SONY α9 Firmware Update 2.00 他

Ver1.10のピントはVer1.01よりチョットだけまともになっていたけど...
SONY α9 を発売日に入手して使っているけど、当初からAFピント精度がぬかるんでいたり ズーミングでピントがすっ飛んだりしていた。 2017年9月27日に Ver 1.10 が公開されて「ズーミングピントすっ飛び現象」は解消され、ぬかるんだピントも多少は改善された。 当初からα9をベタ褒めする人やサイトがあるけど『実戦使用したらそんなに褒められないけどなぁ』と思ってたんですが、そこは大人の事情があるのでしょう。

2018年1月11日に Ver2.00 が公開され、コンティニュアスAFの性能向上(動体に対するコンティニュアスAFの追従性能向上 / ズーム操作中のコンティニュアスAFの精度向上)が盛り込まれた。 ベタ褒めされるほど素晴らしいAFのハズなのに「AFの追従性能向上」と「コンティニュアスAFの精度向上」をしなきゃならんのですか?...そうですか...“合う合う詐欺”みたいなもんですなぁ。





バージョンアップ履歴

発売直後のVer1.00では買って後悔していたけど、Ver1.10で少しまともになってきていた。 Ver2.00を検証する前に発売後からのバージョンアップを順を追って確認してみよう。

Ver. 1.01 公開日:2017-06-08

  • 温度上昇警告の表示仕様を見直しました
  • 感想:
    温度警告が「あっさり」表示される事に驚いたけど、Ver1.01で温度警告を我慢させる事が出来る様になった。 我慢させられないと熱い夏の京都旅行は乗り切れなかったと思う。

Ver. 1.10 公開日:2017-09-27

  • マウントアダプタLA-EA3を装着しAマウントレンズ使用時における瞳AF対応
  • 最高10枚/秒および8枚/秒のAF追従連続撮影に対応しているAマウントレンズが対象です。対象レンズは「AF-Cモード時、最高10枚/秒」および「AF-Cモード時、最高8枚/秒」の表をご覧ください。
    尚、マウントアダプタLA-EA3は最新版のソフトウェアへのアップデートが必要です。

  • ILCE-9でRAWファイルを記録したSDXCカード/microSDXCカードを一部のスマートフォン等に接続した場合、RAWファイルが消去される症状の修正
  • Ver.1.01以前の本体ソフトウェアで記録されたRAWファイルが対象となります。本体アップデート後も、アップデート前に記録されたファイルはPCへのバックアップを実施してください。
  • 画質改善および動作安定性向上
  • SEL70200GM/SEL100400GM使用時においてズーム操作中のコンティニュアスAF精度の向上
  • SEL70200GMおよびSEL100400GMは最新版のソフトウェアへのアップデートが必要です。レンズのソフトウェアアップデート公開に合わせて、本体のアップデート内容の記載を追加しました。(2017/10/19)

    感想:
    Metabonesのマウントアダプターを使っても瞳AFが出来る様になったのは有難いけど、α9の周辺測距視野でちゃんとAF出来るレンズは限られていた。 恐らく、LA-EA3なら周辺測距視野の補正データがあるのだろうけど、さすがにMetabonesやMC-11じゃ無理だ。 SONY Eマウント情報は情報公開しているけど、α9の様な周辺測距視野に対する補正データ通信は含まれていないのだろう。
    それから、AF-Cさせている時にズームするとピントが吹っ飛ぶバグは困りものだったけど、吹っ飛ぶ現象は無くなった。 上記説明文では「コンティニュアスAF精度の向上」と記載されていたけど、吹っ飛びバグの除去がメインで多少のぬかるむピントの改善が感じられる程度だった。

Ver. 2.00 公開日:2018-01-11

(1)コンティニュアスAFの性能向上>
  • 動体に対するコンティニュアスAFの追従性能向上
  • ズーム操作中のコンティニュアスAFの精度向上
(2)スポーツ・報道機関のプロの方からの要望の大きかった機能の追加
  • カスタムキー(再生)にプロテクト機能割り当てを対応
  • プロテクト画像の一括FTP転送機能追加
  • Ver.2.00以降でプロテクトした画像のみが対象です
  • 有線LAN接続時のMACアドレス表示機能
  • IPTC情報の登録・書き込み機能
  • PCソフトウェアIPTC Metadata Presetを使って事前にIPTC情報を作成しておく必要があります。
  • カメラシリアルNo. 情報書き込み
(3)その他
  • その他動作安定性向上
  • 温度上昇警告の精度向上

    感想:

    絶賛されてるハズなのに「追従性能向上」とか「AFの精度向上」が必要なのは不思議だけど、僕は「追従性能向上」や「AFの精度向上」をして貰わないと絶賛なんか出来ないと思っていたぞ。 AFについては詳細な検証が必要だろうけど、カメラを2台持てないので新旧を比べるのは難しい。
    「再生釦にプロテクト機能を割当てる」のも苦肉の策って感じで誤操作しそうで嫌だなぁ。
    また、「IPTC情報の登録・書き込み機能」は現場からデスクに写真を送信してデスクで編集するのには役立つけど、個人では有難みは薄い。 しかも、登録出来るIPTCタグは1個のみなので運用し難い。 本当に望まれた通りに実装したのか疑問だなぁ。
    「カメラシリアルNo. 情報書き込み」は一台しか使ってないなら恩恵は薄い。
    そして、「その他動作安定性向上」が何を安定させたのか知りたいぞ。


Ver1.10はどうだったっけ

すこっ とピントが抜ける癖は直っていない模様(これはVer1.10で撮影)
アルゴリズムの問題だと思うけど、SONY α9は ロックオンして追尾している被写体が後ろを向いたりすると、遥か遠方の観客顔にピントがすっ飛ぶ癖がある。 今回の Ver2.00 で同一シーンでの撮り較べは出来ていない(二台持ってないし)けど、この癖は直っていないみたいだ。
かといって、顔検出をオフにするとロックオン追尾がおっぺけぺぇなので使えないし、測距位置任意(フレキシブススポットMとか)だとチマチマと測距位置の変更をしてたら演技が終わっちゃう。
おっぺけぺぇ具合がどの程度改善されたかは観客が沢山いる会場で試さないと判らないので、現時点での判断は難しい。


Ver1.10の[ぬかるむ]ピント例
Ver1.10で連写した一連の写真から抜いた3駒を比較してみた。 左は合焦してるので○判定したけど、中央はド前ピンで×判定で、右は小さい写真でしか使えないので△判定だ。 こんな風にピントがぬかるんでいるので、ため息が出てしまう。 ○が全然ないなら直ぐに捨てちゃうカメラだけど、○もあるから始末が悪いんだよねぇ。
Ver2.00で治っていたらいいんだけど...娘はフィギュアスケート引退しちゃったしなぁ...


Ver2.00を実際に使ってみて

Ver2.00でスキーを撮ってみた...一般スキーヤーだけど
妻が『スキー場に連れて行け』というので、御殿場のYetiまで車を走らせた。 ついでにVer2.00のテストをしてみたけど、アイスアリーナとは環境が違うのでVer1.10との比較はできない。 相変わらず被写体のロックオン初動はイマイチだけど、ピントは案外イイ感じ。 まっ、いまどきこんな条件でピントが合わないカメラは珍しいので問題ないでしょう。
ちなみに、撮影していてAF中にズームすると、やっぱり追従が妙だと思うんだけど...僕の勘違いでしょうか。


Ver2.00でスキーを撮ってみた...一般スキーヤーだけど
やっぱりVer2.00でもぬるいピントの写真が撮れてしまう。 この写真は前ピンで、ジャスピン位置はスキー板トップあたり...
でも、前世紀のEOS-1vより良い感じだと思うゾ。 ソニーさん凄いですねぇ。

Ver2.00でも記録メディア自動切換えは見送られた

Ver 2.00 でもメディア書き込み中にスロット切換え出来ない
SONY α9 では記録メディアがダブルスロットになっていて「便利そう」なんだけど、実際には不便なんです。 両メディアに同時書き込みしたりRAWとJPEGを別けて記録するなら普通に使えるけど、単一スロット書き込みモードでスロット1が満杯になってスロット2に自動的に切換える動作をしてくれない。

しかも、バッファーにデータが残っている状態ではメニューを操作出来ないので、ダブルスロットなのに記録スロットの変更操作はバッファーの書き込みが終わるまで待っているしかない...目の前で選手が演技している最中なのにである。 スポーツ撮影のプロだったらこれは絶対に直して貰いたい不具合だと思うんだけど、要望は無かったのだろうか?

そうそう、メディアに書込み中だとメニュー操作を出来ないので、選手の演技が終わって次の選手用に新しいフォルダを作りたくてもぼ~っと待っているしかない。 設計思想がとことんアホなカメラだと思う。

UHS-IIの実力が出てない?
ちなみにJPEG画像のサイズは12MB程度なので、20駒/秒で連写撮影したとしても書込みは約240MB/秒ほど。 高速な UHS-II スロットを搭載した SONY α9 に 300MB/秒で書き込みできる SONY の SF-G64 カードを使えば書込み待ちなんて無いハズなのに、書き込みが激遅なのは詐欺みたいなもんだ。



アクシュゥがグラグラ?

SONY α9 とストロボ
私の機番は3020010
Ver 2.00のファーム公開に続いて、『デジタル一眼カメラα9「ILCE-9」の一部の製品における無償修理のお知らせ』という告知もあった。 SONY α9のアクシュゥがグラグラになるらしい。

でもグラグラになったら無償修理という事なので、まだ修理には出せない...かなぁ。

『対象製造番号は3020001~3023644までの一部』って事なので、ほぼ全てが対象っぽいぞ。 僕はストロボの使用頻度が低いけど、大きな物理的負荷が加わるとアウトらしいので 自分の機番を確認してみたら...3020010番だった。 こっこれって、量産10号機ってことか...どうせなら初号機が欲しかった。

どこまでクラグラになったら無償修理対象になるのか説明が無いので、『ガタついてる』っと文句を言えば修理してくれるのかしら?

シリアルナンバー記録が妙だ

カメラのシリアル番号が記録される様になってけど、何か妙な気がする
Ver2.00でシリアルナンバーを書き込む様になったので、早速 EXIF の MakerNote を解析して僕のビュアーアプリで表示出来る様にしてみた.....してみたんだけど、シリアル番号がカメラ底面の番号と記載方法が妙ちくりんに違う。

カメラ底面には「3020010」と記載されているけど、EXIF上では「10000203」となっている。 ASCII化する順番の問題だとしても並びが妙だし、Ver1.10に対してVer2.00で追加されたMakerNoteタグはこの“0x2031”番タグだしなぁ...僕の勘違いだろうか?


まとめ

Ver1.10からVer2.00へのメジャーバージョンアップだったので大いに期待したけど、ちょっと残念な内容だった。 平昌五輪向けとして「やっつけ仕事的」に出来る事だけやった...という感じが否めない。

2017年のS社忘年会では『まともなプロ機になるまで後二世代必要』という事だったので、S社さんはダメな娘と認識はしている様だ。 僕の所に嫁いできた娘は産みの親に見捨てられてたのねぇ...悲しい。

プロ達が集まるスポーツイベント撮影現場で SONY α9 に遭遇した事は「頼まれたテスト試用」以外に目撃した事が無い。 逆に『そんな物使えるの?』と尋ねられちゃう始末で、恥ずかしいのでC社ストラップを付けSONYロゴを隠して撮影しているけど、ダメなヤツで撮影するのって楽しいんだよねぇ。

昨年の11月にはカバーを掛けた400/2.8もテストしていたけど、専門以外のプロにテストさせても意味無いと思う。 SONYロゴを出しても恥ずかしくないちゃんとした製品開発をしてもらいたいぞ。
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