Sea of Clouds | 雲海

2005.08.12 EOS 20Da SIGMA 24mm/F1.8 ISO400 F:2.8 4m×5 藻琴山登山口
2005.08.12 EOS 20Da SIGMA 24mm/F1.8 ISO400 F:2.8 4m×5 藻琴山登山口
 天文台の巨大望遠鏡とかハッブル宇宙望遠鏡で撮影した写真だけが天体写真ではない。  デジタル一眼レフに広角レンズを装着し、三脚を使って夜空に煌く星たちにカメラを向ければ綺麗な天体写真が簡単に撮影できる。  夜中に“本格的な天体写真”を撮影した後で、鳥たちが歌い始める前の静寂を写し撮った“簡単な天体写真”が私は大好きである。  たまに聞こえてくるのは登山者の鈴の音だけ...くっ熊よけかい!

 昔の写真を1駒じゃなく5コマの合成で再現像してみました。 星の軌跡に黒縁が発生しない様にシャープネスは全く掛けてないのでチョット眠い写真ですが、5駒合成時の軌跡の繋ぎ目には工夫を加えてあります。 なんせ、昔のカメラは駒間の空き時間が長かったので綺麗に繋がらなく、切れ目が見えてしまうためです。 また、色収差の補正もしてあるので、昔よりスッキリした写真になってますがノイズが多いのは仕方ないですな。

 RAW現像から手間を掛けると星の輝度が飛ばないで色味を出すことが出来るので、淡い地上風景とカラフルな星の色との対比が面白い。 さすがにベラトリクスやリゲルは白飛びしちゃってますが、本当は青白い星です。 また、真っ赤な星の軌跡は星ではなく赤い散光星雲であるM42オリオン大星雲の軌跡です。 天体写真用のEOS 20Daならこんなにカラフルに写ってくれて感動したのを覚えてます。

 撮影場所は夜明け時の北海道・藻琴山登山口ですが、最初は藻琴山展望駐車公園で撮影しようと思って望遠鏡をセットアップして待ってたけど、霧が発生して全く撮影出来る状況では無くなってしまいました。 でも、『この霧はひょっとして?』と思い、藻琴山登山口まで登ってゆくと下界が雲海になっていたんです。 これは釧路で発生した霧が摩周湖や屈斜路湖を超えて斜里町の方までやってくるもので、ちょっと珍しいらしい。

 画面左の山は百名山にも数えられる美しい斜里岳で、右の雲海下の町明かりは弟子屈町かな? 北海道・道東ならではの暗い夜空は撮りがいがありますよ。


話は変わるけど、オリオン座や大犬座は冬の星座なので夏真っ盛りのオーストラリアでも天高く見える。 メルボルンの公園で撮影していると、メルボルン大学の学生が『何撮ってるの?』とか言って寄ってきて、ひとしきり天文話で盛り上がるんだけど、普段僕たちが話しているオリオンとかシリウスが「オライオン」とか「シリアス」なので喋り難い。 最後には『アーユーフィニッシュトゥダイ?』とか(死なねえよ!)言われて飲みに連れてかれる....まっ、イイ奴らなんだけどね。
メルボルンの公園 後ろは天文台 左の人だかりは酔っぱらった大学生

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