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| OLYMPUS OM-2N(左)と OM-2 SP(右) |
1975年に世界初の「TTLダイレクト測光方式」を搭載して登場した OLYMPUS OM-2 の後継機として、主に以下の様な改良が施された。
- AEの最長露出時間を60秒から120秒に延長
- 新たな接点を搭載したアクセサリーシュー4を同梱装備
- 露出補正時にファインダー内に±マークが表示される
- データーバックとの直結接点を装備
後継機といっても、実質的に OM-2後期型 という感じの改良内容だ。 それくらい OM-2 の完成度が高かったという事だろう。
OLYMPUS OM-2N
前機種である OLYMPUS OM-2 で搭載されたダイレクト測光システムは画期的な技術で、定常光によるAE撮影は勿論、ストロボ撮影の発光量制御がTTLになった事が重要だった。 特にストロボ光量の調節が難しいマクロ撮影では威力抜群で、昆虫写真家など接写を専門とする殆どのカメラマンはOMシステムを利用したハズだ。
カメラ外観
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| カメラ上部 |
これまでの OMシリーズと操作部材の配置は同じで、カメラ右肩前面とフィルム巻き戻しクランク側に『OM-2N』ロゴが刻まれていて、巻き戻しクランクとペンタ部の間にモードセレクタ兼電源スイッチが設けられている。 また、一般的な一眼レフではシャッター速度ダイヤルがある部分は露出補正兼ASA感度設定ダイヤルになっている。 露出補正にロックは無いが、セロ以外に設定するとファインダー内に±警告が現れる。 アクセサリーシューは無いが、ペンタ部に着脱式アクセサリーホットシューを接続・装着するネジ付きのソケットがある。 なお、これまで別売だった着脱式アクセサリーホットシューが OM-2N から同梱される様になった。 カメラの容姿としてホットシューを装着しない方がスマートだと感じる。
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| カメラ前部 |
セルフタイマーレバーの裏には小さなスタートレバーが隠れていて、セルフターマをセットした後にスタートレバーをエプロン側に戻せばセルフタイマーがスタートする。 セルフタイマー上部に巻き戻しつまみがあり、横向きに捻れば巻き戻し状態になる。 また、エプロン側にミラーアップつまみがあり、縦向きに捻ればミラーアップ状態になる。 これらのつまみが通常使用状態で縦と横と向きが異なるのは愛嬌だろう。 エプロンの反対側にはシンクロ接点があり、その外周が FP X 切り替えつまみになっている。
そして、最大の特徴はレンズマウント基部に設けられたシャッター速度設定リングである。 ニコマートと同じ方式だが、OLYMPUS M-1 はレンズシャッターカメラの如く操作でき、左手でピントリング・絞りリング・シャッター速度を操作し、右手はフィルム巻き上げ・レリーズ操作に集中できるのでカメラの操作性はとても良い。
ファインダー視野
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| ファインダー視野 |
OMシリーズのファインダー倍率は0.92倍と大きくて視野が広い。 OLYMPUS OM-2N のファインダーに慣れた末娘は、他社一眼レフのファインダーをちょっと覗いただけで『このカメラ変だ!』と指摘するほどである。 ファインダー内情報は画面内左側にあり、MANUAL時には露出計指針と露出指標が表示され、AUTO時にはシャッター速度スケールが現れてシャッタースピード指針となる。 このメーター表示はファインダー側の測光値表示で、MANUAL時には適正露出の判断に使用されるが、AUTO時はTTLダイレクト測光にて露出制御されるので単なる参考値でしかない。
フォーカシングスクリーン
OLYMPUS OM-2N のフォーカシングスクリーンは標準でマイクロマット式が装着されているが、好みのタイプに交換が可能で、最終的に14種類のフォーカシングスクリーンが用意されていた。
| 型番 | 名 称 | 用 途 |
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| 1-1 | マイクロマット式 | 一般レンズ用 |
| 1-2 | マイクロマット式 | 望遠・標準レンズ用 |
| 1-3 | スプリットマット | 一般全レンズ用 |
| 1-4 | 全面マット式 | 一般全レンズ用 |
| 1-5 | マイクロ透過式 | 広角・標準レンズ用 |
| 1-6 | マイクロ透過式 | 望遠・標準レンズ用 |
| 1-7 | マイクロ透過式 | 超望遠レンズ用 |
| 1-8 | 全面マット式 | 天体・超望遠用 |
| 1-9 | 透過式 | 内視鏡写真撮影用 |
| 1-10 | 方眼マット式 | シフトレンズ用 |
| 1-11 | 十字マット式 | 接写・拡大用 |
| 1-12 | 十字透過式 | 顕微鏡写真・等倍以上の拡大撮影用 |
| 1-13 | マイクロ/スプリットマット | 一般全レンズ用 |
| 1-14 | マイクロ/スプリットマット | 一般全レンズ用 スプリットが斜め |
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| フォーカシングスクリーン |
後に発売された OLYMPUS OM-3Ti や OM-4Ti など用のフォーカシングスクリーン 2-13 を装着すれば、OLYMPUS OM-2N のファインダーが更に明るくなる。 ただし、スクリーンのつまみを改造しないと装着出来ないのと、測光表示値が1段ほど明るく出るのでマニュアル露出の際は露出補正しないと露出アンダーになってしまう。 なお、AE撮影の場合は表示値がアンダー(シャッター速度が高速)に示されるけどTTLダイレクト測光なのでメーター表示は参考値でしかない。 なので、『1/30秒ならブレないな!』と思っても、実際には1/15秒とかで撮影されるので手ブレには注意する必要がある。
シャッター幕
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| シャッター先幕 |
このカメラの自動露出はTTLダイレクト測光方式なので、ミラーがアップした状態で像面に届く光量を測定してシャッター速度を決定している。 なので、シャッター先幕にはフィルム面と等価なランダム反射パターンが設けられている。 なお、長秒時露光の際は先幕面よりフィル面からの反射光が積算され、適正露出量になったら後幕を走行させて露出が終了する。 従ってフィルムを装填しないで暗いところで自動露出でシャッターを切ると、えらく長時間露出となるけど故障ではない。 ちなみに、露出に関係ない後幕は普通に黒いシャッター幕である。
TTL測光・調光センサー
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| TTL測光・調光センサー |
ミラーボックス下部の左右にTTLダイレクト測光・調光用センサーがあり、フィルム面を睨んでいる。 TTLダイレクト測光のスゴさを実感したのは、AE露出で120秒もの長時間露光が可能な事だった。 昔に、『本当に合ってるのかなぁ?』と思って計測してみたら、確かに合っていた。
この方式の自動露出であれば、絞り羽根の制御性が悪くなって所望の絞り値まで絞られなかったとしても、その光量に応じたシャッター速度で撮影される。 欠点としては、AEロック機能が無いことで、代わりに露出補正ダイヤルで±2段の範囲で調整するしかない。
OLYMPUS Electronic Flash T32
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| Electronic Flash T32 |
広角24mmをカバーし、非ズームタイプだけどガイドナンバーが32と強力でバウンスも可能なストロボである。 小型軽量なOMシリーズにはちょっと大きく重すぎてアンバランスだけど、 OLYMPUS OM-2 シリーズ のTTL自動調光機能が最大限に利用できた。 発行部を上下に変化させられるので、天井バウンスができるけど、縦位置撮影の時はオフカメラシューで離して別途バウンスさせるしかない。 スナップ撮影なら小型な T20 の方が適しているだろう。
現代ではオフカメラストロボ撮影がワイヤレス方式のTTL自動調光で利用できるが、この時代では有線式だけどオフカメラTTL自動調光が可能で最強のマクロ撮影システムだった。 残念ながら電気パーツの経年劣化などにより正しく機能しない T32 が多いらしい。
モータードライブ / ワインダー
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| MOTOR DRIVE 1 |
OLYMPUS OM-2N の底板にはモータードライブ装着用のカプラー穴や接点があり、モータードライブを購入すれば改造なしで装着できた。 でも、このカメラにドライブ類を装着する事は少なかったし、華奢なOLYMPUSにモータードライブは怖いので、装着する場合でも単三電池が使えるワインダーの方が多かった。 なお、僕のモータードライブ用Ni-Cd電池は2つとも死んでしまったので使えない。 アクセサリーとして単三電池が使えるグリップ電源も存在したけど僕は持っていない。 動作させられなくなったアクセサリーって悲しい。 ちなみに、ワインダーは探しても見つからない...何処へしまったんだろう。
交換レンズ
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| OM交換レンズ |
OMシステムは小型軽量の先鞭をつけた一眼レフシステムなので、どのレンズも他社同仕様製品と比べて大変コンパクトに設計されていた。 僕のOMシステム用交換レンズは 28mm / 50mm / 90mm / 100mm / 600mm と、テレ系に偏っているので、広角レンズやズームレンズは各社のマウントに交換が出来るタムロンレンズを使っていた。
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| MACRO 50mm 1:2 |
僕がお気に入りのレンズは、銘標準マクロレンズ OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm 1:2 や銘中望遠マクロレンズ OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 90mm 1:2 で、これらはオリンパスの傑作レンズだと思う。
ちなみに、これらの銘レンズは1985年以降の発売なので、New OM-2 のカタログには掲載されていない。(カタログの表紙では OM-2N ではなく New OM-2 と記載されていた)
あとがき
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| New OM-2カタログから |
OMシステムは2003年に生産・販売を終了し、フォーサーズシステムのデジタル一眼カメラへ移行した。 デジカメになっても「OM」という名称を使い続けていたが、実質「OM」なのはマウントアダプターくらいだろう。 販売数量が成否をわけるデジカメではオリンパスが収益をあげる事は難しく、2021年1月に赤字続きだった映像事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡してしまった。 オリンパスが OLYMPUS OM-2 などの製品を展開していた頃が映像事業の黄金期だったと思う。 そんな訳で、新会社の製品ブランドは全盛時代の『OM SYSTEM』とした様だけど、僕は銀塩時代の OM SYSTEM だけが本物だと思っている。 ところで、当時の New OM-2 カタログに掲載されていた作例写真は現代だと掲載NGかもしれない。
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