NIKON F Photomic 目玉おやじ - 1962年発売

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NIKON F Photomic - Late Type
NIKON F Photomic - Late Type
実は、Photomic系ファインダーは Photomic FTN しか持っていなかったし他は不要と思っていたんだけど、メルカリで「フォトミックファインダーFTN ニコン」というタイトル間違いの初期フォトミックファインダーが安く出品されていたので買ってしまった。 到着した商品は予想外に綺麗で打痕や傷も無く、プリズム面と外装の清掃だけで美品級の状態になった。 プリズムは目を離せば稜線がちょっと判る程度で気になる腐食はなく、CdS露出計も正常だったので良い買い物をした。

Photomic Finder - 目玉おやじ

NIKON F Photomic Finder - Late Type
NIKON F Photomic Finder - Late Type
TTL式になる前の Photomic ファインダーは最初期型から最終アポロ型まで装着可能で、1964年の東京五輪当時に使われたフォトミックファインダーである。 外光を取り込むレンズが前面に付いているので、ゲゲゲの鬼太郎に出て来る目玉おやじみたいな容姿が面白い。 僕が入手したフォトミックファインダーは電源スイッチが付いた後期型で、前期型では2個のMR9水銀電池が必要だったけど、(前期型も電池1個で動くようです)後期型は1個のMR9水銀電池で動作する。 そして、目玉おやじを載せるべきカメラは、やはり目玉おやじしか載せられない富士山マークが刻印された初期~前期型の NIKON F だろう。 なお、前期型の「Nikon F Photomic 使い方」は見かけるけど、後期型の説明書は探しても見つからなかった...無いのかしら?

Photomicファインダーの使い方

  • レンズを外したカメラにフォトミックファインダーを装着する。
  • シャッターダイヤルを回してカメラ本体と連動させる。
  • 絞り連動スライダーを向かって右方向の開放端に移動させる。
  • 装着レンズの絞りをF16などの最小絞りにセットする。
  • レンズをカメラに装着・ロックする。
  • 絞り連動スライダーにカニ爪が嵌る様に絞り環を開放絞り側へ回す。
  • 絞り連動スライダーにカニ爪が嵌った事を確認する。
  • ファインダー上面のASAダイヤルを回し、フィルム感度値を▲指標に合わせる。
  • 電源スイッチをオンにする。
  • 測光メーターが定点に合うように、シャッターダイヤルと絞り値を調節する。
もう、お判りかも知れないが、外光式露出計は装着レンズの開放F値に左右されないので、開放F値の設定や「ガチャガチャ」などは必要ないのである。 レンズ交換時はTTL式のPhotomic Tファインダーなどよりシンプルで楽ちんだけど、NDフィルターなどを使用する場合はASA感度を露出倍数指標で合わせる必要がある。
なお、購入したPhotomicファインダーは後期型で、入射式測光用の拡散版や狭視野用のアクセプタンス・コンバーターを電池室蓋にネジ止め可能なので、これらを紛失する事故は少ないだろう。

ファインダー視野

ファインダー視野
ファインダー視野
ファインダー後部
ファインダー後部
ファインダー視野には画面範囲の上側に露出計が採光透過式で表示され、以降のPhtomicシリーズと同じである。 ファインダー内にシャッター速度や絞り値は表示されないが、ファインダーアイピースから眼を離すと外装上方に絞り値が表示されていて、右方向にシャッター速度が表示されているので、FTNファインダーの様に絞り環が見える様にカメラをひっくり返す必要が無いので意外と便利である。 欲を言えば絞り表示が奥まっていて暗がりでは確認しにくいことだ。

測光特性

NIKON F Photomic の測光特性
NIKON F Photomic の測光特性
NIKON F Photomic ファインダーの測光は外光式なので、装着レンズに関係なく測光範囲が決まっています。 その範囲は焦点距離35mmレンズを装着した場合の画面対角円よりやや広い範囲らしい。 また、アクセプタンス・コンバーターを付けた時は35mmレンズ装着時のファインダースクリーン中央の12mm円が測光範囲に相当する様だ。 これらを考慮すると、平均測光でもスポット測光でも使える焦点距離35mmとの相性が最も良さそうだ。
測光特性は平均測光なので、アクセプタンス・コンバーターを付けない状態だと Photomic FTN型ファインダーなどに比べてカメラの構図を変えても測光値が大きく変動する事が無い。 カメラを振って構図を変更すると明るいところや暗いところに応じて適正な露出が指示されるので、かえって露出補正を掛けやすいかもしれない。

露出計電池

MR9電池アダプターで動作する
安価なMR9電池アダプターにSR44電池を装着して正常動作する
露出計の電源はMR9水銀電池が1個必要で、現在では入手できないけど電池アダプターを利用すれば問題なく動作させられる。 昔のMR9水銀電池の電圧が1.33Vだったのに対して電池アダプターに装着するSR44電池の電圧は1.55Vなので、電源電圧が高くなってしまう。 電圧降下ダイオードを内蔵した高価な電池アダプター と 安価で単なる形状変換アダプターの両方を試してみたところ、NIKON F Photomic後期型ファインダーはどちらも同じ測光値が出力され、現代のカメラと同じ値を出力する事が判った。 おそらく PENTAX SP の様に、多少の電源電圧には影響されない回路構成になっているのだろう。 それにしても製造されてから60年近く経つ露出計が今でも正確に動作してくれるのは嬉しい。

あとがき

もし、最初期のフォトミックファインダーを探している人は電池が2個必要な前期型より1個で済む(前期型も電池1個で動くようです)電源スイッチがある後期型の方がお勧めだ。 購入する場合は露出計の動作確認と、入射式測光用の拡散版や狭視野用のアクセプタンス・コンバーター(筒っぽ)が欠品していない事を確認し、出来ればプリズム下面カバーとハードケース(FTNのケースにはアクセプタンス・コンバーター付きで入らない)が付いていればベストだ。

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