ASAHI PENTAX K2 DMD - 1976年発売

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PENTAX K2 DMD - 1976年発売
ASAHI PENTAX K2 DMD - 1976年発売

 ペンタックスといえば旭光学が発売した庶民のカメラで『ぺんたっくす・ぺんたっくす・望遠だよ・望遠だよ・ワイドだよぉ~』ってコマーシャルを知っている人はかな~りの年配者だ。
 庶民の一眼レフとして一世を風靡した旭光学は社名をペンタックスへ変更して頑張ってきたが、今世紀の2007年にはHOYAに買いたたかれた。 HOYAは医療系などのオイシイ事業は自社に残し、カメラなどの不要な事業はリコーに払い下げた...多分。

ASAHI PENTAX K2DMD

 旭光学は1975年、それまで使っていたM42スクリュー式マウントからバヨネット式のKマウントへ変更し、最初のKマウントカメラで最上位機だったのが PENTAX K2 である。 翌1976年、高級機に相応しい機能強化を施されたカメラが PENTAX K2DMD だ。
 残念ながら同年に、より小型なMシリーズが発売・移行された事で K2DMD の生産数は多くない様だ。
 ところで、「K2」はカラコルムの山のことではなく、二代目の「K」なので「K2」なのである。 初代の「K」は1958年に発売された
Asahi Pentax K で、「King」に由来する名称らしい。

メモリーロック機能

メモリーロックスイッチ
メモリーロックスイッチ

 PENTAX K2 DMD は、K2に対してデータバック(D)とモータードライブ(MD)への対応と、絞り直読窓やアイピースシャッターなどが追加されている。 また、この時代のAEカメラには珍しいメモリーロック機能(AEロックに近い機能)を搭載している。

 操作部材がミラーアップレバーと兼用であるため操作性が悪いのと、アナログロック方式(多分)であるためロック値がズレる事があるのがちょっと難点だ。
なお、メモリーロックはシャッター速度をロックするだけで露光量をロックする訳ではない。 シャッター速度をロックしてから絞りを変更(大変難しい操作だが)しても、シャッター速度はロックした状態のままだ。

 僕は露出補正よりAEロック派なので、好みのデザインと相まって PENTAX K2 DMD は大好きなカメラなのである。

感度設定

 フィルム感度設定はマウント基部のミラーアップレバー側にあり、マウント下方のロック解除ボタンを押しながら感度設定リングを回して設定する。 この感度設定リングが非常に回し難く設定に苦労する。
 長年使っていると『固着したのか?』と思うくらい回し難くなるので、定期的にマウントを外してからリングを取り出して清掃する必要がある。 薄く注油した方が良いのかも知れないが、油が劣化すると本当に固着しちゃうので清掃だけにしている。

露出補正

露出補正指標
露出補正指標

 レンズマウント基部のフィルム感度設定部とは反対側に露出補正ダイヤルが設けられている。

 補正は±2段の範囲で設定でき、1段ごとにクリックがある。 ロックは無いけどリングの動きが渋いのと、重めのクリックがあるので勝手に動いた経験は無い。

 ただし、指標がマウントの隙間に小さな赤点で示されているだけなので、露出補正状態の判別は老眼では困難を極める。 

絞り直読窓

絞り直読窓
絞り直読窓

 それから絞り直読窓が追加され、ファインダーを覗いたままレンズの絞り環設定値が確認できる。
ファインダーを覗いたままシャッター速度設定値(または制御値)と絞り設定値が判るのはとても良いが、被写体の照明状態でシャッター速度スケールが読み難かったり、カメラ本体に光が当たってないと絞り値が読めなかったりする。 拡散板を使わない方式では致し方ない。

 また、アイピースシャッターも追加され、シャッターダイヤルの「AUTO」位置を超えればアイピースシャッターが閉じる仕組みだ。

ファインダー表示

ファインダー内表示
ファインダー内表示
露出補正を掛けた時
露出補正を掛けた時

 ファインダー右側にシャッター速度スケールがあり、緑の追針が設定シャッター速度を表す。 マニュアル露出の場合は緑の追針とメーター指針が合致する様に絞りやシャッター速度を調整すればよい。 絞り優先オートに設定すると緑の追針はAUTO位置を指し、メーター指針が振れたシャッター速度で撮影される。

 ファインダー上側には絞り直読小窓があり、レンズの絞り環設定値が読み取れる。 凝っているのは露出補正を掛けた時で、ゼロ以外の露出補正が掛かっている場合に絞り直読小窓に赤いフィルターが入って露出補正が掛かっている事を知らせてくれる。
 マウント基部の露出補正指標が判読不能なので、露出補正を掛けているかどうかだけはファインダーで確認できる。(プラス補正とマイナス補正とで色が違えばもっと嬉しい)

 個人的にファインダー上部の絞り直読方式は非常に覗き難くて好きじゃないけど、これだけ凝ってくれれば積極的に覗いてあげたくなる。 それにしても絞り値小窓の位置は上過ぎじゃないですかねぇ?

あとがき

 実はKマウントレンズはあまり持っていない。 この時代のレンズではないけど、smc PENTAX-D FA MACRO 50mm F2.8 とか smc PENTAX-FA 35mm F2 AL は素晴らしい性能のレンズだと思う。 また、解像力はそれほど高くないけど、ボケに色にじみが発生しない smc PENTAX M 50mm F1.4 も好きなレンズだ。 あっ、トップ写真の smc PENTAX 30mm F2.8 も素晴らしいレンズですね。 なお、パンケーキの smc PENTAX M 40mm F2.8 はボディーキャップ代わりに2本持っている。

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