SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art - Review 2

SONY α9 に装着した SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art
週末は天気が回復したので SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art で試写してみた。
ちなみに上の写真は SIGMA 50mm F1.4 EX GD HSM | STF改 で撮影した写真で、背景の点光源が溶ける様に柔らかくボケるてくれる。 解像力番長もイイけど、こんなレンズも作って貰いたいと思う。



点光源撮影

SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:800 F:1.8 Tv:1/10s
先ずはRAW撮影した点光源を無補正で現像してみた。 大昔に使っていた SIGMA 14mm F2.8 EX ASPHERICAL HSM は残念な光学性能だったけど、開放F値が1.5段明るくなったこのレンズは昔のレンズとは比べ物にならない程に高性能になっている。
絞り開放では画面周辺にコマ収差が発生してるけど、Webで使う写真なら開放でも我慢できる。

ただし、画面周辺の最良像面位置が近距離側にある(像面湾曲と言った方が良いか...)ので、点光源主体の被写体では奥ピンは禁物である。 ほんの少しだけ前ピン気味にピントを合わせてやれば、画面周辺のコマ収差が目立たなくなる。
上の写真でも画面周辺では近距離側の方が解像が良い事が判るだろう。 F1.8という明るいレンズなので、星景写真を撮影する場合にはピント合わせに神経を使いそうだ。

それから、超広角レンズとしては周辺光量落ちが少なく、ヴィネッティング補正がし易いだろうし、通常の撮影なら無補正で使っても気にならない。

絞り値による画質比較

SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:800
絞り値による画質比較
上の写真は絞り値をF1.8~F2.0~F2.8~F4.0と変化させた時の比較写真である。 ピント合わせをミスらなければ開放絞りでもは酷いコマ収差にはならないので、Webで見せる写真なら我慢できそうだ。 F2.8まで絞れば周辺でもコマ収差は目立たなくなるが、明るさを取るぎりぎりの選択はF2.2くらいだろう。

また、中間像高付近の解像が若干悪いので、この辺りの開口率とサジタルコマのバランスが悪いのかも知れない。

他レンズとの画質比較

他レンズとの画質比較
比べてみると、先ず感じるのが写る範囲の差だ。 TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD の写る範囲は焦点距離の差以上に狭く感じるのと、SIGMAと焦点距離が同じ SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC の写る範囲はとても広い。

同じF2.8で比べた画質は SIGMA 14mm F1.8 が最も良く、次に TAMRON SP 15-30mm F/2.8 だ。 SAMYANG 14mm F2.8 はコマ収差は酷くないけど像面湾曲による周辺画質劣化大きいので、FHD動画とかWeb用途なら使えるレベルだ。

各レンズの現像条件は同じで、色収差補正や歪曲収差補正やシャープネスなどは掛けていない。 カラーバランスは色温度3810Kに設定しているが、SIGMA 14mm と TAMRON 15-30mm F2.8 では微妙に異なる発色になる。 ところが SAMYANG 14mm F2.8 は随分と異なる発色になるので、AWB以外で撮影する場合に注意が必要だろう。

コマ収差が大きいレンズの例

昔の SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO
盛大なコマ収差が発生するレンズの例として、SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO の写真を載せておく。 このレンズは収差が多すぎてピントピークが判り難いし、絞りF2.8以上に絞らないと全く使えないんだけど、手元に残してあるのは近接撮影能力が高いからである。


一般撮影

SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/1250s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/1250s
SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art の最大撮影倍率は 1:9.8 で、意外と寄れない。 背景の邪魔物を隠すために被写体に「ぐぐっと」寄りたいところだけど、叶わないのだ。 背景ボケの輪郭もちょっと硬めなので、もうちょっと寄れたら背景のボケを大きく出来るんだけどねぇ。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/6400s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/6400s
このレンズの背景ボケは決して綺麗なボケじゃないんだけど、面白いボケ方になって独特な表現をしてくれる。 背景に入れる物によっては煩いボケになるけど、この写真の様に電線が光芒の様に表現される場合もある。 実に楽しい。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:8 Tv:1/640s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:8 Tv:1/640s
太陽を画面内に入れるとゴーストが出てしまう。 派手なゴーストじゃないけど、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 より出易いと思う。 やはり、シグマレンズのコーティング技術は改善の余地があるのだろう。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/5000s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/5000s
太陽を画面に入れなくても、前玉が外光を拾うと濃いゴーストが出る。 これに関しては TAMRON SP 15-30mm F/2.8 も同じだけど、ゴーストの出方はシグマの方が目立つ。 手で前玉に入る直射光を遮ってやればトーゼンながらゴーストは出ないんだけどね。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/1250s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/1250s
ぐるぐるに回った藤の幹を接写してみた。 接写能力が低いけど、開放絞りで撮影すれば背景が充分にボケてくれるし、合焦部分は充分にシャープだ。 実は、目立たないけど、左下にグリーン系の大きなゴーストが被っている。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:8 Tv:1/250s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:8 Tv:1/250s
F8に絞れば深度が深くなる...と思ったけど、遠景は意外とボケている。 写真では判らないと思うけど、一番手前の花に結構近づいてピントを合わせている。 高画素機なら気になっちゃうだろうけど、僕はあまり絞り込むのは好きじゃない。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/4000s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/4000s
開放絞りで撮影しても生地の質感などが表現されていると思う。 ただし、煩い後ボケが困りものだ。


SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:5.6 Tv:1/320s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:5.6 Tv:1/320s
シグマレンズは本当にゴーストが出易い。 撮影する時には気が付かなかったけど、画面左下に大きなグリーンゴーストが被っている。 第一レンズの裏面か第二レンズの裏面の反射ゴーストが問題(個人的な想像)だと思われるけど、上質のコーティング技術を持っていないのだろう。



SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/50s
SONY ILCE-9 SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art ISO:100 F:1.8 Tv:1/50s
三渓園を徘徊して腹が減ったので、横浜中華街で天津を楽しんだ。 黄昏の中華街は人々を誘う電飾が美しい...美しいんだけど、画面周辺にあるLEDに発生するサジタルコマフレアが目立つので、F2.8程度に絞るべきだった。


フィルター

リアフィルターホルダー FHR-11 を装着した SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art

フロントフィルターホルダー例
シグマからリアフィルターホルダーがオプション品として販売されているので、僕はそこにソフトフィルターなどを装着する様にしている。

SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art は出目金レンズなのでフロントフィルターの装着が困難なので、最も困るのがPLフィルターの利用だろう。 アクセサリーメーカーからフロントフィルターホルダーが発売されているので、角型のPLフィルターを装着する事は可能だ。
でも、着脱が面倒臭い事や大きさや価格面から躊躇してしまうが、風景写真を撮る人は必須なのかも知れない。


まとめ

SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art の性能はなかなか良いと思うけど、星景写真に利用するならF2.2程度に若干絞り込んで使いたい。 また、中間像高付近の解像が若干悪いので、どの辺りでピント合わせを行うか悩むし非常にシビアだ。

焦点距離14mmでF1.8という明るさは他に無い特徴なので、高感度性能が良くなかった1世代前のカメラでも現役復帰できる可能性がある。

安っぽいテカテカパーツのデザインに不満があるけど、使い続けても良いかなぁと思わせる一本だ。

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