NIKON用 ADAPTALL 2 マウントの Ai-P化

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AI-P化した TAMRON SP 90mm F/2.5 Model 52BB ADAPTALL 2 LENS
AI-P化した TAMRON SP 90mm F/2.5 Model 52BB ADAPTALL 2 LENS
 TAMRON ADAPTALL 2 マウントであれば LEICA でも MINOLTA でも CANON でも NIKON にでも装着出来て、1本のレンズを複数メーカーのカメラで楽しむことが出来る。 中でも TAMRON SP 90mm F/2.5 Model 52BB は僕のお気に入りレンズで、持っている全ての一眼レフで利用したいレンズなのだ。

NIKON F100 と Aiレンズ

NIKON F100 はAiレンズの絞り値が表示されない
Aiレンズのファインダー内表示
 僕のニコン製オートフォーカス一眼レフは唯一 NIKON F100 だけで、このカメラには絞り環を直読する窓が搭載されていないため、CPU非搭載のAiレンズを装着すると撮影は問題なく出来てもファインダー内に設定絞り値が表示されない。 NIKON F100 にCPU搭載レンズを装着すればシャッター速度値や絞り値がデジタル表示する機能があるのに、Aiレンズでは F-- としか表示されないのが残念に思っていた。(しかも非AiレンズはカメラのAi連動爪が干渉して装着すらできない)
 数年前、ネットを眺めていて「タンポポチップ」という、ニコンレンズ用通信チップがある事は知っていた。 SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS にEOS用通信チップを取り付けた事があったけど、その親戚みたいなものでAi-Pレンズの様に設定絞り値が表示できる様になるらしい。
 そこで、CPU非搭載レンズを通信対応にする通称「タンポポチップ」を TAMRON ADAPTALL 2 マウントに装着して Ai-P 化してみることにした。

タンポポチップは入手できるのか?(2022年時点)

eBayにあったけど在庫僅少でした
eBayにあったけど在庫僅少でした
発送詳細
発送詳細

 僕が見たネットの記事は2010年だったので、今でも(2022年時点)購入できるか判らなかったけど、eBayで検索してみたら...ありました。 でも、残り在庫が僅かだったので、無条件にポチってみた。
 僕が探して購入した時の名称は「AF confirm Chip "Dandelion" for Nikon *EURO* Original by Victor Luchnikov」と記載されていた。 『あぁ、Dandelionねぇ』と思いつつポチってから気が付いたけど、どうやらアノR国の製品らしく、ソノB国から発送されてきた。 この製品を開発した人・販売している人たちが良識人であることを願っている。 購入から到着まで随分と時間が掛かったのは「特別軍事作戦」のせいなのだろう。 
通信チップ本体 と 土手アダプター(?)と 位置決め治具
タンポポチップ セット
 タンポポチップには 通信チップ本体 の他に 土手アダプター(?)と 位置決め治具 が同梱されていた。 位置決め治具はタンポポチップをマウントに接着する際に、マウント面の脱着ロック穴を基準としたチップの位置をガイドしてくれる。 これがないと接着に失敗する確率が高くなるだろう
 また、説明書は同梱されてなく、アノR国のサイトからダウンロードする様に書かれた紙切れが入っている。 今回は2個だけポチったけど、4個あった在庫の全てをポチるべきだったかも知れない

アダプトールマウントのAi-P化

NIKON用ADAPTALL2マウントのAi-P化は土手無しを使う
NIKON用ADAPTALL 2
 本来はニコン純正のレンズを Ai-P化するものだけど、タムロンのニコン用アダプトールマウントだってAi-P化できるハズだ。 そこで、手持ちのニコン用アダプトールマウントを調べてみると2種類あり、ガードが無い古い
Ai用(右タイプ)のニコンマウントであればタンポポチップを接着するだけで改造可能だ。 新しいAi-S用(左タイプ)のニコンマウントの場合はガードの土手が開放F値に応じて回転してしまうので、土手を削ったとしてもAi-P化には使い難い。
治具を使ってチップを位置決めして接着する
治具を使って接着
 土手部分が回転するのはAi(-S)方式の開放F値連動ガイドに対応する工夫で、Nikon F4、FG、FAなどがレンズから開放F値をメカ的に受け取ってファインダー内表示やマルチパターン測光などに用いられていた。
 実際にタンポポチップを「本」接着する前に、外せる程度に「仮」接着してチップの位置や動作を確かめてから「本」接着した方が良いだろう。 以前、EOS用チップを接着する際に少しだけ位相が悪く、レンズを「ガチャン!
と力強く装着すると通信できない事があった。 結局、接着したチップを外そうとしてお釈迦にしてしまった。 なお、「本」接着にシアノアクリレート系(アロンアルファなど)接着剤を使う場合はレンズ後面が白化したりするので、揮発成分が充分に飛び終わるまでレンズに装着してはいけません。

レンズのメンテナンス

レンズもメンテナンス
レンズもメンテナンス
 この際 TAMRON 52BB(この設計は弓木さんだったっけ?)の前群を分解して、気になっていた前群内部の軽い曇りを清掃し、使う事は殆どないけどF32とF22の絞り込み駆動ポジションの調整も行っておいた。 レンズを清掃するとスカっと透明になって実に気持ちが良い。 これだけで良い写真が撮れそうな錯覚を起こしてしまう。
 後はマウントの駆動系に極々少量だけ注油しておけば、絞り込み状態で絞り値を変化させた場合の追従性が向上する。 注油し過ぎると大量に埃が付着して動かなくなるので極々少量だけにしましょう。

Ai-P化の結果

タンポポチップで絞り値が表示される様になった
Ai-P化したファインダー内表示

 「タンポポチップ」はプログラマブルで、利用するレンズに合わせて開放絞り値や焦点距離などを設定できる。 具体的な設定手順は説明書を参照してもらうとして、今回は TAMRON 52BB に合わせて 開放F値:F2.5 / 最小F値:F32 / 焦点距離:90mm / AF・MF:MF に設定した。
Ai-S用に絞りポジションを調整
絞りポジション調整
 さて、Ai-P化する事で絞り値の設定はカメラ側から行う必要があり、レンズの絞りは最小絞り(52BBは絞りF32)に設定しておき、実際の絞り値はカメラが絞り駆動レバーの動作距離でレンズの絞り値を制御する事になる。 今回のADAPTALLマウントはAi用であり Ai-S用ではないので、テストしてみると絞り駆動レバーに対する実絞りポジションが1段ほど狂っていた。 仕方ないので、マウント内で絞り制御を回転駆動⇒直進駆動に変換する部分を調整する事で、出来るだけ設定絞りになる様に近づけておいた。
 直進駆動に変換する部分は長穴ネジ固定になっているので、接着剤を外してAi-S用に調整(調整量は微妙で何度もトライ)してネジを締め直せば良い。 Ai-P化で判明した事から、Ai-S用のADAPTALLマウントが高い精度で絞り値の制御が出来ているのか、甚だ疑問が残る。
 タムロンのアダプトールレンズがAi-P化されてファインダー内に絞り値が表示される様になり、NIKON F100 でもストレスなく使える様になった。 このAi-P化マウントは装着するレンズに応じてROM設定を変える手間はあるけど、ADAPTALLマウントでも改造できることは確認できた。 なお、NIKON F100 には「レンズの絞りリングで絞りセット」というカスタムファンクションが用意されているんだけど、この機能が働かないのは残念だ。 ちなみに、ニコンのデジタル一眼レフに装着すればレンズの情報がEXIFに記録されるらしいけど、ニコンのデジタル一眼レフを持ってないので、どの様な形で記録されるのか確認していない。

あとがき

ソノ国から送られてきた
B国から送られてきた
 タンポポチップをポチったのは良いけど、クリミア半島の様に我が国の領土を不法占拠しているアノR国の製品がソノB国から発送されて僕の手元にあるのは気持ち良くないのが実感だ。 記事を書くのも気が進まなかったけど、便利になったのも事実だし楽しく使っている。 ソノB国へは行ったことはないけど、アノR国へは数回行ったことがあるし、避難民を大勢受け入れてるP国へも行ったことがある。 国際情勢が理想のカタチで早く落ち着くことを願っている。
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