SONY機材だけでのスポーツ取材

SONY ILCE-9 FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ISO:10000 F:5.6 Tv:1/1000s CS:Standard WB:Custom

娘のフィギュアスケート試合撮影などを SONY ILCE-9 で撮影してはいたが、スポーツ報道の現場をこの機材だけで撮影し切った事は無かった。 



SONY ILCE-7M2 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS ISO:100 F:8 Tv:1/60s FE:Godox V860II CS:Standard WB:Auto

ソニーさんの一眼カメラはスポーツ報道の現場で使うプロ機としては欠点が多すぎるので、早急に改善して貰いたい項目を「改めて」記載しておく。 ソニーさん、改善お願いしますよ。


撮影バッファの書出しが遅すぎる

撮影バッファの書出しが遅すぎる
有力な選手や良い演技だと、4分間の1演技で 650駒(約6GB) ほど撮影しちゃう事がある。 一分ほどの間をおいて選手の得点が表示されてから次の選手の演技が始まるんだけど、前の選手の画像がバッファーに残っていて書込みが終了しない場合がある。

納品する写真整理のために、選手ごとにフォルダーを作成して1選手1フォルダーにしているんだけど、画像がバッファーに残っていて書込みが終了しないとSONY機はメニューを受け付けない阿保な仕様になっている。 阿保な仕様のままにするならサクッと書込みが終わる様にすべきだ。


フォルダー作成とフォルダー選択

フォルダーにどんな画像が入ってるのかわからない
撮影すべき選手が沢山居ると撮影後の整理が大変だ。 そこで、選手ごとにフルダーを作成し、1選手1フォルダーとしている。 他の作業を行っていたり、他のカメラマンと話したりしていると、『あれ?新しいフォルダーを作ったっけ?』という事になる。

さっきまで撮影していたフォルダー番号なんて覚えてないけど、カメラメニューからフォルダー選択してみると....選択するフォルダー番号が表示されるだけで、そのフォルダーがカラなのか/どんな写真が入っているのか が全く判らない。 結局、新しいフルダーを作るんだけど、選手の順番とフルダー番号がどんどんズレてしまう。

それから、フォルダー作成は作成するフォルダー番号を指定させて貰いたい。 カードが満杯になり、別のカードで撮影を続行する場合に直前のカードで記録していたフォルダー番号を引き継ぎたいのだ。
あっ、記録スロットに自動切換えも未だに実装されてないよねぇ。


画像送り

ソニーの仕様では画像送りは一齣づつが基本の様だ。 ダイヤル回転でプロテクトした画像へジャンプする機能はあるけど、何百枚も撮影したシーンを遡ってセレクトするのに10駒単位とか20駒単位とかで画像を送る機能が無い。 なので、撮影現場でカメラによる画像セレクトはとても現実的じゃない。 当然、撮ってすぐセレクト写真を提出する様な速報取材には使えないカメラだ。


EVFと背面液晶

EVFを備えたミラーレスカメラの利点はEVFで画像のチェックが出来る事だ。 特に老眼カメラマンは背面液晶に眼のピントが合わないので、EVFでチェックする方が断然楽。

そころが、SONY ILCE-9 のEVFはパソコン画面とは全く異なる絵を見せてくれる。 全体表示の時はまだ許せるが、画像を拡大してピント確認するとEVFの絵はボソボソ・グソグソなので『やばい、こりゃとても使えない画質だ!』と焦っちゃう。 デバイスが異なるとはいえ、EVFの表示が妙なのは致命的だぞぅ。 家電メーカーならともかく、プロ向けのカメラならファインダーの表示は大切にして貰いたい....あっ、家電メーカーだった...


不安定なロックオンAF

SONY ILCE-9 の選択AFフレームの移動は理想的な操作性とは言えない。 なので、選手の顔をロックオンさせてフレーミングに専念したいところだが、SONY ILCE-9 のロックオンAFがどうにも不安定なのだ。
ロックオンAFは手前の障害物が大好きだ
せっかくロックオンさせていたのに、手前に障害物があると瞬時に障害物へピントを合わせてしまう。 どう考えてもアホな仕様だしアルゴリズムを考えている奴の頭が悪いとしか思えない。
この写真だってトリミングしてバストアップ写真にすれば表情の良い写真だったのに...

ロックオンを放棄して背景にピントを合わせる事がある
さらに、何故かロックオンを放棄して背景にピントを合わせてしまう事がある。 EXIFによる撮影情報上では顔追尾している事になっているが、これでは安心してロックオンAFに任せられない。 写真を撮らない開発者はこういう問題を見逃しちゃうんだよねぇ。
結局のところ、今の SONY ILCE-9 は拡張フレキシブルスポットあたりが無難な設定だ。


発色が悪い

以前はキヤノン機を使っていたので、自分で作ったピクチャースタイルで撮影していた。 キヤノン機の発色は各カメラの中でも比較的良好な方だけど、特定の条件で軽薄な発色となるのだ。 それが嫌で自分の好みやスポーツプロの好みに合わせたピクチャースタイルにしていた。
ソニーの発色は良く言えば映画っぽい発色で、悪く言えば静止画として覇気が感じられない。 ド派手な発色は困るけど、スポーツでは印象色を大事にして貰いたいんだよなぁ...詳細な比較検証はしていないので、あくまでも感想だけど。

SONYは黄色の発色がとても悪い
それから、黄色の発色が全然出ない。 選手の衣装が蛍光イエローだったりすと、もう駄目だ。 クリエイティブスタイルをビビッドに設定すれば若干は良くなるけど、黄色以外の色が破綻してしまう。
上の写真は左がVividで撮影したオリジナル発色で、右が後処理で黄色の衣装を濃くしてある。 ソニー推しのプロたちは、ど~うしてるんだろう?

それから、AWBも褒められたもんじゃない。 最低でも他社機なみのホワイトバランスを実現して貰いたい。


まどめ

これらの操作性・仕様・性能を改善してくれれば、スポーツ報道の現場でも安心して使える様になる。 次機種まで待ってられないので、早急にファームウェアアップデートで改善して頂きたい。

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