minolta MC W.ROKKOR 24mm F2.8 - らいか・えるまりーと

0

minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm
 24mmは昔から僕好みの焦点距離で、初めて買ったのは NIKKOR-N・C Auto 1:2.8 f=24mm で、広角は24mmと35mmを多用していた。 ミノルタのレンズはあまり揃えなかったけど、MC W.ROKKOR-SI 1:2.8 f=24mm は好きなレンズの一本だった。

minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm - 1975年発売

minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm レンズ構成
レンズ構成
 レンズ構成は7群9枚のレトロフォーカス型で、1973年発売の前期型と異なるのは名称に-SIが付いていない程度の差だ...と思う。 負パワーで3枚構成の先行レンズ群は NIKKOR-N Auto 1:2.8 f=24mm と似た構成だけど、それ以上に LEICA ELMARIT-R 1:2.8/24 とそっくり...というかほぼ同じで、提携関係にあったミノルタとライカの状況がレンズにも現れていた。
 最短撮影距離は0.3mまで寄れるけど、TOPCON RE, Auto-Topcor 25mm F3.5 並みににぐいぐい寄れたら嬉しかった。 フォーカスには第1~5レンズ群と絞りより後ろの第6~9レンズ群の移動量が距離環位置に応じて微妙に異なるフローティングシステム(近距離補正)を搭載していた。 ただし、距離環と一体の前群が回転してしまう(絞りより後ろは回転しない)簡易な鏡筒構造になっていて、偏光フィルターなどは使い難い。 一方、ELMARIT-R 1:2.8/24 は凝った作の鏡筒で、前枠が回転しないので偏光フィルターの利用も便利だし角型フードを装着出来る様になっていた。

 この時代のロッコールレンズにはレンズ構成が表記されていたが、本レンズはレンズ構成表記が廃止された後期の製品である。 1973年に発売された前期製品にはレンズ構成が表記されていて、「SI」と記載されていた。 最初のSSeptiの略で7群構成である事を意味していて、次のIはアルファベット9番目なので9枚構成である事を意味している。
 ちなみに製品名先頭の MC は Meter Coupler の略で、絞りリングに露出計連動カプラー爪が付けられた製品シリーズである。

描写特性

遠景描写

MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F4
絞り:F4
MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6
MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F8
絞り:F8
MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F11
絞り:F11
MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F16
絞り:F16
 遠景描写の中央か周辺部まで絞り開放からコントラストが良く、絞っても少ししか描写が向上しないほど開放から良い描写だけど、F16まで絞っちゃうと回折の影響で少しボヤける。 一方、画面四隅は急激に解像が悪くてボヤけた描写で、F5.6に絞っても極四隅は像がボヤけたままで、F8でやっと解像感が出てきてF11ならシャープに写る。 ただし、四隅がカットされる四つ切りプリントなどの場合は我慢できるかも知れない。 なお、素敵な周辺光量落ちがあり、F5.6で殆ど判らなくなりF8で解消する。

一般撮影

minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F8
絞り:F8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=24mm 絞り:F8
絞り:F8
 絞りF2.8開放からフレアが少なくコントラストも良いし、画面四隅を除いて充分な写だ。 画面四隅を捨てれば絞り開放から使えるレンズだけど、立体物を撮影する様な場合は画面隅にはピントが合っていないので、気にならない場合も多い。 なお、ゴーストや逆光フレアは少ない方なので、いわゆる「エモい」写真は撮り難いかもしれない。

 焦点距離が24mmの超広角レンズなので、遠景では絞り開放でも概ね焦点深度に納まるが画面四隅の描写はどうしようもない。 画面隅まで良い描写を求めるならF8以上に絞る必要があるけど、身近な撮影なら絞り開放から使える優れたレンズだと思う。

あとがき

 minolta MC W.ROKKOR-SI 1:2.8 f=24mm と LEICA ELMARIT-R 1:2.8/24 の光学系がほぼ同じである事は先に書いたけど、光学設計だけでなく部品もライカに供給していたらしい。 一方、ミノルタは同じ光学系のまま手動でフローティングを調整できるVFC (可変フィールド曲率) レンズとして MC ROKKOR 1:2.8 f=24mm VFC を本レンズと同じ1975年に製品化している。 ちなみに、VFCレンズは主ヘリコイドで後群を含む主内筒を移動させてフォーカシングし、サブヘリコイドで前群鏡筒を移動させて像面湾曲具合を変化させる凝った作りであった。 
Sponsored Link
Sponsored Link

0 件のコメント :

コメントを投稿

Sponsored Link