ASAHI OPT. smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited - りみてっど

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smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited
 旭光学は 30mm 83mm 120mm 150mm など、妙な焦点距離の単焦点レンズを発売していた。 焦点距離を細かく刻んで商品化してくれるのは有難いけど内心『そこまでしなくても』と思ったものだ。 それにしても、ブラックボディーにシルバー鏡筒は違和感たっぷりで落ち着かない。

smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited - 1997年発売

 標準レンズの焦点距離は一般的に 50mm だけど、昔のライカ標準レンズの焦点距離が50mm(実際には51.6mm)だったので「50mm」なのだ...50mmである理由には諸説ある。 一方、『標準レンズは撮影フォーマットの対角線長が良い』という主張もあり、それに基づけば135版の標準レンズは 43mm ということになる。

レンズ構成

smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited レンズ構成
レンズ構成
 6群7枚構成の拡張ダブルガウス型で、一般的な標準レンズの形式である。 レンズ構成にこれといった特徴は見いだせないけど、一般的な拡張ダブルガウス型と比べて前玉径のサイズに対して後玉径が比較的大きい感じで、周辺光量を後玉系でかせいでいるのかも知れない。


付属の専用フードとキャップ
専用フードとキャップ
 なお、付属品として同じ色味のシルバーで内面に静電植毛された専用ネジ込みフードがあり、装着したフードの上から被せる専用キャップも付属していた。 ちなみに、純正フィルターもあったと思うけど、僕はシルバー枠のマルミ光機製フィルターを買っていた...撮影時は装着しなかったけど。
 FA Limited シリーズには 31mm F1.8 AL / 43mm F1.9 / 77mm F1.8 の3本があり、既成概念にこだわらない焦点距離独特の描写アルミ削り出しの外観 が特徴のシリーズらしい。 確かにエンプラ外観のレンズより高級そうで「Limited感」はある。 でも、31mm と 77mm が F1.8 なのだから 43mm も F1.8 で良かったのに、何故 F1.9 にしたのだろう?

描写特性

遠景描写

smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F2.8
絞り:F2.8
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F4
絞り:F4
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F5.6
絞り:F5.6
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F8
絞り:F8
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F11
絞り:F11
 F1.9開放では少しフレアっぽい描写で、画面周辺ほどフレア感が増える。 F2.8に絞ると画面隅以外は素晴らしい描写となる。 F4に絞ると画面全体がシャープな描写になり、F5.6に絞ると画面四隅を含めてピークに近い描写に達する。
 風景などの遠景で画面四隅までシャープに写すならF4以上に絞った方が良いけど、身近な撮影なら絞りを開けても充分使えるレンズだ。

夜景描写

smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F2.8
絞り:F2.8
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F4
絞り:F4
 F1.9開放では輝点に優しいフレアが纏っていて、画面周辺では円周方向に伸びるサジタルコマフレアが発生するけど、この時代のF2クラスレンズとしては標準的だと思う。 F2.8に絞ると画面中央付近のフレアは消えるが画面周辺のサジタルコマフレアはまだ残っている。 F4に絞ると画面隅でも夜景に使える描写になり、F5.6まで絞れば問題なく夜景撮影に使えると思う。

玉ボケ描写

smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F2.8
絞り:F2.8
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F4
絞り:F4
 絞り開放での玉ボケは画面周辺でレモン型になり四隅では細くなる。 輪郭のエッジが立ち気味だけど目立つ程ではない。 絞りF2.8では八角形ボケになり画面極隅ではちょっといびつになる。 絞りF4では画面全域で揃った八角形ボケになる。 絞り開放での輪郭エッジがもっと立てばシャボン玉ボケとして喜ぶ人も居ただろう。

一般撮影

 記載の絞り値は記憶に頼っているので間違っているかも知れません。 また、「CloseUp」や「ヘリコイド併用」と記載している写真は「多分」ヘリコイドを繰り出して最短撮影距離以上に寄って撮影している事を記しています。

smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F8
絞り:F8
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F2.8
絞り:F2.8
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9(ヘリコイド併用)
絞り:F1.9(CloseUp
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9(ヘリコイド併用)
絞り:F1.9(CloseUp
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9?
絞り:F1.9?
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
smc PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited 絞り:F1.9
絞り:F1.9
 絞り開放でもハイライト部がなければフレア感はさほど感じないし、描写も悪くない。 また、開放がF1.9なのでハイライト部の前後ボケ周囲に色が付く「色ボケ」は少ない方だけど、空バックの木の枝などにはパープルフリンジが見られる。 ヘリコイドアダプターで接写するとシャープ感が不足してるけど充分に見られる描写だと思う。
 F2.8に絞れば充分な描写で、画面隅にピントが無いシーンならアラは目立たない。 また、太陽を入れ込んでも逆光フレアは少な目だけど、絞り開放では対角に円環状のゴーストが薄く発生する。 もっと目立つゴーストだったらオールドレンズマニアが喜んだかもしれない。

あとがき

このレンズのシルバーはこれまでのカメラとは色味が違うシルバーである
色味が違うシルバー
 FA Limited シリーズのレンズにはブラック鏡筒とシルバー鏡筒が販売されていたが、僕はシルバーの PENTAX MX に合わせようと思ってシルバー鏡筒をチョイスした。 ところが、シルバーの色味がボディーの色味と異なり微妙に違和感のある組み合わせになってしまった。
 ちなみに、リコーのホームページによると smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited は『ゴーストレスコートや高屈折率ガラスを贅沢に使うなど、描写力を極限まで高めた高性能レンズです。F1.9の明るさ、シャープで階調の豊かな描写、最短0.45mの近接撮影能力、8枚絞り羽根によるくせのないやわらかなボケ味は、高性能単焦点レンズならではのもの。ボディは質感のよいアルミ削り出しです。』と記載されている。
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