OM-SYSTEMの販売期間中に 21mm F2 / 28mm F2 / 24mm F2 / 35mm F2 / 40mm F2 / 50mm F2 MACRO / 85mm F2 / 90mm F2 MACRO / 100mm F2 / 250mm F2 の「開放F2シリーズ」10本が順次発売された。 お金持ちなら買い揃えているのだろう。
OLYMPUS-M1 発売時に『宇宙からバクテリアまで』というキャッチコピーがあったので、当時は天体写真マニアから「アストログラフ」と呼ばれるほど高性能なレンズだった。 以前、レンズ中玉が曇ったので分解してみると、後群がカムにより前群とは微妙に違う繰り出しが行われる近距離補正が搭載されていて、無限遠から近距離まで高い描写性能を実現していると判った。 どこかに「近距離補正機構を搭載」と書いてあった気もするけどね。
最短撮影距離は0.7mで、近距離補正機構を搭載することで競合製品より寄れるレンズだった。 距離環操作に応じて絞りより後ろ側の第5~7レンズ群の繰り出し量をカムにより変化させている。
開放がF2と明るいけど、フィルター径はΦ55mmで鏡筒サイズは⌀70×72mmとコンパクトに仕上がっているので、501gの重量が高密度な精巧さを感じさせる。 フードが内蔵されているけどスカスカな操作感はガッカリだし、おまけの様なフードなのでカッコ良いフードを装着したい。 内蔵フードを引き出さない状態の容姿はなかなかカッコ良いと感じるだけに、とても残念だ。 なお、絞り羽根は9枚で、絞り込んでも玉ボケの多角形感は少ない。
絞り開放でもコントラストは悪くないし解像感もあるが、画面周辺の描写は少し落ちる。 絞って行くとジワジワと描写が良くなってゆき、劇的な変化はない。 パープルフリンジも少なくて、1980年の明るい中望遠としては充分な描写だろう。
なだらかな周辺光量落ちがありF4で殆ど判らなくなりF5.6で解消する。 目立つ周辺光量落ちじゃないので効果としての有効性は低い。 Dレンジオプティマイザーをオンにして現像したら開放でも気にならなくなる。
色乗りが良くて発色もニュートラルだし、後ボケが滑らかで綺麗にボケてくれる。 なお、前ボケは少し二線ボケの傾向がある。 また、絞り開放でのボケ像の周りに後ボケは緑色で前ボケは紫色に色が付く「色ボケ」があるけど酷くはないし良い部類だろう。
ちょっと難儀するのは距離環敏感度がやや高いことで、遠距離でも近距離でも絞り開放の深度が浅いことからシビアなピント合わせに神経を使う。
画面内に太陽を入れ込むとダブルガウス型特有のゴーストが発生する。 ゴーストの出方は太陽の位置や絞り具合で異なるので、好みの効果となる様に調節すれば良いだろう。
絞り開放から充分に使える描写だし、結構寄れてボケ味も良い ZUIKO AUTO-T 100mm 1:2 は銘玉と言えるだろう。
後に発売された ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2 の描写性能が凄すぎるので、ちょっと影が薄くなったけど優れた描写の銘中望遠レンズだと思う。 残念なのはおまけの様な内蔵フードで、出すのも格納するのも締まりがなくスカスカなのが気に喰わない。 CONTAX METAL HOOD 5 では大袈裟過ぎるので、もっとスマートなフードが良いだろう。 当時は天体写真マニアから「アストログラフ」と呼ばれていたけど、僕自身は天体写真撮影に使う事は無かった。
ちなみに、OLYMPUS OM-2 SPOT/PROGRAM のカタログには「新製品¥67,500円」と記載されていたけど、販売価格は¥99,000円だった気がするなぁ。
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