minolta MC ROKKOR-PG 50mm F1.4 - 優れた標準レンズ

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minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm
 「MC」は Meter Coupler の略で、絞りリングに開放測光用の露出計連動カプラー爪が付いている。 ミノルタのMCレンズは1966年発売の minolta SR-T101で製品化され、標準レンズはマクロレンズも含めて 50/1.4、50/1.7、50/3.5、55/2、55/1.9、55/1.7、58/1.2、58/1.4 などの多種類が製品化されていた。

minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm - 1973年発売

MINOLTA MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm レンズ構成
レンズ構成
 レンズは5群7枚構成の拡張ダブルガウス型である。 前側の貼り合わせを分離した6群7枚構成の50/1.4レンズが主流になりつつあったが、ミノルタは 1979年発売の MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm まで5群7枚構成のままだった。 この時代のロッコールレンズにはレンズ構成が表記されていて、このレンズは「PG」と表記されている。 最初のPはPentaの略で5群構成である事を意味していて、次のGはアルファベット7番目なので7枚構成である事を意味している。 この表記はMCレンズ終末期の製品では記載されなくなった。
緑に反射する2層アクロマチックコーティング
緑のロッコール
 当初、MCレンズの外観は金属梅鉢タイプの距離環だったけど、1965年製品からゴム巻き距離環製品に変更された。 なので、MC 50mm F1.4 は最初からゴム巻き距離環製品だった。 また、この時代のロッコールレンズは前玉のACコート(2層アクロマチックコーティング)が見る角度によって緑色に見える事から、『緑のロッコール』と呼ばれていた。 緑色に反射して綺麗なんだけど、このACコートは蒸着が弱いらしいので雑に拭くとキズが付き易いと言われている。

描写特性

遠景描写

minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F1.4
絞り:F1.4
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2
絞り:F2
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F4
絞り:F4
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F8
絞り:F8
 遠景描写の絞り開放ではフレアが発生するけど解像感はあり、F2に絞ると中央付近はスッキリした描写になる。 F2.8なら極四隅以外は充分な描写になり、F5.6なら四隅もシャープになる。 また、周辺光量落ちはF2.8で気にならなくなりF4でほぼ解消するが、光量落ちパターンが急に落ち始めるタイプなので、もう少しなだらかな落ち方だったら良かったと思う。

一般撮影

minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F1.4
絞り:F1.4
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F1.4
絞り:F1.4
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2
絞り:F2
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F1.4
絞り:F1.4
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2
絞り:F2
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F8
絞り:F8
minolta MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm 絞り:F1.4
絞り:F1.4
 F1.4開放では画面全体が柔らかい描写で、ハイライト部には沢山のフレアが発生する。 また、絞り開放での後ボケに二線ボケ・リングボケの傾向があるので、小デフォーカスの後ボケでは煩く感じる場合もある。
 少し絞るとスッキリした描写になり、解像感もとても高い。 絞りF2やF2.8では画面極四隅の描写にちょっと不満があるけど、画面隅にピントが無いシーンなら全く問題ない。 また、ボケは大変スムースでボケ味も素晴らしいと思う。

 オールドレンズとしては逆光フレアも少なめで素直に良く写るレンズだけど、巷では MC ROKKOR-PF 1:1.4 f=58mm がフレアやゴーストがエモいと好まれていたりする。 素晴らしいレンズが多い現代では欠点やクセがあるオールドレンズも好まれるとは昔の設計者は考えもしなかっただろう。

あとがき

 あるハズだと思ってあちこち探して2本目の MC ROKKOR-PG 1:1.4 f=50mm を見つけた。 1本は minolta X-1 に装着してあったけど、もう1本はオリンパス用のカメラ箱の中だった。💦 手元にある2本の MC 50mm F1.4 を比べると、赤塗の脱着指標のレンズと赤ポッチのフィンガーポイント脱着指標などの違いがあったりする。 ちなみに、このフィンガーポイントは気が付いたら脱落して無くなってたりするんだよねぇ。
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