SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS

EOS 60Da に装着した SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS
大昔の銀塩時代では一つのレンズマウントシステムに異なるフォーマットが混在する事はあまり無かった。 ハッセルブラッドの様な中版カメラはフィルムバックを交換すれば6x6版と6x4.5版を使い別け出来たりしたけど、今の様に同一レンズマウントシステムなのにフルサイズボディーとAPS-Cボディーが混在している様な事は無かった。




APS-C用の超広角レンズ

SONY α7 II と SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS
フルサイズボディーとAPS-Cボディーの両方を持っている場合に一番困るのが広角レンズである。 僕自身はフルサイズの24mmという画角が好きなんだけど、APS-Cだと16mmレンズが必要だ。 また、星景写真で多用されるフルサイズの15mmという画角の場合はAPS-Cなら10mm相等になってしまう。

『面倒だから全てフルサイズのボディーで統一すりゃイイじゃん』って話ではあるけど、僕の様に定年を過ぎてお金が無い人は昔に購入したAPS-Cサイズのカメラを棄てられない。 ましてや天体写真向けに水素のHαスペクトルが写る様に改造されたカメラであれば尚更に棄てられない。

Hαが写る EOS 60Da 用のレンズとして購入したんだけど、距離環の便感度が緩いのでピントのピークが大変判りずらい。 そして何により、僕の眼が背面液晶にピントが合わないのでカメラのピントを合わせる事が難しい。 今更だが、騒音が喧しくてマニュアルフォーカスも難しいクラシックな一眼レフは使いたくない。

ちなみに、私の EOS 60Da はファームウェアを改造し、ミラーアップでメカシャッターが開きっぱなし状態に出来るので、タイムラプス撮影をしていても全くの無音で撮影出来る。 一晩で数千駒撮影する様な場合でも、メカ耐久や摩耗ゴミの発生を気にしなくても良いのだ。。

マウント改造

レンズマウントはαAマウントをEOSマウントに改造した
そんなお金が無い私が買うSAMYANGレンズは中古だった...しかもαAマウント仕様である。 電子接点も連動メカ部材も無いSAMYANGレンズなので、マウント改造なら簡単に出来るだろうと目論んだからである。

SAMYANGレンズは金属マウントだけど、たった3本のビスでエンプラモールド部材に取り付けられている。 エンプラ部材も柔らかめの素材なので、ビスを何度も外したり締めたりしていると、ネジ穴がバカ穴になりそうだ。

EOSレンズ通信チップの取り付け
フルマニュアルレンズでの撮影で困るのがレンズ情報で、撮影時の焦点距離も絞り値も判らない。 とはいえ、EOS用の通信チップが売られているので、レンズの焦点距離と開放絞り値などをカメラへ知らせる事は出来る。 マウントコンバーターを介して SONY α に装着する場合、レンズの焦点距離がカメラに伝わればボディー内手振れ補正用にいちいち焦点距離を設定し直す必要が無くなる。

この通信チップはプログラマブルで、自分のレンズに応じた焦点距離や開放絞り値を設定出来る優れモノだ。 ただし、取り付け位置が悪いとカメラ内のDC/DCコンバーターを壊したりするので、良い子は真似しない方が良いだろう。

光学性能

EOS 60Da SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS ISO:320 F:2.8 Tv:1s
写真撮影用の超広角レンズは画面周辺での光学性能が問題だ。 大昔のレンズだと1段絞らないと星景写真には使えないレンズが多かったけど、SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS は絞り開放でも我慢出来そうな像を結んでくれる。 このレンズはコマ収差が少ないけど、大きく拡大すれば外面周辺のシャープ感が不足しているのが判る。 恐らく像面湾曲の影響だろうけど、絞っても劇的な改善は無い。

また、極僅かな片ボケが認められたので、マウントを SONY αA → CANON EOS 化する時に像面が50μほど傾く様に補正した。

タイムラプス動画で使ったら

EOS 60Da SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS ISO:100 F:2.8 Tv:15s×1088frames

タイムラプスならどんな感じになるか試してみた。 明るい都会の夜空をHDR風に仕上げたけど、致命的な街明かりゴーストも無いし、FHD程度の動画なら絞り開放でも大丈夫そうだ。

僕は高級な動画編集ソフトを持っていないので、トーンジャンプなどの荒が出ちゃってるけど我慢して観てください。m(_ _)m

結論

SAMYANGのレンズはコストパフォーマンスに優れたレンズを販売しているけど、この SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS も安くて良いレンズだ。 当然だけど、光学性能的には「重くて大きくて高価なレンズ」に敵わないし、オートフォーカスなどの便利な機能も一切無いけど、そんな機能に頼らない...または、頼れないAPS-Cサイズで撮影を行う人には良い選択肢だと思う。

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