30mm F2.8 はKマウントになった1975年に発表された。 製品化については『8mmムービーではズーム比4倍が良く、120mmの1/4である30mmが丁度良い焦点距離だった』という話をどっかで聞いた気がするけど、本当なのか怪しい気がする。

レンズ構成

構成
レンズ構成
 先頭に凸レンズを配した7群7枚構成のレトロフォーカス型だけど、当時はこれまでに見覚えが無いレンズ構成だと思った。 これに似たレンズ構成は翌年に発売される New NIKKOR 28mm 1:2.8 がほぼ同じ構成である。  なお、最短撮影距離が0.3mなので寄れない訳じゃないけど、背景をボカせなくて寄り足りないと感じるシーンが多い。
 距離目盛の3.3mと絞りF8が赤くマークされていて、イージースナップマークと呼ばれる。 これは、距離環を3.3mに、絞りをF8に設定しておけば、スナップ撮影などでピント合わせ操作なしでも「ほぼ」ピントが合った写真が撮れるというものだった。 ただし、距離感が意図せず3.3mからズレている事があるので要注意だ。 KOMURANON 28mm F2.5 の様に距離環にクリックがあればズレ難いだろう。 ただし、距離環のクリックをオンオフ出来る様にするのは必須仕様だ。

描写特性

遠景描写

SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8
絞り:F2.8
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F4
絞り:F4
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F5.6
絞り:F5.6
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8
絞り:F8
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F11
絞り:F11
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F16
絞り:F16
 日差しが良い条件ではなかったけど、F2.8開放では若干のフレアがあり画面全体に少し眠い感じだ。 F4にすると画面全体にスッキリした描写になるが、画面極四隅の描写は解像感が足りなく、F5.6まで絞れば充分な描写になる。 F16では回折の影響でちょっとボヤけ始める。 周辺光量落ちは徐々に落ちる素敵なタイプでF5.6で目立たなくなりF8で解消する。 風景などの遠景で画面極四隅までシャープに写すならF5.6~F8まで絞った方が良いけど、大きく伸ばすのでなければ絞り開放でも...使える...かなぁ。
 プリントなら四隅はカットされるので絞りF4でも充分だろう。 とはいえ、僕は昔に「六つ切」印画紙に白い外枠を付けて3対2の画像を引き伸ばし機でモノクロプリントしていたので、四隅カットが当てはまらない。 デジタルカメラでは各辺が一直線だけど、便塩では各カメラのフィルム面開口部の個性が出て楽しかった。

一般撮影

 記載の絞り値は記憶に頼っているので間違っているかも知れません。 また、「CloseUp」や「ヘリコイド併用」と記載している写真は...多分...ヘリコイドを繰り出して最短撮影距離以上に寄って撮影している事を記しています。

SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8
絞り:F2.8
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8(ヘリコイド併用)
絞り:F2.8(CloseUp
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8(ヘリコイド併用)
絞り:FF2.8(CloseUp
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8(ヘリコイド併用)
絞り:FF2.8(CloseUp
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8(ヘリコイド併用)
絞り:FF2.8(CloseUp
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8(ヘリコイド併用)
絞り:FF2.8(CloseUp
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F5.6
絞り:F5.6
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8
絞り:F2.8
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F2.8
絞り:F2.8
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8(Easy Snap)
絞り:F8(Easy Snap)
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8(Easy Snap)
絞り:F8(Easy Snap)
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8(Easy Snap)
絞り:F8(Easy Snap)
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8(Easy Snap)
絞り:F8(Easy Snap)
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8(Easy Snap)
絞り:F8(Easy Snap)
SMC PENTAX 1:2.8/30 絞り:F8(Easy Snap)
絞り:F8(Easy Snap)
 絞り開放でもフレア感は少なく画面中央は良い描写だ。 風景とか平面を撮影するのでなければ画面周辺のアラは目立たないし、露出具合にもよるけど周辺光量落ちがイイ感じで主題を引き立ててくれる。 なお、風景撮影などは絞りをF5.6まで絞れば画面隅でも使えそうな描写となる。 また、Easy Snap は距離環を3.3mにセットしてピント合わせ操作なしでスナップ撮影するモードなので、画像を拡大すればピントが甘い事を承知で使わないとがっかりする事がある。

 「さんじゅうみり」という焦点距離から35mmの被写界深度をイメージしちゃうけど、実際には28mmと同じなので大きな背景ボケは期待できない。 また、最短撮影距離が遠いと感じるシーンが多く、ヘリコイドアダプターを使ってググっと寄る事で背景ボケを生む事が可能となる。 僕好みの発色でトーン表現も良い感じの描写なのだけど、ファインダーを覗いている中途半端な感じで落ち着かない。

あとがき

 28mmと35mmのどっちを持って行こうか迷ったなら30mmという選択が可能だけど、慣れないせいか中途半端な感じがしていた。 僕のお気に入りである24mmと35mmから抜け出せなかったと思うけど、もっと使い込めば良さが判ったのかも知れない。
 このレンズは PENTAX K2DMD と同じ時期に発売され、カメラのペンタ部には六角形の「AOCo」マークが刻印されていた時代だった。 なんとも懐かしい。

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