Protection Filter | 保護フィルター

Protect Filter ARCREST
Protect Filter ARCREST のパッケージ

保護フィルター

僕は「プロテクトフィルターは百害あって一利無し」派なんですが、最近のフィルターは良くなったらしいので購入してみた。 ニコンの「ARCREST」ってやつで、Map Cameraで¥10,490もするえらく高価なフィルターだ。 管理原価なんて2千円もしない様な気がするけどなぁ。

製品パッケージを金ピカにして高級感を出そうとしているけど、ニコンのレンズも含めて金文字とかの金色使いは安っぽく感じる(個人的な意見です)んだよねぇ...まっ、どうでもイイけど。


このフィルターも薄枠タイプだ
以前、あるカメラマンから「この24-70mmは周辺画質が悪すぎる!」と指摘を受けて、レンズを見てみると〇ンコーの薄枠フィルターが装着されていた。

フィルター枠に僅かな打痕があるので、フィルターを外してフィルターの平面度を確認してみると...絶句してしまいました。
フィルターを取り外して撮影した写真の周辺解像度はまともに戻ったので、そのカメラマンに「プロテクトフィルターは百害あって一利無し」と伝えた覚えがあります。

対角線ゴースト

さて、平行度が出てないフィルターは論外として、最新のフィルターなのでゴーストの発生具合がどの程度少なくなっているかが気になります。
前世紀の銀塩時代では乳剤フィルム面での反射は少なかったけど、デジタル時代になるとセンサー面の反射光がかなり多い。 なので、保護ガラスが組み込まれた銀塩時代の蛍石望遠レンズをデジカメに装着して撮影すると、対角線ゴーストが半端なく発生する。
それはそれは酷いゴーストなので、僕の NewFD 300mm F2.8L は保護ガラスを除去してあります。

下の写真は保護ガラス付きの New FD 300mm F2.8L で撮影したさそり座のアンタレス付近ですが、盛大な対角ゴーストが「謎の円盤UFO」の様に写り込んでいます。
EOS 20Da New FD 300mm F2.8L
EOS 20Da New FD 300mm F2.8L

簡単に図で説明すると、入射光(青線)が「ピカピカの」センサー面に到達すると、センサー面で反射光(緑線)となってレンズ前方に反射して行き、保護ガラス面で再度反射(赤線)して再びセンサー面に到達しちゃうのが、フィルター面反射対角ゴーストです。
New FD 300mm F2.8L のレンズ構成図
保護ガラス以外でも反射ゴーストは発生するんだけど、ガラス面に曲率が付いているので分散されて目立つことは少ない。 銀塩時代に発売されたレンズの保護ガラスはコーティングがチープだったため、デジタル時代になると大きな問題になってしまった。 FDやNewFDの頃の保護ガラスは...イヤ、今更言っても仕方ない。

ARCRESTの性能はどうよ?

画面に極端な光源を入れて対角ゴーストの発生具合をはどうだろうか。
SONY α9 FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
テストに仕様した照明
フィルター無しを基準に ニコンの ARCREST PROTECTION FILTER と 〇ンコーの MC PROTECTOR Professional を比べてみた。
テスト結果
写真の通り、結果は一目瞭然で ARCREST PROTECTION FILTER の優秀さが判ります。 とはいえ、フィルターを装着していない場合の対角ゴーストは皆無なので、フィルターが無い方が良いという理論は変わらないけど、このレベルなら問題より雨天などでの利点の方が大きいだろう。

今回、使ったカメラは SONY α9 だけど、このカメラのCMOSセンサー反射率は意外と低そうな気がする。 従来のセンサーだと入射面側に配線層が存在するのでピカピカになり易い事から窒化膜などで黒くする必要があるけど、BSIセンサーの配線層はフォトダイオードの裏(イヤ、表と言うべきか?)にあるのでセンサー面反射に有利なのかも知れないなぁ。

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