PETRI C.C Auto Petri 1:1.4 f=55mm - 2本目ゲット

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2本目の PETRI C.C Auto Petri 1:1.4 f=55mm
2本目の PETRI C.C Auto Petri 1:1.4 f=55mm
 PETRI C.C Auto Petri 1:1.4 f=55mm は銘玉だと思っていたので、オークションの説明書きで『レンズにカビやキズ、くもりがあり、ややバルサム切れの状態です。 傷、汚れ、ゆるみがございます。』という、ほぼジャンク評価のレンズを税込¥3,309円でポチってみた。 オークションの画像を見て製造番号的にコーティングが変更された後の個体っぽいのと『ジャンクではなさそう』という直感があったたからだ。

レンズの状況

状態が悪いのはフィルター
状態が悪いのはフィルター
 送られてきたレンズを検品すると、主にカビ・キズ・くもりが発生しているのは装着されたフィルター面であり、レンズ本体は前玉に若干のキズがあるけどジャンクなレンズ面状態ではなかった。 鏡筒には傷も殆ど無いので清掃すれば美品級だろう。 説明書きの「ゆるみ」はレンズ前枠(フィルター枠)が「ゆるんでいる」というより「ほぼ外れている」だけだったし、バルサム切れの症状は確認できなかった。 最前面と最後面には指紋汚れがべたべたと付いているのでクリーニングは必要で、良~く確認すると前玉の裏面と絞りの前後面は清掃した方が良さそうだ。
 絞り羽根に油滲みは「ほぼ」無いけど自動絞りが効かない状態でマニュアル絞りにしかならない。 絞りの駆動は分解してみないと修理できるか判らないけど、デジカメで撮影するなら自動絞り不作動は問題ではない。 このレンズは絞りにクリックが無いタイプだけど、静止画撮影に使うならクリックがあるタイプの方が良かった。

分解・清掃・修理

絞り駆動系キーを修理
絞り駆動系キーを修理
 絞り駆動系の潤滑油が粘っている事が判ったのと、絞り駆動が粘った状態で絞り環を無理に回したことで連動キーの動きが渋くなった様だ。 ペトリの絞り連動キーと受け部のクリアランスは微妙な感じで、少しでもキーが曲がると動きが悪くなってしまう。 絞り駆動系は清掃したので自動絞りも問題なく動作する様になった。 なお、ヘリコイドの重さは丁度良いので、現時点でグリス交換の必要ないだろう。

レンズの清掃

レンズのクリーニング
レンズのクリーニング
 前玉裏には薄いけどしつこいクモリ汚れがあって普通のクリーニング液では綺麗にならないので、洗剤で「じゃぶじゃぶ」と洗ってから水洗・水切りして仕上げ清掃してみた。 最後の仕上げには望遠鏡のレンズ清掃に使っている Baader Planetarium社の「Optical Wonder」というクリーニング液を使ってみたけど、じゃぶじゃぶ洗いもしているので普通の写真レンズ用クリーニング液より綺麗に仕上がる気がする。

2本の比較

後玉コートの差
後玉コートの差
 先に入手していた 55/1.4(製造番号5桁)と 今回の 55/1.4(製造番号6桁)のコーティングを比較すると、後玉コーティングの色味がちょっと違う事が判る。 製造番号が5桁の方はアンバー系コート(右)で、製造番号が6桁の方はシアン系コート(左)になっている。 ただ、それだけでは描写にどの程度の差があるのかはハッキリしないけど、見た目として新しい方は『ハレーション対策したんだろうなぁ』と感じる。

実写確認

絞り:F1.4(開放)
絞り:F1.4
絞り:F2
絞り:F2
絞り:F2.8
絞り:F2.8
絞り:F1.4(開放)
絞り:F1.4
絞り:F1.4(開放)
絞り:F1.4
絞り:F2.8
絞り:F2.8
 分解・清掃したので、実写して描写を確認してみた。 両方の Petri 55/1.4 で詳細な比較実写はしなかったけど、今回のレンズの方が抜けが良い気がする。 絞り開放では解像感がありながら柔らかい描写がすこぶるイイ感じで、F2に絞るとグッとコントラストが増し、F2.8に絞ると画面隅でも良い描写になる。 積極的に開放絞りでの素敵な描写を活かす写真を撮りたくなるレンズだ。

あとがき

光線追跡
光線追跡
 現代だからミラーレスデジタル一眼でペトリのレンズを楽しめるけど、あの当時に他社カメラに装着できる Petri 55mm F1.4 があったなら絶対に買っていただろう。 それくらいの銘玉だと「個人的」に評価している。 何万円もするオールド迷レンズを買うくらいなら数千円の Petri 55mm F1.4 をお勧めするなぁ。
 ちなみに、ペトリの図面から収差計算してみたところ、当時の硝材とはちょっと違うので完璧には判らないけど、非点隔差などの諸収差も上手に補正されている様だ。 なお、光学設計者は島田邦夫氏らしい...面識ないけど。

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