TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD |
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD A071
OLYMPUS OM-2N を構える娘 |
ちなみに、TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD はキタムラから買ったけど、今回の TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD はマップカメラから買ってみた。
仕様比較
TAMRON A071 と SONY SEL24240 |
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD は広角端とテレ端をケチったおかげでソニー機より細く仕上がっていて、フィルター径も1サイズ小さくなっている。 また、光学式手振れ補正機構が無いので、かなり軽くなっているのも特徴だ。
MTFで見る光学性能はズーム比が低いのと最新設計なので、タムロン機の方が良さそうだ...両方ともタムロンの設計だと思うけどね...
外観・デザイン・操作性
大きさ具合は御覧の通り テレ端は不細工だ |
外観等
外観は 70-180mm F2.8 Di III VXD と同じで高級感は感じないけど、安っぽいという訳ではない。 ズーム環や距離環にゴミや汚れが着き易い感じも同じだ。 付属の花びらフードの装着クリック感も普通だ。70-180mm F2.8 Di III VXD は ALPHAGVRD の白系迷彩柄SKIN を貼り付けているけど、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD は「娘用」なので、妙な事はしないでこのままかなぁ....
最近のタムロンレンズはアイコンとしてマウント部の銀色リングがあるけど、安っぽさを増長している感じなので要らないと思う...個人の感想だけどね。
タムロンのDi IIIシリーズを購入するのは2本目だけど、相変わらずレンズ脱着指標が判り難い。 是非、指標ポッチを付けてもらいたい。
それから、これはタムロンが悪いわけではないけど、操作性という観点では、指標を合わせてレンズ装着が完了したとき、その指標は脱着ボタンを指しているべきだ。 その様にデザインされているメーカーもあるけど、ソニーは最初の設計思想が間違っていたとしか思えない。
レンズを装着し終えると、今度はその指標が何も指し示していないのだ。
ズーム操作
フォーカスリングとロックスイッチとズームリング |
また、ズームの回転方向もソニー標準方向なので違和感なく使える。 ただし、女の子にはちょっと重いと感じるかもしれない。
この 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD には 70-180mm F2.8 Di III VXD と同様にズームロック機構が備わっているが、ロックスイッチがズーム環側からレンズ本体側へ変更されてている。
ぶら下げている時にワイド端からテレ端へ鏡筒がズルズル伸びるのを防ぐためのロック機構が備わっている。 しかし、TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD をカメラに装着して徘徊しても、ズルズルと伸びちゃう事は無かった。 使い込んでズームがスカスカになるまではロックする必要は無いかもしれない。
なお、FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS にはロック機構は無いけど、ワイド端にしておけば望遠側へズルズル伸びる様な事がない優れものだ。 パワー配置の関係だろうけど、レンズ前玉の位置が24mmのワイド端より28mmの方が最も短くなる。 従ってレンズをワイド端にしておけば、望遠側へ延びるために「最小状態」を乗り越える必要があるため、望遠側へズルズル伸びる事がないのだ。
【Jul/03 追記】
ぶら下げて歩いていると、やっぱり伸びて来る。 『ズルズルと伸びちゃう事は無かった』を訂正すると共に、改めてロックが無いのに勝手に伸びない FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS は良いと感じた。m(_ _)m
フォーカス操作
AF/MFの切換えスイッチすら無く、ボディー側で切換えるタイプだ。 距離環の操作トルクは適切で、バイワイヤー方式で内部レンズが駆動される。距離環の回転角とフォーカスの変化は距離環を回す速さで敏感度が変化するタイプで、バイワイヤー操作に対する遅延はとても少なく、微妙なフォーカス操作でも問題ない。
70-180mm F2.8 Di III VXD ではワイドマクロ域ではマニュアルフォーカスになってしまったけど、この 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD は全域オートフォーカスが可能なので、マニュアルフォーカスの出番は少なそうだ。
最短撮影距離
SONY ILCE-9 TAMRON 28-200mm f2.8-5.6 Di III RXD(28mm) ISO:100 Tv:1/40s F:2.8 |
最近のレンズは寄れる事がトレンドになっているので、全く寄れないSAMYANGも見習って欲しい。
オートフォーカス(静物)
フォーカス駆動はステッピングモーターユニットRXDを採用しているらしい。 20mm/24mm/35mmのF2.8シリーズに採用している評判が悪いOSDではない。 実際に使ってみると 70-180mm F/2.8 Di III VXD の様な高速性はないけど、ストレスを感じない速さになっている。 上の動画は焦点距離200mmでフォーカスが無限端から至近端までオートフォーカスさせた場合の合焦動作である。
オートフォーカス(動体)
動体の撮影ではピントが追えていない |
【判り易い写真に差し替えました】
連写駒速度
連写駒速は15駒/秒だった |
レンズとカメラとの高速通信にはLVDS通信を使っていると思うんだけど、サードパーティーには前時代の遅い通信規格しか公開していないのかも知れない。
いづれにしても、動体追従には問題がある。
簡易防滴構造
簡易防滴シーリング |
でも、僕が自分のレンズで防塵防滴性能のテストは致しません。
光学性能
さて、光学性能はどうだろう? MTFチャートを見ると、FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS より高性能に見える。 これまで FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS を使ってきたけど、光学性能的に残念な結果になる場合も多々あった。 でも、『コレ一本で何とかなる』という便利さからブラジル旅行などでも重宝したレンズだった。 SONY α9 との組合せならだいぶ良くなったけど、FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS のテレ側は SONY α7Ⅱ と組み合わせた場合には解像・ピント精度などが残念な性能だった。シャープネス
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD と FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS とをサイドバイサイドで比較撮影してみた。 使用カメラの個体は異なるけど両レンズとも SONY α9 で撮影している。 水平が出ていないのは...ご愛敬という事で...点光源描写
夜景による点光源描写もチェックしてみた。 これも TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD と FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS とをサイドバイサイドで比較撮影している。一方、FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS は昔の高倍率ズーム「らしい」低画質で、比べてしまうと悲しくなってしまう。 OSSが搭載されていてワイド端が24mmというメリットも、低画質性能が搔き消してしまう。
絞り値による点光源光芒具合
f=48mm F:3.5開放 | f=48mm F:8 |
f=48mm F:11 | f=48mm F:16 |
開放絞りから2段までは回折による光芒は少なく、3段以上絞れば夜景らしい光芒が現れてくれる。 タムロンの謳い文句通り、開放から2段までは円形絞りになっている様だ。
ディストーション
歪曲収差はソフトで補正するレンズが多くなったけど、このレンズも歪曲収差補正は必須のレンズだ。f=28mm 補正あり | f=28mm 補正なし |
f=50mm 補正あり | f=50mm 補正なし |
f=100mm 補正あり | f=100mm 補正なし |
f=200mm 補正あり | f=200mm 補正なし |
補正されたJPEG画像ではほとんど判らない程度に補正されているけど、RAW画像を扱う際には必ず補正しなければならない。
RAW撮影してスティッチやモザイク合成する場合は注意深く歪曲補正してから合成処理しなければならないけど、このレンズでスティッチやモザイク合成する人は少ないだろう。
玉ボケ描写
ワイド端の玉ボケ具合:F2.8 |
焦点距離101mmの玉ボケ具合:F4.5 |
テレ端の玉ボケ具合:F5.6 |
最終評価
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD は明るい・軽い・安いの三拍子が揃っていて、モノとしての質感も及第点だ。 動体でなければAFの速さや光学性能なども充分で、高倍率ズームとしては期待以上に素晴らしいレンズだと思う。僕としては標準系高倍率ズームなら24mm以下の広角が欲しかった。 一本だけ持って行くときに24mmが有るか無いかでは全然違うのだ。 特に、28mmという焦点距離は40年以上前から僕の苦手な焦点距離で、納得できる写真を撮った記憶がない。 テレ端が150mm程度でも良いので、広角側を広げて貰わないとスマホの方が広くて綺麗に撮れる時代になってしまった。
【良いところ】
- 高倍率ズームとしてはシャープな画質
- 速くて静かで静物には正確なAF
- SEL24240より細くて軽い
- 撮影倍率 0.32倍 まで寄れる近接機能
- コストパフォーマンスがとても良い
【残念なところ】
- 光学式手振れ防止機構が無い
- ワイド端がちょっと広角不足
- 動体追従が悪い
高倍率ズームでありながら光学性能も上等だし、グイグイ寄れるのはマクロレンズに慣れた娘にも良い点だし、僕自身楽しいレンズだった。 もう一息ワイドが欲しいと思う事はあるけど、一本だけ持って出掛けるならお勧めのレンズだと思う。
もし、星5マックスで星を付けるなら星4くらいかなぁ...24mmがあって動体追従が良ければ間違いなく星5でしょう。
あと書き
シグマがソニー用の便利ズームを発売していたなら検討しただろうけど、シグマを選択する上で大きな障害となるのがズーム環の回転方向である。 シグマのズーム環回転方向はソニー機とは逆だし、同じLアライアンスであるパナソニックやライカとも逆回転なので、咄嗟のズーミングが必要な時に逆に回しちゃうのが異常に困る。 ただし、シグマレンズのズーム環回転方向は機種によって異なり、18-35mm F1.8 DC HSM Art や 50-100mm F1.8 DC HSM Art や 24-35mm F2 DG HSM Art などはソニーやパナ・ライカと同じズーム回転方向だったりするので、いい加減なメーカーなのかも知れない。いづれにしてもソニー機を使う上で、選択肢が広がるのは良いことである。
EXIF上のレンズ名は「E 28-200mm F2.8-5.6 A071」 |
サンプル写真
28mmの紫陽花 | 200mmの紫陽花 | 語らい |
梅雨晴れ | Distance | シャボン玉 |
モール | 夜景 | 逆光耐性 |
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