SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC

SONYで撮影するのは恥ずかしいので隠してある...m(_ _)m
SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC
私が持っている SONY Eマウントレンズで、最も焦点距離が長いレンズは FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(SEL100400GM) である。 400mmは超望遠の「入り口」なので撮影対象が小さい場合や近付けない場合などはもっともっと長い焦点距離が欲しくなる。 ところが、SEL100400GM にテレコンを装着すると開放F値が F8(1.4x) とか F11(2x) になってしまい、開放F値の暗さがテレコン購入を躊躇させる要因だった。




EF100-400/4.5-5.6 IS II USM と1.4倍テレコン


EOS-1DX Mark II EF100-400/4.5-5.6 IS II USM + Ext1.4x ISO:16000 F:7.1 Tv:1/1250s
EF100-400 + Ext1.4x
以前、EOS-1DX Mark II に EF100-400/4.5-5.6 IS II USM と1.4倍テレコンを装着して屋内スポーツを撮影してみた事があったけど、あくまでもF8AFのテストというだけであり、高感度画質として満足出来るものではなかった。

娘と同じ先生になったので、写真を印刷して選手とママにあげたけど、A4程度に印刷するならISO:16000でも画質は「あまり」気にならない。

DxOの評価値では EOS-1DX Mark II より SONY α9 の方が高いけど、実際に撮影すると EOS-1DX Mark II の方がず~と良い画を吐いてくれる。 DxOの評価値はほんの参考程度にしか出来ないのが実際である...妙だよねぇ。

さて、日中の屋外撮影ならディテールが消失する事も無いので、トリミングするより1.4倍のテレコンを使った方が確実に結果は良い...だろうと思い、SONY SEL14TC を買ってみた。

SEL100400GMの基本画質

SONY α9 SEL100400G(400mm)M ISO:200 F:5.6 Tv:1/1600s
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS の400mm端

SONY α9 SEL100400G(400mm)M ISO:200 F:5.6 Tv:1/1600s
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS の400mm端 トリミング
上の写真は400mmでSEL14TC無しで撮影したノートリミング画像で、下の写真は中央と右上を800x800でトリミングした画像である。 真冬のの寒さとはいえ、日差しによる温度差で陽炎がゆらゆらしているけど結構良い画質で撮れているし、周辺光量の低下も殆ど判らない。
ちなみに、今回はSONY α9のRAWで撮影してホワイトバランスは太陽光で全ての光学補正無しで現像している。

SEL100400GM + SEL14TC の画質

SONY α9 SEL100400GM + SEL14TC(399mm) ISO:200 F:8 Tv:1/800s
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC で400mmのズーム位置

SONY α9 SEL100400GM + SEL14TC(399mm) ISO:200 F:8 Tv:1/800s
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC で400mmのズーム位置 トリミング
上の写真はSEL14TCを装着して400mmになるようにマスターレンズを285mmにセットして撮影したノートリミング画像で、下の写真はその中央と右上を800x800でトリミングした画像である。 テレ端じゃないけど単体とテレコン付きとで画質の劣化がとても少ない事が判る。
画素数が多い最新の SONY α7RIII なら差が良く判るのかも知れない。

SEL100400GM + SEL14TC の画質(テレ端560mm)

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC でテレ端560mmのズーム位置
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC でテレ端560mmのズーム位置

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC でテレ端560mmのズーム位置 トリミング
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + SEL14TC でテレ端560mmのズーム位置 トリミング
上の写真はSEL14TCを装着してテレ端560mmで撮影したノートリミング画像で、下の写真はその中央と右上を800x800でトリミングした画像である。 一切の光学補正をしていないので若干の倍率色収差が見えているけど、テレコン付きのテレ端でも画質の劣化は許容範囲内だと思う。

EF 400mm F2.8L IS II USMの画質

SONY α9 EF 400mm F2.8L IS II USM + Metabones Mark V ISO:200 F:2.8 Tv:1/6400s
EF 400mm F2.8L IS II USMの画質

SONY α9 EF 400mm F2.8L IS II USM + Metabones Mark V ISO:200 F:2.8 Tv:1/6400s
EF 400mm F2.8L IS II USMの画質 トリミング
上の写真はCANONのEF400/2.8L IS II USMにMetabones Mark Vをを装着して撮影したノートリミング画像で、下の写真はその中央と右上を800x800でトリミングした画像である。 こちらも一切の光学補正をしていないけどコントラストもあって倍率色収差などは全然判らない。 今回の比較では最も光学性能が優れている。 絞り開放どうしの比較だけど、開放F2.8のEF400/2.8Lの方が値段の分だけ超高性能だというのが実感できた。

ただし、SONYのセンサーはマイクロレンズがショートフランジバック向けに設計されているのと、マウント径が小さいので画面隅の光量が急激に低下してしまうのは残念だ。

SONYさんの FE 400mm F2.8 GM OSS 試作レンズはもっとケラレているらしいので、発売までに光学系の見直しが必要だろう...あっ、噂に聴いた話です。

SONY DSC-RX10M4の画質

SONY DSC-RX10M4(400mm相当) ISO:200 F:4 Tv:1/3200s
SONY DSC-RX10M4の画質

SONY DSC-RX10M4(400mm相当) ISO:200 F:4 Tv:1/3200s
SONY DSC-RX10M4の画質 トリミング
上の写真はRX10M4の400mm相当で撮影したノートリミング画像で、下の写真はその中央と右上を800x800でトリミングした画像である。 こちらも一切の光学補正をしていないけど想像以上にまともな画質だ。 『コンデジで撮った?』っていう味付けは否めないけど、比較しても唸ってしまう画を吐いてくれる...う~ん侮れない。

Metabones Mark V + SEL14TC

SEL14TCとマウントアダプター
SONY SEL14TC はマウントからレンズが出っ張っているので装着可能なレンズは FE 70-200mm F2.8 GM OSS と FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS の二本で利用可能となっている。
でも一眼レフ用レンズをマウントコンバーターを介して使用する場合は、テレコンの出っ張りを収容する事が出来るスペースがあるので装着出来てしまうハズだ。

そこで、SIGMA MC-11 と Metabones Mark V に SEL14TC の装着を試みた。 結果は SIGMA MC-11 は遮光壁が大きくて装着できないけど、Metabones はギリギリ装着できる。 Metabones + SEL14TC での動作を確かめてみると、ちゃんとAFも動作するし開放絞りも一段暗い値を返してくる。 マウントコンバーターを含めてレンズ側でテレコンの検知はしてないと思われるので、カメラがテレコン装着検知とレンズデータ補正を行っているのであろう。

SONY α9 EF 400mm F2.8L IS II USM + Metabones Mark V + SEL14TC ISO:3200 F:5.6 Tv:1/3200s
EF400/2.8L IS II USM + SEL14TCの画質
ショートフランジバックのミラーレス一眼ではテレコンのレンズ径が大きくなる。 ところがSONYのマウント径は小さいのでテレコンのレンズ径を大きくできない。 なので、開放F2などの明るいレンズにテレコンを装着するのは無理だろうし、射出瞳位置が設計基準に適合していないと周辺光量が著しく低下するだろう。

そんな事は承知で EF400/2.8L IS II USM に SEL14TC を組み合わせてみた。 結果は周辺光量が激落ちだし周辺画質も良くないのは想定した通りだったけど、随分と樽型の歪曲収差が発生してしまう。 周辺光束が通る角度・位置が設計に合ってないので最悪の結果だ...そういえば、SONYのSEL14TCは非球面を使ってるので光学設計上の懐が狭いんだろうなぁ。

まとめ

SEL100400GM に SEL14TC を装着しても画質の劣化は僅かで、画素数が24M程度なら全く問題無いと感じた。 SEL14TCの組み合わせ性能が良いのだろうけど、マスターレンズであるSEL100400GMの素性も良いのだと思う。 暗い超望遠ズームになってしまうけど、充分使える性能なので持っていて損は無いと思う。
とはいえ、CANON EF400mm F2.8L IS II USM の光学性能がダントツに素晴らしい事を実感したのも確かだ。

以前のSONYレンズは、ZEISSっぽくない写りのZEISS銘レンズもあったし「なんだかなぁ」というレンズが多かった。 ところが、最近のSONYレンズはなかなか良いなぁと感じるレンズが増えて来た。 ちゃんとした明るい単焦点超望遠レンズが発売されたら SEL14TC がもっと活躍するハズだ...まっ、そんなレンズは買えないけどネ。
このSEL14TCはソニーストアで57,130円(税抜き)というのは、ちょっと高い気がするなぁ。 せめて4万円台に設定して欲しかった。

それから、困った(?)事に、明るいシーンならRX10M4も結構良い事だ。 高ISO値を使う低輝度シーンではノイズが増えてディテールも失われちゃうけど、小さな1インチセンサーだと言う事を忘れちゃう写りをしてくれる。

ちなみに、DPReviewの2017年ベストコンパクトカメラに SONY Cyber-shot DSC-RX10 IV が選らばれている。 彼らのコメントは『旧型からのマイナーアップデートのように見えるかもしれないが、像面位相差AFの追加で非常に魅力的なカメラになっている。一眼レフレベルの動体追尾はできいないが、スチルと動画の両面で優れた性能のカメラだ』ということらしい。 実際、その通りだと思う。

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