TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B - 近距離補正搭載の望遠レンズ

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TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B
  Adaptall 2 シリーズの単焦点望遠レンズとして、Adaptall 2 発売の1979年に市場投入された。  この時代にサードパーティー製の200mm単焦点レンズがどの程度売れたのかは判らないが、同クラスの純正レンズより少しだけ仕様を上げた製品になっていた。

TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B - 1979年発売

レンズ構成

TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B レンズ構成
レンズ構成
 5群5枚構成のテレフォト型望遠レンズで、特殊な硝材などは使われていない。 正パワーの第1~3レンズによる焦点を負パワーの第4・5レンズ群で焦点距離を伸ばしている。 一般的なテレフォト型望遠レンズだけど、ダブルヘリコイドになっていて、前群の繰り出し量に対して、絞りを含む後群の繰り出し量が1.3倍ほど大きくなる、いわゆる近距離補正機構が搭載されている。 多分、非点収差や像面湾曲を補正しているのだろう。
 凡庸なスペックのサードパーティー製レンズとしては奢ったメカ構造になっているけど、メーカーの説明には「近距離補正機構」と明記されていなかったと思う。 最短撮影距離は 1.7m(撮影倍率0.17倍)なので、旧製品の CT200 や競合他社の最短撮影距離が 2.5m だった事を考慮すると寄れる方だ。 でも、1.7mは『あぁ、ここまでかぁ』と感じる事も多かったので、近距離補正機構を搭載したのなら、もっと寄れる様にしてくれたら嬉しかった。

引き出し式内蔵フード
内蔵フード
 フィルター径はΦ58mmで、鏡筒先端に申し訳程度でスカスカなフードが内蔵されている。 距離環が長いので、長いフードが出てきそうだけど、少し出ておしまいになるし、フードには指掛かりが無いので無限遠状態では引き出し難い。 また、引き出しストロークが少なすぎて、無限遠状態ではフードに印刷されたTAMRONロゴが「nROn」しか見えないほどで、繰り出せば全てが見える様になる。 普通のメーカーなら、自社ロゴが「nROn」になるのは許さないだろう。 なお、内蔵フードは旧製品の CT200 の方が深さがあったと思う。 ちなみに、タムロンのロゴを良く見たら「TAmROn」だったけど、面倒なので「TAMRON」と記載させて頂きます。

描写特性

遠景描写

 以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスは6000°Kに設定し、Dレンジオプティマイザーはオフに設定して現像してあります。
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F3.5
絞り:F3.5
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F5.6
絞り:F5.6
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F8
絞り:F8
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F11
絞り:F11
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F16
絞り:F16
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F22
絞り:F22
 絞り開放ではほんの少しソフトな描写で、画面周辺には倍率色収差が発生しているけど、酷く気になる程ではない。 F5.6に絞ると画面中央はシャープで良い描写になるが、画面周辺では周辺光量が向上するので、高輝度部分の倍率色収差が逆に目立つ様になる。 絞りF8~F11あたりが最良の描写性能で、F22以上に絞り込んでしまうと回折の影響でボヤけ始める。
 目立たない程度の周辺光量落ちがあり、F8で解消されるけど、開放では周辺光量落ちの影響で倍率色収差が目立たないので、シーンによっては開放にした方が結果が良いだろう。 発色は寒色系であっさりした仕上がりになる。

一般撮影

 以下の写真は SONY ILCE-9 で撮影したRAW画像をIE Edit Ver.4.0.00.10311 にて、ホワイトバランスをオートに設定し、Dレンジオプティマイザーもオートに設定して現像してあります。 なお、記載の絞り値は撮影時の記憶に頼っているので、間違っているかも知れません。m(_ _)m
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F5.6
絞り:F2
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F3.5
絞り:F2.8
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F4
絞り:F5.6
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F3.5
絞り:F2
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F3.5
絞り:F2
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F4
絞り:F2
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F5.6
絞り:F2
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F5.6
絞り:F2.8
TAMRON 200mm F/3.5 Model 04B 絞り:F3.5
絞り:F5.6
 近距離でも描写性能は悪くないけど、F5.6に絞った方がシャープでスッキリした描写になる。 画面中央付近でも飽和する様な高輝度部があるとパープルフリンジとして色収差が現れるのと、絞った場合に画面周辺~隅で倍率色収差によるフリンジの発生が残念だ。 近距離でも色収差以外は良く収差補正されていて、絞り開放でも悪くない描写だと思う。
 ただし、オールドレンズとして遊ぶには焦点距離が長すぎるのが難点だ。 近距離補正機構を搭載したのだから、もっと寄れるレンズなら楽しめるレンズだっただろう。

 銀塩時代では良く判らなかったけど、保護フィルターを装着してないのに、画面中央付近に高輝度部があると、対角線ゴースト(車のフロントグリル反射部)が発生する。 デジタルカメラの撮像センサーで反射した光が前玉部で再反射して対角線ゴーストになっている様で、曲率がある面で反射しているので、正確な対角位置とは少し違う位置に再結像(ゴーストのピントは合ってない)していて、これは防ぎ様がない。

あとがき

 この時代の200mm望遠レンズは 200mm F4 という仕様が一般的で、高級な物は 200mm F2.8(或いは 180mm F2.8)という仕様で特殊低分散硝材を使用したレンズもあった。 タムロンは 200mm F3.5 と少し明るくして、最短撮影距離も2.5mから1.7mへと短縮して他社より少し寄れる様にしていた。 他社より少しだけ仕様アップする事で、比較すればタムロンを買いたくなるレンズだったのだけど、80-200mm などのズームレンズが一般的になり、凡庸な仕様の望遠レンズは売れなくなりつつあった。 僕も望遠ズームは便利に使っていたけど、200mm単玉を使う事は稀だった。
 その後、1089年頃に特殊低分散ガラスを使った SP 180mm F/2.5 LD-IF Model 63B が製品化され、試しに天体写真撮影用に購入してみたけど、期待したほど色収差が少なくなかった(厳しい判定だけど)ので直ぐに手放した。 200mm F/3.5 Model 04B を手放さなかったのは二束三文だったからなのさぁ。

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