TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A - コストパが良いレンズ

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TAMRON 28-70mm F/3.5-4.5 Model 44A
TAMRON 28-70mm F/3.5-4.5 Model 44A
 ワイド側がちょっと足りないと感じる35-70mmを28mmまで広げたズームだけど、オートフォーカスが出来る28-70mmがフツーに購入できる時代になっていた。

TAMRON 28-70mm F/3.5-4.5 Model 44A - 1986年発売

 本レンズは1986年発売で1988年まで製造された。 既にオートフォーカス時代に入っていたが、市場には多数のマニュアルフォーカス機が取り残されていたので、それらのユーザーへ向けた低価格製品だったのだろう。 取り残された市場向けには、ニッチな製品かコスパ抜群の製品でなければ勝負出来なかっただろう。 タムロンにはこのレンジに近い標準ズームレンズを多数発売していたが、本製品はコストダウンを行って、残っている市場の競争力を上げた製品だった。

レンズ構成

TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A 想像したワイド端構成図です
レンズ構成の想像図
 8群8枚構成のズームレンズとアナウンスされているけど、ネットで調べても構成図が見当たらない。 後継の Model 59A の構成図を参考に、妄想・想像で Model 44A の構成図を画いてみた。 シンプルな2群ズームなんだろうけど「パクパク絞り」が実装されている。 これは、テレ端の絞り径に対して、ワイド側では徐々に絞り径が小さくなる仕組みで、収差フレアを制限している。 ワイド側の収差を出放題にすれば、2.8-4.5の様な仕様になるだろう。
 このレンズの鏡筒外装にはエンプラが多く採用され、距離環はローレットを含めて一体成型で、かなりコストダウンが図られているので、どうしてもチープな感触が伝ってくる。
 フォーカシングは前群繰出し式で、MODセレクター式のテレマクロになっている。 テレ端での最短撮影距離は0.3m(倍率0.32倍)まで近接できるが、ワイド端では最短撮影距離が0.7mなので、全然寄れない。 ワイド側で寄りたいと思って距離環を回していると、ズームが勝手にテレ側へ変化するのがMODセレクターだ。 ちなみに、従来のMODセレクターとは異なり、距離環全域/ズーム全域でスムースに最短撮影距離が変化する。
 なお、同様にMODセレクター式の 35-70mm F/3.5 Model 17A に比べて、距離環回転角が少なくピッチが荒いので、焦点距離が28mmから50mmほどまでは距離環敏感度は適切だと思うけど、70mmでは敏感度が高いので、テレ端ではピント合わせに神経を使う。

バヨネット式専用フード
バヨネット式専用フード
 フィルター径はΦ62mmで、フィルター枠が距離環と共に回転してしまうので、PLフィルターなどは使い難い。 レンズ前枠にはバヨネットになっていて、樹脂製の専用フードを装着する。 専用フードは花弁型じゃなく円環型で、装着位相は関係ないので、バヨネットはクリック無しの捻り圧入だけである。 また、この専用フードには「TAMRON」ロゴが浮き彫りで入っているけど、色入れされていないので目立たない。 メーカー名を主張する大事な部分だけど、コストダウンが最優先だった様だ。

描写特性

 開放F値がズームによってF3.5からF4.5まで変化するけど、記載する開放F値は全てF3.5と記載してあります。 また、ワイド端以外では、例えば70mmでF5.6と記載してあってもF7.2相当(開放から2.5段絞った値)になります。

遠景描写

 以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスは6000°Kに設定し、Dレンジオプティマイザーはオフに設定して現像してあります。

f=28mm
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=28mm F3.5
絞り:F3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=28mm F5.6
絞り:F5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=28mm F8
絞り:F8
 絞り開放では画面中央付近は少しソフトだけど良い描写で、周辺にゆくほど描写が低下する。 F5.6に絞ると画面中央付近は素晴らしい描写になり、画面極四隅以外は素晴らしい描写になり、F8では画面極四隅も充分な描写になりる。
 急に落ち込むタイプのの周辺光量落ちがあり、絞る事でジワジワと改善してゆき、F11で解消される。

f=50mm
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F3.5
絞り:F3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F5.6
絞り:F5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F8
絞り:F8
 絞り開放の画面中央付近はフレアっぽいソフトな描写で、画面四隅の描写が低下する。 F5.6に絞ると画面中央付近は素晴らしい描写になり、画面四隅の描写も充分な描写になる。 F8では画面隅でも良い描写になる。
 素敵な周辺光量落ちがあり、絞れば徐々に向上して行き、F16で周辺光量落ちが解消される。

f=70mm
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F3.5
絞り:F3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F5.6
絞り:F5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F8
絞り:F8
 絞り開放では少しソフトな描写で、F5.6に絞ると画面中央付近は素晴らしい描写になり、画面四隅の描写も充分な描写になる。 F8まで絞ると画面四隅も良い描写となる。
 なだらかな周辺光量落ちがあり、絞る事で徐々に向上し、F22で周辺光量落ちが解消される。

一般撮影

 以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスをオートに設定し、Dレンジオプティマイザーもオートに設定して現像してあります。 また、日中の写真はノイズリダクションはオフにしてあります。 なお、記載の絞り値や焦点距離は撮影時の記憶に頼っているので、間違っているかも知れません。m(_ _)m
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=28mm F:5.6
f=28mm F:5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F:5.6
f=50mm F:5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:5.6
f=70mm F:5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F:3.5
f=50mm F:3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F:3.5
f=50mm F:3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=28mm F:3.5
f=28mm F:3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:5.6
f=70mm F:5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:6.7
f=70mm F:6.7
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:8
f=70mm F:8
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F:11
f=50mm F:11
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:3.5
f=70mm F:3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=28mm F:5.6
f=28mm F:5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:3.5
f=70mm F:3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:5.6
f=70mm F:5.6
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F:11
f=50mm F:11
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=50mm F:3.5
f=50mm F:3.5
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:8
f=70mm F:8
TAMRON 28-70mm F3.5-4.5 Model 44A f=70mm F:6.7
f=70mm F:6.7
 ワイド側は絞り開放でも画面中央付近はしっかりとした描写で、画面隅以外は充分に使える。 テレ側になると絞り開放では画面中央でもフレアっぽい描写だけど、少し絞ると画面全域で良い描写だと思う。
 なお、現像した画像よりカメラJPEG画像の方がシャープな印象があります。 ソニーのパソコンソフトではカメラの画像処理エンジンの仕組みを完全にエミュレートしていないのだろう。 撮像面ゴミ消去機能も無いし、ソニーさんのやる気の無さが良く判る。

 久しぶりに自宅近所で小さなニホンヤモリを見つけた。 マレーシアのホテルでは大きなヤモリが部屋の外壁にいたりして、夜中に『クックゥ』って鳴くんだよねぇ。 多分、ニホンヤモリも『ケケッ』とか鳴くんだろうけど、聴いたことは無い。

あとがき

 このレンズは2024年頃から OLYMPUS OM-2N + ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2 と共に、娘のところへ行っていたけど、今年(2026年に)帰ってきた。 娘によると『それなりに便利だけど、写りがイマイチ』と厳しい評価だった。 ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2 と比べられたら勝負にならないけど、娘が違いを判る事に少し嬉しくなった。

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