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| minolta SR-T 101 |
ミノルタ初のTTL開放測光方式を採用したレンズ交換式一眼レフカメラである。 レンズマウントは1958年発売のミノルタ初の一眼レフである minolta SR-2 から始まるSRマウントで、SR-T 101 発売に合わせて新たに開放測光用の連動カプラーが追加された。
minolta SR-T 101 - 1966年発売
SR-T 101 は1966年発売だけど、マウント自体は1958年に登場したSRマウントで、そのSRマウント外周に摺動する開放測光用メーターカプラーピンが追加されている。 開放測光に対応したレンズには絞り環にメーターカプラー爪が装備され、開放測光未対応のレンズ群と区別するために、レンズ名称の先頭に「MC」が付けられた。 「MC」は Meter Coupler の略である。
SR-T 101 の謳い文句は『新しいミノルタ誕生 フォトロニクスが映像の世界を変える』だった。 フォトロニクスは「フォトニクス」と「エレクトロニクス」を掛け合わせた造語だけど、フォトロニクスという造語が浸透した記憶は無いなぁ。
主要仕様
| 項目 | 諸元 |
| 型式 | 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフカメラ |
| 発売年 | 1966年 |
| レンズマウント | ミノルタSRマウント(MCレンズ対応・開放測光連動) |
| シャッター | 機械式横走り布幕フォーカルプレーンシャッター |
| シャッタースピード | B、1秒〜1/1000秒 |
| 露出計 | TTL式開放測光(CLCシステム・追針式) 測光範囲:EV3~17(ASA100) |
| 電源 | MR-9(H-D)型水銀電池 1個(露出計用) |
| ファインダー | 視野率約92%、倍率約0.9倍(50mmレンズ) マイクロプリズム付きマット式スクリーン |
| 大きさ | 約 145 × 94.5 × 47.5 mm |
| 重さ | 約 705 g(ボディのみ) |
前期型・後期型
SR-T 101 には大別すると前期型と後期型があるようで、下表の様な些細な違いがあるらしい。 また、故障対策として修正・強化されている内部パーツもある様だ。 本個体は特徴から後期型だと思われる。
| 項目 | 前期型の特徴 | 後期型の特徴 |
| 前面 minolta ロゴ | ロゴ文字が細い | ロゴ文字が太い |
| SR-T 101 ロゴ | Tの線幅が細め | Tの線幅が太め |
| シャッターダイヤル | ローレットが細かい | SR-T SUPER と同タイプで ローレットが荒い |
| ミラーボックス下面 | 開口部が平面 | 円弧状のザグリがある |
| マウント止めビス | マイナスビス | プラスビス |
| 巻き上げスプール | 1本スリットタイプ | 複数差込みタイプ |
ミノルタは様々な改良に熱心だったけど、モデル名に「b型」とか「改型」とか「New」とかを加えないで昔の名前のままで販売し続けていた。 minolta SR-1 などは外観形状すら変わっているのに SR-1 のままだった。
主要操作部材・構成など
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| 前面の主な部材 |
露出計用連動カプラー
SR-T 101 から、SRマウント外縁に内蔵露出計用の絞り連動カプラーが設けられた。 このカプラーは絞り環の回転量をカメラが受け取るもので、開放絞りからの相対回転量が伝えられる。 伝えられた絞り環の回転量は、シャッターダイヤル(及びASA感度)の回転量と共に、カメラ内に張り巡らしたワイヤーとプーリーを介してファインダー右側の〇付き追針とメカ的に連動している。 メーターカプラーには強いテンションが掛かっていて、絞り環を開放方向に回す操作トルクより絞り込む方向へ回す操作トルクの方が重くなってしまう。
露出計の電源をオンにしてカメラを被写体に向ければ、CdSセンサーの出力値により露出計の指針が振れ、その指針に〇付き追針が合致する様に絞り環を操作すれば適正露出になる仕組みだ。 あるいは、撮影シーンに応じた絞り値を設定しておき、メーター指針と〇付き追針が合う様にシャッター速度を変更する様な「絞り優先」的な操作でも良いけど、シャッター速度を変えるのに持ち換えるのが面倒だ その当時に使っていた
Nikomat FTn なら持ち換えないでシャッター速度を変更出来て便利だった。 なお、SR-T 101 の開放測光方式の基本は東京光学の特許通りである。
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| メーターカプラー |
ミノルタの謳い文句としては、絞り開放の状態では周辺光量落ちの影響で露出がオーバーになるので、レンズのカプラー爪位置は周辺光量落ちの影響を補正する様に角度補正しているらしい。 カタログの説明読んだり画図を見ても理解し難い内容だ。 ちなみに、レンズ絞り環のF1.4とF2の間隔は0.5段程度に詰まっているので、この事を言っているのだろうか? 露出計が指針が開放絞りから4段分絞れば適正だ示した場合、実際に4段分回しても4.5段の絞り込みになるので、開放測光でオーバーになる0.5段を補正出来る事にはなる。
プレビューボタン
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| プレビューボタン |
エプロン右下にプレビューボタンがある。 プレビューボタンを深く押すごとに開放状態と絞り込み状態がトグルするが、シャッターチャージした状態でないと機能しない。 一眼レフのファインダーによるボケ具合はアテにならないけど、設定した絞り値による深度確認ができる。 また、絞り込み測光を行う場合にも利用するけど、MCレンズを装着して絞り込み状態にすると、露出計の電源が切れるみたいだ。 MCレンズでは絞り環の操作で追針が動いてしまうため、正しく測光出来ないからだろう。 旧世代の AUTO ROKKOR を装着した場合には絞り込み測光として露出計が有効に機能する。
ミラーアップレバー
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| ミラーアップレバー |
エプロン右側上寄りにミラーアップレバーがある。 これを捻ることでミラーアップ状態とミラーダウン状態を切換えられる。 ミラーアップ状態にすると、解除するまでミラーアップが継続され、いつでもミラーアップ/解除が可能だ。 ちなみに、ミラーアップしても露出計の電源は切れる事は無い。
ミラーアップ機能を用いればミラー駆動によるカメラブレを防ぐ事より、ミラーアップしなければ装着出来ない W.ROKKOR-PI 1:4.5 f=21mm や W.ROKKOR-QH 1:4 f=21mm を利用するための機能だ。 後継機の SR-T SUPER ではミラーアップが不要な MC W.ROKKOR-NL 1:2.8 f=21mm が同時に製品化されたので、ミラーアップ機能は省略されている。
なお、ミラーは比較的大型のミラーを搭載しているので、望遠レンズを装着した場合にファインダー上方が暗くなる「ミラー切れ」は起き難い様になっている。 このため、ミラーアップ動作は「しゃくりあげ」方式を採用して、大型のミラーがレンズ後端と干渉しない様になっている。
その他の操作部材
巻き上げレバーの巻き上げ角は150度・予備角20度で、分割巻き上げ可能となっている。 フィルム巻き戻しはカメラ底面の巻き戻しボタンを押し込んで、カメラ肥大上の巻き戻しクランクでフィルムを巻き戻す。
シャッター速度ダイヤルは1段ごとが等間隔で、シャッターダイヤル内にASA感度設定窓があり、シャッター速度環を持ち上げて回せばASA感度を設定できる。 シンクロ(X接点)速度は1/60秒以下である。 エプロン左下方にX接点ソケットとFP接点ソケットがある。
セルフタイマーはレバーを反時計回りに捻ればセットされ、捻れば現れる銀色ボタンを押せばスタートする。 90度まで回してスタートすれば、約8秒後にシャッターが切れる。 なお、セルフタイマーをセットしても、レリーズボタンを押せば直ちにシャッターが切れる。 ちなみに、ブラックボディーのセルフタイマーレバーは黒塗りになっている。 セルフタイマーをセットして遠目で見ると視認し難いので、白線を入れるなどの工夫が欲しかった。
測光光学系
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| カタログの断面図 |
SR-T 101 ではCLC(
Contrast
Light
Compensator)システムを搭載している。 ファインダースクリーンの拡散光をCdSセンサーで測光するのは他社と同じだけど、ペンタプリズム上部に2個のCdSセンサーが載っていて、それぞれファインダースクリーンの上方重点と下方重点とを分担して測光する分割測光方式になっている。
例えば、風景写真で明るい空が入るシーンでは、明るい空の影響で画面下側の露出が不足してしまうが、画面を分割して測光することで明るい空の影響を低減させる狙いである。 『んじゃ、縦位置撮影の時はどうなるんだ?』という効果面の疑問はあるけど、分割測光の先駆けなので突っ込まないでおこう。 なお、分割測光と言っても測光センサーに二次結像させてはいないので、上方と下方とをぼんやりと測光しているハズだ。
電気回路的には単純な2センサー直列回路なので、2個のセンサー出力の平均が測光値となる。 2個のセンサー出力を平均するなら分割測光でなくても良い気がするけど、画面上側に高輝度照明を入れてもあまりアンダーにはならないけど、画面下側に高輝度照明を入れるとアンダーになるので、測光の分割具合は 全画面測光 と 画面下方重点測光 とを組み合わせている感じだ。 でも、個人的には普通の中央重点測光の方が判り易くて好きだし、周辺光量落ちの影響も受け難いハズだ。
露出計電池と電源スイッチ
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| 使用電池はMR-9型水銀電池 |
露出計の電池は MR-9(H-D)型水銀電池 1個で動作する。 電池室はカメラ底面にあり、全面が正方メッシュになった銀色の金属製の蓋が付いている。 現代ではMR-9型水銀電池は入手不能なので、電池アダプターでSR43酸化銀電池を電圧変換・形状変換して利用する事になる。 試しに、電圧変換しない安価な電池アダプターにSR44電池を装着してカメラに入れたところ、露出計の指示値は「ほぼ」同じだった。
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| カメラ底面 |
このカメラの電源スイッチはカメラ底面にあり、ON / OFF / BC の3ポジションがある。 ON / OFF は露出計の電源オン/オフで、BC は電池のバッテリーチェックポジションだ。 電源スイッチをBCポジションにセットし、ファインダー内の露出計メーター指針が定点まで振れれば電池は正常だ。 それにしても、カメラ底面に露出計の電源スイッチは操作性が悪すぎるし、電源を切り忘れるので宜しくない。 電源がオンのままだとチョロチョロと電流が流れ続けて、電池の液漏れ事故を起こしてしまうだろう。
ファインダー内表示
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| minolta SR-T 101 のファインダー内表示 |
ファインダー内右側に露出計の指針と追針があり、スクリーン面と指針・追針の視度も離れていないので見易い。 ファインダー右枠の上下にある◀の出っ張りが測光範囲を表わし、中ほどにある■の出っ張りはバッテリーチェック用のポイントである。 測光センサーがCdSなので、低輝度環境下ではメーター指針の振れ方がゆっくで時代を感じる。
ファインダー内下側にはシャッター速度がスケールがあり、◢ ◣の間が選択しているシャッター速度である。 なお、撮影した写真は矩形に記録されるのに、ファインダーの四隅が Canonflex R とか Canonflex RM の様に丸くなっているのは少し気に喰わない。
ファインダー内では絞り設定値が判らないけど、SR-T 101 の後継機である SR-T SUPER では画面上方に絞り環の直読窓が追加されている。 個人的に直読窓は好きじゃないので、CANON EF の様に凝ったF値表示スケールだったら萌えるんだけど、SRマウントには絶対絞り値を導出する情報がないので仕方ない。
背蓋のASA感度メモ
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| ASA感度メモがある |
ミノルタ初の一眼レフ SR-2 の頃から、背蓋にはASA感度メモが備わっている。 SR-T 101 も例外でなく背蓋にASA感度メモがある。 SR-T 101 は露出計内蔵で、カメラ上面のシャッターダイヤルにASA感度設定があるのに、背蓋のASA感度メモは全く意味が無い。 他機種との流用パーツなのだろうけど、露出計内蔵カメラの背蓋にはフィルムメモホルダーを付けて貰いたかった。 ちなみに、後継機の SR-T SUPER もASA感度メモのままだった。
あとがき
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| MC ROKKOR-PF 58mm F1.4 |
オールドレンズ MC ROKKOR-PF 58mm F1.4 を使ってみたくて、オークションに出ていたレンズとカメラのセット品をポチってしまった。 肝心のレンズは前玉と後玉のカビ除去と清掃により充分に使えるレンズになった。 なので、SR-T 101 はオマケ的だったけど、意外と綺麗な個体だったし、各機能もちゃんと動作するし、露出計も概ね合っているけど、モルトは加水分解・劣化していて、ゴミの発生源になっているので交換が必要だ。
その昔、僕は
Nikomat FTn などを使っていたけど、minolta SR-T 101 を使っている友人がいて『どうなんだろう?』と気にはなっていた。 その後、ミノルタのカメラでは
minolta X-1 しか使った事が無かったけど、今回 ST-T 101 をじっくり触ってみると、使い易くて優れたアマチュア向けカメラだった事を実感できた。
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