ビクセン GP系赤道儀の駆動トルクアップ

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ニュージーランド南島のTekapo湖畔にあるMt.Jhonにて

 ビクセン製のGP系赤道儀を使っている方は多いと思います。  私もGPD赤道儀、GPE赤道儀、SP赤道儀を所有していますが、SkySensor2000による自動導入はなかなか便利なものです。

このSkySensor2000は導入速度が高速なのは良いのですが、どうも駆動トルクが少ないと感じていました。  ベアリングを使っていない安価な赤道儀という事もありますが、気温が低い冬場などでは搭載鏡筒のバランスがチョット悪いだけで動かなくなってしまいます。  富士山五合目などでも悲鳴を上げているGP系赤道儀を良く見かけますので、私だけの問題では無い様です。

2007年4月のニュージーランド撮影旅行に際して、現地での作業を楽にしたい事もありGP赤道儀のトルクアップを試みました。

GP系赤道儀のトルクアップ方法

トルクアップのギアに交換

 SkySensor2000は最高駆動速度の設定など、様々な設定変更が可能です。  ですが、物理的なトルク変更だけはどうしようもありません。  バックラッシュを減らそうと思ってウォームギアをきつめにしたり、 自宅で調整した後に気温が低い五合目に持っていったりすると、大抵は恒星時駆動ですら悲鳴を上げて止まってしまいます。
 GPD赤道儀を入手したての頃に、オークションで意味も判らずトルクアップギアという物を購入した事があったのですが、 歯数が小さいギアだけだったので、当然ながら装着できませんでした。  ニュージランド旅行を控えて、“そういえば!”と思いつき、GP赤道儀のトルクアップを行なう事にしました。

 昔入手したギアはどこに行ったか判らないので、再度MTモーターの標準ギア部分を観てみると、40歯同士のギアが噛み合っています。  このギア比を変更すれば良い訳ですが、軸間隔は変えられないので、歯数をうまく組み合わせる必要があります。

使用するギアの選択

 次にSkySensor2000の標準設定を確認してみると、“36×144”となっています。  これは、MTモーター内部の減速比が36で、赤道儀側の歯数が144と言う事らしい。  つまり、赤道儀標準の40歯ギア同士では1:1なので、1.5倍の歯数に変更したいなら54(36×1.5)と設定すれば良い様です。

...で、肝心なギアの歯数ですが、ギア同士の間隔を変更出来ないという事は、両方のギアの歯数合計は80で固定という事になります。  39:41、38:42、37:43、36:44、35:45、34:46、33:47、32:48....などなど、様々な組み合わせが考えられますが、SkySensor2000への入力は整数だけです。  これらのギア比で設定しなければならない数値を計算してみると、39:41→37.846、38:42→39.789、37:43→41.838、36:44→44、35:45→46.286、34:46→48.706、33:47→51.273、32:48→54 となります。

 つまり選択可能なギア比は 36:4432:48 です。  ギア比 36:44 ではトルクアップは1.22倍なので不満ですが、ギア比 32:48 ならトルクアップが1.5倍となり良さそうです。  ちなみに、ギア比 30:50 であればトルクアップが1.67倍となり、SkySensor2000への設定も60という整数が使用できますが、 50歯のギアだと赤道儀本体とと干渉しそうなので今回は、ギア比 32:48 でトルクアップは1.5倍としました。

モーターカバーには穴あけが必要
 注文したギアが到着したので実際に装着してみると、思惑通りギア比 32:48 なら赤道儀本体と干渉する事はありませんでした。  ところが、ギアカバー内には収まりません! まあ、仕方ないという事でギアカバーに切り欠きを設けてカバーを使える様にしました。  保護という意味ではギアが顔を出さない様に加工した方が良いでしょう。

...いやぁ、実はニュージーランドで指を挟めちゃったんです。 痛いだけで怪我や赤道儀の故障にはなりませんでしたが....

SkySensor2000の設定変更

SkySensor2000へのギア比設定

 後は、SkySensor2000の設定変更でギア比を54×144にセットすれば使用できます。  ギア比は滅多に変更しないので、デフォルトパラメータの方を変更すれば良いでしょう。
 この状態でテスト使用してみたのですが、恒星時追尾や自動導入など問題なく使えましたし、鏡筒搭載バランスを大きく崩しても平気で導入・追尾しています。  “よっしゃ~”と思い、テスト撮影を行なってみると、ガイドがちょっと妙です。  なるほど、これまでより0.66倍ほどなっちゃったのね。 という事で、今まで0.5倍で使っていたガイドスピードを0.7倍へ上げることで以前と変わらない調子でガイドが出来ました。  限界長焦点でガイドした訳ではないのでハッキリと比較出来ませんが、ガイド精度も上がった様な気がします。
撮影現場でGP赤道儀に『ヒンヒン・キャーキャー』言わせている悲鳴クラブの皆さん、是非試して見ましょう。

今回使用したギアは協育歯車工業株式会社の歯研平歯車で、 S75B32B+0306(標準品)とS75B48B+0306(標準品)です。

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