新しい FE 20mm F1.8 G は G Master の様な外観だ |
予約注文後に、よ~く値段を確認すると、税抜きストア価格が116,273円だから、15%値引きだと...あれぇ、15%も値引きされて無いじゃん??? 調べてみたら、SONY FE 20mm F1.8 G は15%値引きの対象外だったのだぁ。 ほぼ、騙された気分だぞぅ。
他社レンズとの仕様比較
トキナーの FiRIN 20mm F2 FE AF は光学性能が超高性能なら別だけど、仕様や価格を考えると選択肢は無い様な気がする。
タムロンの 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は F2.8 と暗いけど、ハーフマクロ仕様が付いて安価なのが大きな魅力である。 ただし、ブログサイトの評価ではAFに難点があるらしい。
ニコンさんの NIKKOR Z 20mm f/1.8 S はマウントが SONY FE じゃないけど、 MTF を見る限り、とても高い光学性能の様だ。 ただし、一番大きくて一番重いレンズみたい。
Fマウントの AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED は優秀なコニカミノルタの設計(多分)だったけど、このZレンズは誰が設計したんだろう? 特許情報上のニコン・真美さんが設計したレンズとは違うしなぁ...誰の設計だろう???
SONY FE 20mm F1.8 G はクォーターマクロ程度に寄れて光学性能も良くて比較的コンパクトで軽いので、とてもバランスが良いレンズだと思う。 購入価格が10万円以下なら個人的にベストバイと思うけど、ちょっと高額なのが難点かなぁ。
外観・デザイン・操作性
さすが純正レンズ SONY αに良くマッチする |
外観
サイズは丁度良い感じ |
GMじゃないGレンズなのに絞り環が付いたレンズはこれが初めてだろう。 絞り環があるので左手で絞り操作をして、右手はレリーズに集中させられるのは前世紀のクラシックカメラの操作性を彷彿とさせる。 残念なのは、他に使っているレンズには絞り環が無いので、この操作になじむ訳には行かない事だ。 ちなみにカメラへの装着感は、僕が持っているソニー純正レンズの中では一番渋い装着感だが、僕自身はこの位の渋さの方が安心感がある。
【追記:レンズの脱着を数回行ったら通常の渋さになった。】
また、付属の巾着袋は薄めだけど普通の品質だと思う。 僕は手持ちの一番小さいクッションケースを使うので、そのまま元箱に戻してしまった。
フード
フードはクリックだけ |
残念ながらクリックだけで、ロック機構は備わっていない。 レンズ自体はGMレンズの容姿だけど、ロック機構が無いフードはワンランク下の仕様だ。 でも、適切なクリック感があり「カチッ」と装着できるので、勝手に脱落することは少ないだろう。 使っているうちにユルユルになっちゃうかも知れないけどね。
プラスチック製だけど、レンズ本体と同様のハンマートーン風の仕上げでクオリティーは悪くない。
絞り環
絞り環があるレンズ |
ソニーさんはこれが問題で、カメラのダイヤルで絞り値を設定する場合のストレスは少ないんだけど、絞り環を操作して絞り値を変更する操作は結構な遅延がある。 これがストレスとして感じるし、絞り環の無いレンズとの操作性の違いを考えると、レンズの絞り環を使う事はないだろう...僕はね。
この絞り環は動画撮影用を重視しているらしく、1/3段ごとのクリックをデクリック出来る機能が付いている。
フォーカスリング
防塵・防滴シーリング |
フォーカスリングは軽過ぎず、適度な重みがあるのはシーリングのせいだろう。 温度環境が変わってもリングのトルクが変わらないか不明だけど、常温ではマニュアルフォーカスに対してもとてもスムーズなピント合わせが出来る。 バイワイヤー操作に対する遅延はとても少なく、メカ操作風に反応してくれるので、近距離でも遠距離でも気持ちよくピント合わせが出来る。 α7Ⅳの様な高画素機でも安心してピント合わせが出来るだろう。
最短撮影距離
開花 結構寄れるレンズだ |
また、前世紀の古いレンズでは近距離での光学性能は残念なレンズもあったけれど、このレンズは近距離でも光学性能は悪くない。 今年の桜が楽しみだ。
オートフォーカス
XDリニアモーター |
小絞りまで絞り込むと、ピント合わせの為のウォブリング動作が気になるけど、通常の使用では気持ちよくピントが合ってくれる。 腐った老人の眼で写真を撮るなら超広角でもAFに任せた方が確実だし、このレンズのAFは信頼出来そうだ。
フィルター径
僕がよく使うレンズのフィルター径は次の通りだ。準備したプロテクトフィルター |
僕の各種レンズフィルターはクラシックな一眼レフの頃の物なので、大きなΦ82mm径で揃えてあるので、このレンズでPLフィルターなどを使う場合は67mm→82mmステップアップリングを噛ませる必要がある。
ちなみに、プロテクトフルターは NIKON ARCREST 67mm を準備しておいたけど、使わないかもね。
光学性能
シャープネス
SONY ILCE-9 FE 20mm F1.8 G ISO:400 F:1.8 Tv:1/4s WB:Auto |
F2.8で撮影した写真 |
画面周辺で『蝶々が飛ぶのかなぁ?』と想像してたけど、そんな心配は全く必要なかった。 負の像面湾曲が若干あるけど、ちょっと絞れば画面全域が均一な高画質になり、安心して開放から使えるレンズだ。 カメラJPEG画像などの普通にシャープネス処理された写真はとても解像感が高く、SONY α7Ⅱ とか SONY α9 とかの24メガ機なら開放で夜空を撮っても問題は無さそうだ。
SONY ILCE-9 FE 20mm F1.8 G ISO:100 F:1.8 Tv:1/2000s |
ディストーション
SONY ILCE-9 FE 20mm F1.8 G ISO:100 F:1.8 Tv:1/50s |
ビネッティング
SONY ILCE-9 FE 20mm F1.8 G ISO:100 F:1.8 Tv:1/5000s |
玉ボケ描写
絞り開放での玉ボケ具合:年輪ボケは目立たない |
特筆すべきは画面周辺の玉ボケ具合で、ビネッティングによるレモン形のボケ形状にはならないで、綺麗な円形を維持している。 これなら被写体にぐっと寄って背景をボカしても、周辺グルグルの嫌なボケ方はしないだろう。
一般的に、画面周辺の光学性能を上げるには、光量を制限してコマ収差を抑制する事もある。 このレンズは絞り開放での周辺光量をケチらないで光学性能も高く維持しているので晴らしい設計だと思う。
ゴースト耐性
SONY ILCE-9 FE 20mm F1.8 G ISO:100 F:8 Tv:1/250s |
超広角レンズは太陽が写り込みやすいのでゴーストに悩まされる事も多い。 このレンズは出目金レンズではないので、写野の外に太陽があるときの影響は少ないだろうけど、太陽が直接写り込むシーンで絞って撮影するとフレア・ゴーストが発生する。
ナノARコーティングの説明 |
恐らく、ナノARコーティングを使わない場合よりはマシです...という事だろう。
最終評価
SONY FE 20mm F1.8 G は決して安いレンズではないけれど、高い光学性能やAFの速さなど期待以上に素晴らしいレンズで、欠点をさがすのが難しかった。 今後、使い込んで行けば気になる点もあるだろうけど、突っ込みどころが少ない素晴らしいレンズだね。【良いところ】
- シャープな画質
- 少ない色収差
- 少ない歪曲収差
- 少ないビネッティング
- 丸くて綺麗な周辺玉ボケ
- 速くて静かで正確なAF
- 軽くて比較的コンパクト
- 防塵防滴シーリング
- 鏡筒の仕上げ
- 10万円を超える価格
- 太陽を入れ込んだ場合にフレア・ゴーストが出る
あとがき
僕は悩んで結局のところ買わなかったけど、無印で人気の FE 35mm F1.8 とか FE 85mm F1.8 とかがこのレンズと同じ設計思想・仕様で「G」レンズとして発売してくれてたなら絶対買っただろう。
今年は20mmと90mmだけを持って撮影に行くのが楽しみだ。
タイで生産している様だ |
生産国を確認したらタイで作っている様だけど、中国製パーツの使用状況によっては、今後の生産量に影響するかもしれない。
【追記】
絞り込んだ時の逆光フレア・ゴーストは気になるけど、絞りが開放付近なら太陽入れ込み逆光でもフレアはあまり気にならないことを追記しておきます。
SONY ILCE-9 FE 20mm F1.8 G ISO:100 F:1.8 Tv:1/12800s 現像:Luminar 4 |
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