1978年ころまでの製品には S.C. とか S.S.C. とか FLUORITE とか ASPHERICAL など、製品名に様々な技術要素を表記していた。 末期のFDレンズやNewFDレンズではその様な表記が無くなり、高性能高級レンズは全て L(Luxuryの略)と表記される様になり、いわゆる「えるれんず」とか「しろレンズ」とか「あかはちまき」いう呼び方が定着した。
レンズ構成
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| レンズ構成 |
レンズ構成は1枚の人工蛍石と1枚の特殊低分散ガラスを含む7群9枚構成で、リアフィルタを含めれば8群10枚構成となり、明確なテレフォト型とはいえないが、テレフォト型レンズの後ろに貼り合わせのレデュサーが付いているともみなせる。 第2レンズの凸レンズが人工蛍石で、柔らかくてキズが着き易い蛍石を保護するために第1レンズが平行平面の保護ガラスとなっている。 また、第3レンズの凸レンズの硝材としてUDガラス(FK5より低分散な超低分散ガラス)を使う事で人工蛍石と併せて色収差を抑えている。 なお、第4レンズの凹レンズは望遠レンズの設計には欠かせない高屈折率・高分散ガラスが用いられている...ハズだ。
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| 保護ガラスは撤去した |
先代の
FD 300mm 1:2.8 S.S.C. FLUORITE では保護ガラスがメニスカス状になっていたけど、New FD 300mm 1:2.8
L では並行平面ガラスに変更されている。 このため、ルマン24時間レースなどの夜間撮影では強烈なヘッドライトが対角線ゴーストとして写り込んでしまう。 銀塩写真の時代はフィルム面反射は低い方だったけど、デジタルカメラではセンサー面反射が多いので激しい対角線ゴーストが写り込む。 僕はこれが気に喰わなかったので、保護ガラスを撤去してしまった。 また、この保護ガラスには高透過率のコーティングが施されていない感じだったので、デジタルカメラでの使用には難がある。 ちなみに、撤去した保護ガラスと締め付けリングが見つからない...何処へ保管したのか...捨てたのか...
フォーカシング
フォーカシングはヘリコイドではなくバリアブルピッチカムによる内部の負パワーレンズ(第6第7貼り合わせレンズ)を移動させるインナーフォーカス方式である。 これにより距離環が細身になって、レンズの全長が変化しないので操作性が非常に良くなった。 先代の FD 300mm F2.8 S.S.C. FLUORITE のフォーカシング操作性とは雲泥の差だ。 更に、最短撮影距離が先代の3.5m(撮影倍率0.1倍)から3m(撮影倍率0.11倍)に短縮され、通常の撮影ではあまり不自由はない。
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| 3.5mでの画像サイズ比較 |
ただし、近距離へのフォーカシングで負パワーのレンズを像面側に移動させる(繰り込む)ので、近距離ほど焦点距離が短くなる。 例えば撮影距離3.5mで全体繰り出しの FD 300mm F2.8
S.S.C. FLUORITE と撮り比べると、その違いがハッキリと判るだろう。 なお、バリアブルピッチカムにより近距離側の距離環敏感度を高くして、「近距離側で距離環を回す量を少なくする」という思想だけど、無限側も含めて全体的に距離環敏感度が高いと感じる。
プリフォーカス機能
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| 距離環リミッター |
距離環には無限側リミッター機能があり、設定したい距離位置でプリフォーカスリングをネジ止めすれば至近から設定距離までがフォーカス範囲となる。 例えば、二塁ベース付近にピントを合わせてからプリフォーカスリングを合わせてネジ止めすることで、普段はバッターボックスを狙っているけど、一塁ランナーが二塁へ盗塁してスライディングした「瞬間に」に二塁側へピントを再生できる。 ただし、更に遠い選手へ直ちにピントを合わせられないという弊害もある。 天体写真撮影の時はピント合わせしてからリミッターを効かせて、不用意に距離環に触っても無限遠再生できるので、再度のピント合わせをしなくて済んだ。 なお、蛍石は温度変化によるピント移動が大きいので、経験として天体写真撮影では温度変化が3℃を越えたらピントを合わせ直した方が良いと思う。
レンズ重量とマウント強度
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| マウントリングを止める小ネジ |
レンズ重量が前機種の1,900gから2,345gへと重くなってしまったけど、操作性が格段に良くなったので全く苦にならなかった。 とはいえ、今使っている
SONY FE 300mm F2.8 GM OSS と比べたら重いのは確かだ...New FD 300mm F2.8
L の方が短かったけどね。 ちなみに、通常のNewFDレンズは銀色のステンレス製マウントリングを3本の小ネジで外枠に止めているけど、New FD 300mm F2.8
L は重量対策なのか6本の小ネジで外枠に止めている。
ところが、マウント部を分解してみると、マウント外枠をレンズ本体にネジ止めするのは他のFDレンズと同様に3+1本(3本のみのレンズもある)のネジで止めする構造だった。 重いレンズを装着した機材をカメラボディー側だけで「グイッ」と持ち上げたりしない方が良いだろう。
固定三脚座
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| 固定三脚座 |
三脚座はレンズ本体に固定されていて、鏡筒横の大きな銀色ボタンを押せば内部の絞りユニットを含めて三脚座より後ろ側だけを左右90度回転させられる。 クリックではなくロックされるタイプなので、場合によっては使い難い事もあるけど軽くスムースに回すことが出来る。 出来れば、銀色ボタンをねじればロックフリーになる様な工夫が欲しかった。 なお、ロック状態でも回転方向に若干のアソビがあるので、天体写真撮影ではマウント部も含めて動かない様に対策する必要がある。
回転三脚座が「ロックされるタイプなので、場合によっては使い難い事もある」というのは、スポーツ撮影などで一脚を使って撮影する場合に機材を左右に振ると、どうしても機材が傾いてしまう。 なので、ロックしないで常にカメラの水平が出る様に微妙に回転させながら撮影する必要があるからだ。 なお、常にカメラを水平に保持しているので右腕がエラく疲れるけど、これを怠るカメラマンの写真は妙に傾いた写真が多い。
また、三脚座の後ろ側にはストラップを通すバーがあるので、機材をぶら下げる場合はここにストラップを装着(説明書にはストラップ用とは記載されていないと思う)すれば安心...かも知れない。
内蔵フードと延長フード
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| 内蔵フードと延長フード |
内壁が植毛タイプになっているフードが内蔵されいて、長さが全く足りないけど少しは効果はあるだろう。 内蔵フードは引き出した状態で「ひねれば」ロックされる構造に改良されている。 更に、先端に FD 500mm 1:4.5 L と共用の延長フードを装着でき、延長フードを装着すれば充分な効果が期待できる。 なお、延長フードはレンズの先端に逆付け収納が可能で、専用のソフトフロントカバー(キャップ)は延長フードの逆付け状態を想定したサイズになっている。
ドロップインフィルター
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| 48mm Drop In Filter |
フィルターはΦ48mmのリアフィルター方式で、差込み式フィルターホルダーにΦ48mmの汎用フィルターが装着出でき、標準で REGULAR 1x フィルターが付いている。 フィルターホルダー上部中央の銀ボタンを押しながら、フィルターホルダーの両端を摘まんで持ち上げればフィルターホルダーを外す事が出来る。 当然だけど、枠が異常に厚いフィルターはフィルターホルダーに装着できてもレンズには差し込めない。 また、ホルダー外側のダイヤルを回転させることで内部フィルターが回るPL-Cフィルターも用意されていた。 また、Φ48mmフィルターホルダーは天体観測に使う Hα / OⅢ / SⅡ/ UV-IR / LPS(Light Pollution Suppression) などの各種2インチ干渉フィルターと同サイズ(M48 P0.75規格)なので便利だった。 思い出せないけど、フィルター枠が厚くて挿入できないフィルターもあったと記憶している。
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| GELATINホルダー |
そういえば、シートフィルターを挟めるゼラチンフィルターホルダーも持ってたハズだけど...あっ、引き出しの中にありました。 シートフィルターをゼラチンホルダーのシート押さえ枠の形に切り出してホルダーに挟んで利用する。 自作やLEEのソフトフィルターを使う場合に便利だった。 うっかりソフトフィルターを挿入したまま忘れていると、通常の撮影なのに『何だかフレアっぽいなぁ?』という失敗もある。 色フィルターなら直ぐに判るけど、銀塩フィルム撮影の場合はファインダースクリーンの像だけが頼りなので注意しよう...僕だけかもね。 ゼラチンフィルターホルダーの上面に赤いシールでも貼れば目立って判り易いだろう。
エクステンダー対応
焦点距離を伸ばすエクステンダーに対応していて、FD 2X-B を装着すれば 600mm F5.6 となり、FD 1.4X-A を装着すれば 420mm F4 となり焦点距離を伸ばせる。 なお、キヤノンのFDレンズ用エクステンダー(テレコンバーター)は4種類存在し、製品名に明記されていないけどコーティングは S.S.C. 仕様だったと思う。
- EXTENDER FD 2x 5群5枚構成 1975年発売 ¥29,000円
FD 300mm F2.8 S.S.C. FLUORITE専用 - EXTENDER FD 2x-A 4群6枚構成 1978年発売 ¥35,000円
300mm以上、ズームはテレ側が300mm以上。(※FD 300mm F2.8 を除く) - EXTENDER FD 2x-B 5群7枚構成 1980年発売 ¥45,000円
300mm未満、ズームはテレ側が300mm未満。(※FD 300mm F2.8 を含む) - EXTENDER FD 1.4x-A 3群4枚構成 1981年発売 ¥40,000円
300mm以上のレンズ
という4種類で、対応するマスターレンズが判り難い(MACRO NewFD 200mm 1:4 は FD 2x-A だったりする)のが困りものだ。 なお、価格改定が激しい時代だったので、掲載の発売時価格は参考程度です。
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| CANON製エクステンダー |
EXTENDER FD 2x-A と EXTENDER FD 2x-B と EXTENDER FD 1.4x-A を持っているけど、殆ど使った記憶が無い。 昔はオートフォーカスも電気的な通信も無かったので、レンズに FD 2x-B を装着し、更に FD 2x-A を重ねれば、マスターレンズの焦点距離を4倍に伸ばせた。 どうしても近づけない被写体の撮影に、 画質は別としてエクステンダーの重ね付けをやっていた動物写真家も居たハズだ。
白レンズと黒レンズ
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| 白黒の各「さんにっぱ」 |
超望遠系レンズの外装色を白塗装にしたのは「炎天下での撮影などで、レンズ本体が高温になるのを防ぐため」である....と言われている。 実際には遮熱塗料ではなかったと思うので、(幾分かは効果があるけど)真夏の炎天下では白レンズも黒レンズ同様にチンチンに熱つくなる。 本当はフィールドで目立たせてキヤノンの存在をアピールするための「白レンズ」だったのではないかと想像している。
前世紀のズイコーに「白レンズ」が登場したり、一時期ニコンからも「白レンズ」が発売されたり、現在のソニー超望遠系も「白レンズ」になったりで、「白レンズ」が増えたので目立たなくなったけどね。
また、キヤノン最初の「白レンズ」から現在の「白レンズ」に至るまで、徐々に色味が変化している。 これは塗装色の基準になる色見本が経年変化していたからで、意図した変化ではなかったと想像している。 近年になって、白い色味がガラッと変わったのは、機能性向上により色見本が修正されたからだと思われる。 あっ、これらは個人的な想像・妄想です。💦
描写特性
遠景描写(保護ガラス無し:SONY ILCE-9)
以下の遠景描写の写真はカメラのホワイトバランスを太陽光に設定し、Dレンジオプティマイザーをオフにして撮影したカメラJPEG画像です。
絞り:F2.8 |
絞り:F4 |
絞り:F5.6 |
絞り:F8 |
絞り:F11 |
絞り:F16 |
絞り開放では若干ソフトな描写だけど、画面全域で均質で良い描写だ。 F4に絞ると画面全域で素晴らしい描写になる。 なお、なだらかに落ちる周辺光量落ちがあり、F5.6で殆ど判らなくなり、F8で解消される。
FD 300mm 1:2.8 S.S.C. FLUORITE と New FD 300mm 1:2.8 L の絞り開放を比べてみた。 発色はどちらも同じ様な色味・色乗りだけど、意外なのは絞り開放での画面中央部の解像感・コントラストはNewFDより旧型の方が高いことで、画面周辺でも光量落ちが大きい旧型の方がシャープだ。💦
一方、旧FDより周辺光量落ちが小さいことと、撮影データ(シャッター速度)からNewFDの方が少し光量が多いと判った。 NewFDは保護ガラスを撤去しているので、これらの差に影響しているかも知れない。 なお、旧FDより焦点距離が微妙に長いけど、撮影倍率が0.02倍の設計基準(多分だけど)なら同じ焦点距離になると思われる。
FD 300/2.8 S.S.C. FLUORITE と NewFD 300/2.8 L との比較 絞り:F2.8 WB:太陽光
両画像をアプリで中央部を位置合わせして99%のサイズ(5940x3960)にトリミングしてあります。
夜景・玉ボケ描写(保護ガラス無し:SONY ILCE-9)
以下の夜景・玉ボケ描写の写真はカメラのホワイトバランスをオートホワイトバランスに設定し、Dレンジオプティマイザーをオフにして撮影したカメラJPEG画像です。
絞り:F2.8 |
絞り:F4 |
絞り:F5.6 |
絞り:F2.8 |
絞り:F4 |
絞り:F5.6 |
絞り開放でも画面全域でなかなか良い描写だ。 F4に絞ると画面全域で素晴らしい描写になる。 絞り開放での画面周辺の描写は旧機種の FD 300mm 1:2.8 S.S.C. FLUORITE の方が良い(比較すれば)様に感じるけど、一段絞れば両者とも素晴らしい描写になる。 なお、高輝度部に現れる倍率色収差は New FD 300mm 1:2.8 L の方が圧倒的に少ない。
画面周辺部の玉ボケがラグビーボール形になるけど、玉ボケ周囲のエッジが目立たないので素直な玉ボケだと思う。 F5.6まで絞れば画面周辺まで揃った玉ボケになるが、少し多角形感が少し出てしまう。
一般描写(保護ガラス無し:SONY ILCE-9)
以下の写真はカメラのホワイトバランスをオートホワイトバランスに設定し、Luminar Neo Ver.1.26.0 を使って「撮影時の設定」で現像してみました。 カメラJPEGとは仕上がりが微妙に違います。
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F2.8 |
絞り:F4 |
絞り:F5.6 |
絞り:F2.8 with 2x-B |
絞り:F2.8 with 2x-B |
絞り:F2.8 with 2x-B |
高価な硝材を使った高級レンズなので、絞り開放から良い描写だ。 画面全域で良い描写なので、構図を決めたらピントだけに集中できる。 また、明暗差のある部分でもパープルフリンジは殆ど発生しない。 画面周辺を強拡大して観察すると、倍率色収差がありそうな気がするけど、普通は色収差を殆ど感じないだろう。 また、内面反射対策・迷光対策が徹底しているので逆光フレアも少ないと思う。
ボケ味はとても良く、前ボケも後ボケもスムースに溶けてくれる。 また、玉ボケ周囲にエッジが立たないので、レンズの素性の良さが伺える。 ただし、近距離での小デフォーカスでは後ボケに二線ボケの傾向がある。
EXTENDER FD 2x-B を装着すると画面中央付近は悪くないけど画面周辺の描写が劣化するので、風景的な写真では絞り込んだ方が良い。 また、焦点距離が600mmになるので、手ブレ・被写体ブレが目立ち易いし、ピント合わせも難しくなる。 なお、EXTENDER FD 2x-B を装着すると発色が若干だけど暖色系に寄ると感じる。
スポーツ撮影(保護ガラス無し:SONY ILCE-9M3)
屋内スポーツシーンを New FD 300mm 1:2.8 L で撮影してみた。 会場の照明に合わせてホワイトバランスを設定したカメラJPEG画像ですが、小さくリサイズしてあります。
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| SONY ILCE-9M3 ISO:5000 Tv:1/2000s New FD 300mm 1:2.8 L F:2.8 |
オートフォーカスに慣れてしまった現代では、移動する被写体を追うスポーツシーンをマニュアルフォーカスで撮影するのはべらぼうに難しい。 フィルムじゃないので、ダメ写真を量産できるけど、気を抜くと『アレ、AFが動かない?』と思ってしまうほど、オートフォーカスに頼っている事を実感する。 前世紀にマニュアルフォーカスで銀塩写真の撮影をしていたスポーツカメラマンの凄さに改めて感服してしまう。
驚いたことに
SONY FE 300mm F2.8 GM OSS と撮り比べると、現代レンズであるSONYレンズの方が描写性能は優れているのだけれど、露出が0.6段ほどSONYの方が暗い。 感度を同じISO:5000に設定すると、SONYレンズは1/1250sのシャッター速度だけど、NewFDなら1/2000sのシャッター速度になる。 SONY FE 300mm F2.8 GM OSS は17群21枚構成で、CANON New FD 300mm 1:2.8 L は7群9枚構成なので、倍以上のレンズ枚数を使う事による光損失が大きいのだろう。
天体写真描写(保護ガラス有り:EOS 20DaS)
天体写真描写(保護ガラス無し:EOS 20DaS)
以下の写真は天体写真用現像アプリで強い補正を施しています。 普通に撮影してこの様に写る訳ではありません。(撮影写真の再処理が面倒だったので、昔ブログに使った写真を載せました😅)
北アメリカ星雲 |
オリオンのベルト |
M42 オリオン大星雲 |
りゅうこつ座ηカリーナ星雲 |
南のかんむり座 |
大マゼラン星雲 |
天体写真は星雲の淡い部分を抽出して強調する様に現像するので、カメラ・レンズの性能が顕著に表れてしまう。 New FD 300mm 1:2.8 L は一般撮影では素晴らしい描写をするけど、点光源が点像に写って貰いたい天体写真では一段ほど絞らないと諸収差が気になってしまう。 それでも、若干の倍率色収差は残る(今ならアプリで簡単に補正できる)ので、とても気になっていた。 また、微妙な歪曲収差(今ならアプリで簡単に補正できる)があり、当時はモザイク合成に苦労したものだ。 画面が小さなAPS-Cサイズなのにね。
閑話
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| 撮影準備完了 |
ηカリーナ星雲 / 南のかんむり座 / 大マゼラン星雲 の写真はニュージーランドで撮影した南天の対象で、現地では昼過ぎに宿からレンタカーで撮影場所へ移動して、朝に宿へ帰って寝る日々だった。 道路は日本と同じ左側通行なので運転し易いし、郊外の制限速度は100Km/hだし渋滞は無いので離れた場所でも比較的早く到着する。 でも、夕方までは快晴でも夜になって全天が曇る場合もあり、夜中に晴れ間を求めて車を疾走させる事もあったけど、楽しい思い出だ。
そういえば、夜中に晴れ間を求めて移動中に、車のバッテリーがあがったニュージーランド在住の若者がいて、『ブースターケーブルでエンジンを始動させて』と頼まれた。 レンタカーなのでブースターケーブルを積んでなく、近くの街まで載せたっけなぁ。 マウントジョン天文台から南東方向へ移動中だったのでテカポの町で降ろしたけど、夜中のテカポで開いている店などは無かった。 あの若者はその後どうしたんだろう?
あとがき
20年ほど前にFDの時代が終わって久しいので、FD 300mm 1:2.8 S.S.C. FLUORITE をEOSマウントに大改造したけど、倍率色収差が思ったより大きいし星像が歪になりイマイチだった。 そこで、New FD 300mm 1:2.8 L を天体写真用に復活させ様と思って、こちらもEOSマウントに改造してしまった。 テスト撮影したところ、明るい輝星が画面内にある場合では、撮像面からの反射光が厚い第1レンズ(保護ガラス)で再反射して激しい対角線ゴーストになる。 対策として保護ガラスを撤去して柔らかい人口蛍石がむき出しになったので、埃が付いても簡単に吹き落とせる様にテフロン系の薬剤を極々薄く塗ってある。 確か、受注生産の FL 300mm 1:2.8 S.S.C. FLUORITE は保護ガラス無しで蛍石がむき出しだったと思う。
困ったことに、改造時に外して全バラしたNewFDマウントパーツを全て保管してあったと思っていたけど、20年を経て複数のパーツが欠品していて完全な状態に戻せないし、肝心の記憶も戻らない。💦 一応、マニュアル絞りまでは復元したので、そのうち自動絞りレバー(シーソーロッドは何処へ行った?)を製作して復元させたい。
New FD 300mm 1:2.8 L で思い出す事がある。 大昔にスポーツ写真のプロを目指す若いカメラマンがキヤノンプロサービスで、注文してないのに『プロになるならコレを使いなさいと、New FD 300mm F2.8 L を買わされた』という話を「本人」から何度も聞かされた。 そのカメラマンはスポーツ写真分野で一目置かれるカメラマンになったので、プロサービス担当者の「人を見抜く力」もスゴイと思う。 カメラマンのご冥福をお祈り致します。m(_ _)m
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