SIGMA 105mm F2.8 EX MACRO - 万能AF中望遠レンズ

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SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO
 前世紀では TAMRON SP 90mm F2.5 が中望遠マクロとして人気があったけど、AF時代になってからシグマからも中望遠マクロが発売された。 僕はマニュアルフォーカス時代ではマウント交換が出来る TAMRON ADAPTALL2 システムを便利に利用していた。 AF時代になってマウントが固定式にったので、僕のレンズメーカー選択肢にシグマも入ってきたのである。

SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO - 1998年発売

SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO レンズ構成図
レンズ構成
 レンズ構成は9群10枚の望遠マクロレンズで、後玉を残して前方群を繰り出す方式である。 レンズ単体で等倍までの接写が可能で、内筒がにゅるにゅると伸びてくる。 なお、この個体は後期のモデルだと思う...多分。
 距離環リミットスイッチがあり、距離環の駆動範囲を制限できる。制限範囲は∞~0.5xと0.5x~1.0xで、距離感がどちらかの領域にある時に制限スイッチを入れればその範囲に制限される。 この制限範囲はメカ的なもので、電気的なスイッチではないのでマニュアルフォーカスでも制限されてしまう。 なお、レンズは鏡筒の奥の方にあるのでフードは要らないだろう。

距離環をスライドさせて距離環のAF連動ON/OFFを切換えする
スライド式AF連動切換え
 また、レンズ横にマニュアルフォーカスとオートフォーカスを切換えるスイッチがあり、マニュアルフォーカスにすると電気的に信号をマニュアルにするのと同時にメカ的にモーター駆動ギアもフリーとなる。 このままではオートフォーカス時に距離環がぐりんぐりんと回ってしまうが、距離環を前後にスライドする事で距離環を「AFメカ連動」にするか「AFメカ解除」にするかを切換えられる。 よく考えられている様だけど、二段階の切換えは手間だし「AF/M」標記は判り難いし、距離環をスライドしただけではマニュアルフォーカスしようとすると内部のメカ連動ギヤを壊してしまいそうだ...実際に壊れてしまった。 オートフォーカスはモーター作動音とギア駆動音があり静かとは言えない。

 当時は天体写真撮影に使っていて、APS-Cサイズカメラだと160mmほどの望遠レンズになるので、撮影すべき星野対象も結構あった。 天体写真撮影ではマニュアルフォーカスでピントを合わせるが、距離環のフォーカス敏感度が高いのでマニュアルでピントを合わせるのは神経を使う。

描写特性

遠景描写

SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F2.8
絞り:F2.8
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F4
絞り:F4
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F5.6
絞り:F5.6
 絞り開放から高い描写性能を示し、F4に絞れば周辺光量落ちも含めて充分な描写性能になる。 無限遠でも絞り開放から安心して使えるマクロレンズである。

天体撮影

SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F2.8 EOS 20Da プレアデス星団
絞り:F2.8
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F4 EOS 20Da いて座~へび座
絞り:F4
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F4 EOS 20DaS LPS-P2フィルタ使用 オリオン座中心方向
絞り:F4
 絞り開放でも天体写真に使えないこ事はないけど星像が膨らみ気味なのと、色収差による若干の青フレアが星像に纏わりつく。 F4に絞れば青フレアは消え、画面隅に若干の倍率色収差だけが残る。 実際の天体写真は上記写真の様な単純現像処理ではなく、暗部の微妙なディテールを抽出する様に強い補正を行う。 従って、画像ノイズ・周辺光量落ち・収差フレアなどが強調されてしまうので良いレンズが欲しいのだ。

 ちなみに、オリオン座中心方向の写真(3枚目)で画面下の左右がピンク色になっているのは画像センサーのトランジスタに電流が流れっ放しで赤外光を発しているからである。 撮像タイミングでトランジスタの状態が異なる(不安定)ので赤外発光状況も変化してしまう。 画像センサーの設計ミスというか設計チェック漏れなのだ。

一般撮影

SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F8 EOS-1D mk III
絞り:F8
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F2.8 SONY ILCE-9
絞り:F2.8
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F2.8 SONY ILCE-9
絞り:F2.8
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F2.8 SONY ILCE-9
絞り:F2.8
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F5.6 SONY ILCE-9
絞り:F5.6
SIGMA 105mm 1:2.8 EX MACRO 絞り:F5.6 SONY ILCE-9
絞り:F5.6
 小デフォーカスの後ボケがちょっと硬めだけど、ボケが大きくなれば実にスムースだ。 遠景から等倍マクロまで撮影出来る万能レンズで、描写性能も絞り開放から使える優秀なレンズだと思う。 なお、等倍付近のマクロ撮影では上下左右前後ブレがハンパないので三脚使用が望ましい...風で被写体ユラユラはどうにもならんけど。

あとがき

 ずいぶん昔、突然AFモーターが『ウィーン』と唸るだけでAFが動作しなくなった。 多分、AFアクチュエータのギア壊れたのだろうけど、修理しようと思いつつ天体写真ではAFを使わないので放置したままだった。 いまではパーツの入手も困難だろうなぁ...ジャンクレンズを入手してキアを移植する手もあるけど、今使っている SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS で不満はないので放置プレイだ。
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