CANON EF 40mm F2.8 STM - 近代のパンケーキ

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CANON EF 40mm 1:2.8 STM
CANON EF 40mm 1:2.8 STM
 これまでのレンズ系統とは何の脈略も無く2012年に突如発売されたレンズで、静かで小型なSTMの特徴を活かす製品だった。 パンケーキレンズに対する要望は少しはあったと思うが、製品化には企画部門の思い入れが強かったと思う。

CANON EF 40mm 1:2.8 STM - 2012年発売

 昔から鏡筒が薄いレンズは存在し、GN Auto NIKKOR 1:2.8 f=45mm(1969年発売)や SMC PENTAX-M 1:2.8 40mm(1976年発売)や XR RIKENON 1:2.8 45mm(1993年発売)などが製品化されていた。 ただし、前世紀に「パンケーキレンズ」という名称は無かった気がする。 現代のミラーレスデジタル一眼用のパンケーキレンズは焦点距離が24mm付近のかなり広角なレンズが殆どで、焦点距離が40~50mm程度のレンズは一眼レフ用の製品しかない...と思う。

レンズ構成

CANON EF 40mm 1:2.8 STM レンズ構成
レンズ構成
 レンズ構成は4群6枚の変形ダブルガウス型とも変形オルソメター型とも呼べる構成で、前群がオルソメタータイプで後群がガウスタイプのハイブリッド構成である。 先頭の張り合わせレンズが負パワーなのでレトロフォーカス風になり、一眼レフ用レンズとしてバックフォーカスを伸ばす役目もあるだろう。 また、最終レンズ(赤線のレンズ)をガラスモールド非球面とする事で画面周辺の収差補正を担っている様だ。

 所謂パンケーキレンズで、鏡筒が非常に薄くなっているので、ボディーキャップ代わりに装着しても邪魔にならない。 フィルター径はΦ52mmで、絞りは7枚羽根の円形絞りである。 また、殆ど効果が無い専用フードもあったと思うけど、レンズ面に触れ難くする効果はあるかも知れない。 でも、薄さが命のパンケーキの利点を損ないたくないのでフードは使っていなかった。

フォーカス

 フォーカシングはギアタイプのSTM(STepping Motor)による完全電子駆動方式で、最短撮影距離は0.3m(撮影倍率0.18倍)なので、そこそこ寄れる。 また、ワンショット合焦後にフォーカスリングを回すことでパワーフォーカスによるフルタイムマニュアルフォーカスが可能である。 ただし、フォーカスリング反転時の反応がとても悪いので、気持ちの良いマニュアルフォーカスは出来ない。 なお、完全電子駆動方式なので、カメラが起動していなければマニュアルフォーカスも出来ない。 確か、2012年以降に発売されたEOSカメラにはレンズを繰り出した状態で電源をオフにすると、繰り出している内筒を収納状態にする機能(カスタム設定だったかも知れない)が備わっていたと思う。

描写特性

遠景描写

 以下の写真は SIGMA MC-11 を介して SONY ILCE-9 で撮影した写真で、現像時にホワイトバランスを太陽光に設定し、Dレンジオプティマイザーをオフにして現像した画像です。
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F4
絞り:F4
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F5.6
絞り:F5.6
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F8
絞り:F8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F11
絞り:F11
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F16
絞り:F16
 絞り開放から画面全域で立派な描写で、F4に絞れば素晴らしい描写となる。 よ~く見れば少し気になるのは画面60~70%付近の周辺描写で、中央や周辺より若干甘い気がする。 最終非球面レンズの成型精度なのかも知れない。
 また、素敵な周辺光量落ちがあり、F8で解消(コサイン則は残る)するまで徐々に向上する。 比較的シンプルなレンズ構成なので抜け感や色乗りが大変良いと思う。

一般描写

 以下の写真は SIGMA MC-11 を介して SONY ILCE-9 で撮影した写真で、カメラをオートホワイトバランスに設定し、Dレンジオプティマイザーをオフにして撮影したカメラJPEG画像です。 なお、記載の絞り値はボケ老人の「記憶」に頼っているので間違っているかも知れません。
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F4
絞り:F4
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F5.6
絞り:F5.6
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F4
絞り:F4
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F5.6
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F4
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F5.6
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CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
CANON EF 40mm 1:2.8 STM 絞り:F2.8
絞り:F2.8
 近代のレンズなので絞り開放から良い描写性能だし、抜けが良くてコントラストも高いのでシャドウが潰れ気味になるけど、ニュートラルな発色で色乗りが良い。 このレンズの場合は(SONYの設定だけど)Dレンジオプティマイザーをオンにして暗部を持ち上げた方が良いだろう。 また、日陰で撮っても細部の表現力が高いし、外光を背景にしてもフレアが少なくて良いレンズだと思う。
 明るいレンズじゃないので、通常の撮影距離では大きな背景ボケには出来ないけどボケ味も良好だし、最短撮影距離付近までググッと寄れば背景を大きくボカす事もできる。

 40mm F2.8 という平凡なスペックだけど、近代のレンズらしい高い描写性能だ。 絞り開放から良い描写性能なのでピントには気を配りたいけど、オートフォーカスは安心できないし、マニュアルフォーカス(パワーフォーカス)は反応が悪いのが欠点だ。
 使い易い焦点距離で色々なシーンに対応してくれるので、一眼レフのボディーキャップ代わりだけじゃなく普通に使えるレンズだ。

あとがき

SIGMA MC-11 を介して ILCE-9M3 に装着した EF 40mm F2.8 STM
ILCE-9M3に装着
 このレンズはシグマのマウントコンバーター MC-11 を介して SONY製ミラーレス一眼で使用できるけど、ILCE-9M3 に装着するとパンケーキじゃなくなってしまう。 ミラーレス一眼用のパンケーキレンズは超広角レンズが殆どで、40mmをパンケーキレンズにするには逆レトロフォーカス型にして、ある程度の厚みが必要になる。 やはり、一眼レフに装着してこそ魅力を発揮するレンズだ...でも、結局は EOS 5D Mark II のボディーキャップとして再び眠りについた。
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