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| minolta SR-7 Type-2 と AUTO ROKKOR-PF 1:1.8 f=55mm ARC型 |
1962年に発売された minolta SR-7(前期型)は世界で初めて「CdS素子」使用の外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラで、ミラーアップ機能を搭載して非レトロフォーカス型超広角レンズの利用が可能になっていた。 このカメラは New SR-7 と呼ばれる後期型で、前期型より小型・軽量化されている。
minolta New SR-7(SR-7 後期型)- 1965年発売
セレン式の外光式露出計を搭載したカメラは既に存在していたけど、minolta SR-7 は測光素子にCdSを使った事が新しかった。 minolta SR-7 は仕様的には minolta SR-2/3 のカメラに露出計を内蔵した感じなので高級機と言えるカメラである。
本カメラは SR-7後期型で New SR-7 と呼ばれ、野暮ったいデザインの前期型に対して洗練されたデザイン(左肩の露出計受光窓は邪魔だけど)に生まれ変わっている。 本個体にはま AUTO ROKKOR-PF 1:1.8 f=55mm ARC型 が装着されているけど、SR-7 は高級機の範疇だったので、上位レンズ AUTO ROKKOR-PF 1:1.4 f=58mm ARC型 もセットレンズになっていた。
ミノルタのセブン
minolta SR-7 という名称の由来は、SR-2 からマイナーチェンジ機も含めて7機種目(SR-2・SR-1 Type-1・SR-1 Type-2・SR-1 Type-3・SR-3・SR-3 Type-2・SR-7)の一眼レフカメラだったというコジツケと、米国Ansco社向けのミノルタ製OEMカメラ「AUTOSET」(日本では HI-MATIC)が、アメリカの宇宙船「フレンドシップ7号」に持ち込まれ事をアピールする狙いがあったと言われている。 以来、ミノルタでは「7」は特別な存在になり、HI-MATICの後継機は HI-MATIC 7 となり、一眼レフでは minolta SR-7・X-7・X-700・α7000 へと受け継がれていった。
主要諸元
minolta SR-7 の前期型と後期型の主要諸元を比較してみた。
| 項目 | minolta SR-7 前期型 諸元 | minolta SR-7 後期型 諸元 |
| 型式 | 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフカメラ |
| 発売年 | 1962年 | 1965年 |
| レンズマウント | ミノルタSRマウント |
| シャッター | 機械式横走り布幕フォーカルプレーンシャッター B、1秒〜1/1000秒(Xは1/60秒) 等間隔クリック仕様 |
| 露出計 | シャッターダイヤル連動の外光式CdS露出計内蔵 測光範囲:EV1~17(ASA100) |
| ミラーアップ機能 | あり 設定後にレリーズでミラーアップ | あり レバー連動で即座にミラーアップ |
| ファインダー | 視野率約 縦92% / 横94% フレネル付き全面マット式スクリーン | 視野率約 縦92% / 横94% フレネル付き中央マイクロプリズム+マット式スクリーン |
| 大きさ(幅×高×厚) | 約 146 × 95 × 48 mm | 約 145 × 88.5 × 47.5 mm |
| 重さ | 約 670 g(ボディのみ) | 約 600 g(ボディのみ) |
この時代の測光機能
minolta SR-7 が発売された1962年には、同じくCdS素子を使った外光式の Nikon F Photomic が発売されている。 一方、同じ1962年発売の Canonflex RM は未だにセレン光電池による外光式露出計を搭載していた。 ところが、翌1963年にミラー裏面に大型のCdS素子を配してTTL開放測光を実現した TOPCON RE Super(ファインダーを交換してもTTL開放測光が可能)が発売され、他社でも東京光学の特許を採用したりして一眼レフの測光機能が大きく進化する時代だった。
内蔵露出計
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| 露出計メーター |
SR-7 の内蔵露出計は外光式で、カメラ左肩前面に丸い測光窓がある。 露出計表示はカメラ左肩上部に絞り値スケールとメーター指針があり、絞り値スケールは内部でシャッター速度ダイヤルとメカ連動して左右に移動する。 露出計のメーター指針が示す絞り値とレンズの絞り値が合致していれば適正露出になる。(本個体のスケールはベースの白色が日焼けで黄色くなっている)
露出計は低輝度測光モードに切換えられ、エプロン左上方(初期型は左肩背面)に切換えボタンが付いている。 ボタンを押している間は低輝度モードになり、測光レンズの光量制限絞りが退避してフルオープンになると共に、絞り値スケールのマスクが上下にスライドして絞り値範囲がメカ的に切り換わる。 絞り値スケールがシャッターダイヤルに連動して移動したり、ボタンを押すと光量制限絞りやスケールマスクが移動するのはメカメカしくて、マニアには楽しい仕組みだ。 露出計で困るのは、老眼には小さな文字の数値を読み難い事と、絞り値スケールがかなり奥まっているので、メーター窓枠の陰で暗くなって絞り値スケールが見えにくい事だ。 可動スケールと可動マスクとメーター指針が重なっているとはいえ、もっと見易くして欲しかった。
露出計電源
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| 電源系は底面にある |
露出計の電池は MR-9(H-D)型水銀電池 1個で動作する。 電池室はカメラ底面にあり、全面が正方メッシュになった銀色の金属製の蓋が付いている。 現代ではMR-9型水銀電池は入手不能なので、電池アダプターでSR43酸化銀電池を利用することになるが、この個体では電圧変換タイプのアダプターより、形状変換のみの安価な電池アダプターの方が正しい露出値を示す様だ。 経年劣化による出力特性が変わっているのかも知れない。
このカメラの電源スイッチはカメラ底面にあり、ON / OFF / B.C. の3ポジションがある。 ON / OFF は露出計の電源オン/オフで、B.C. は電池のバッテリーチェックポジションだ。 電源スイッチをB.C.ポジションにセットし、左肩の露出計メーター指針が●定点まで振れれば電池は正常だ。 なお、前期型にはB.C.ポジションは無い。
それにしても、カメラ底面に露出計の電源スイッチを配置するのは操作性が悪すぎるし、電源を切り忘れるので宜しくない。 電源がオンのままだとチョロチョロと電流が流れ続けて、電池の液漏れ事故を起こしてしまうだろう。 この電源スイッチ仕様は後の SR-Tシリーズでも一緒だった。
巻き上げレバーとシャッターボタン
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| 巻き上げレバー |
SRシリーズは当初から巻き上げレバーの軸中心にレリーズボタンがあり、このスタイルは最初の一眼レフ SR-2 からの継続仕様で、ミノルタの文化だったと言って良いだろう。 SRシリーズの巻き上げは分割巻き上げには対応していて、複数回に別けて巻き上げる事が可能だ。 ただし、角は約180度と大きく、予備角も無いのでチョット操作し難い。 操作性の観点では巻き上げ角140度+予備角30度くらいが使い勝手が良いと思う。
なお、シャッターダイヤルと露出計がメカ的に連動しているので、シャッターダイヤルは1/1000秒とBulbの間は越えられない。
ミラーアップレバー
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| ミラーアップレバー |
SR-7 で初めてミラーアップ機能が装備され、バックフォーカスが短い非レトロフォーカス型超広角レンズ W.ROKKOR-PI 1:4.5 f=21mm や W.ROKKOR-QH 1:4 f=21mm などを装着できる様になった。 しかしながら、前期型ではミラーアップレバーをセットしてから一度レリーズする必要があり、フィルムを1駒無駄にする場合があった。 SR-7 後期型や SR-1 Type-5 ではミラーアップレバーをセットすると、メカ的に連動してミラーがアップする様に改められた。 少し気に喰わないのは、レバーを捻って45°の傾きになるとミラーがアップし、垂直状態でミラーがダウンする事で、ミラーの状態を表わしていない事だ。
クイックリターンミラー
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| 大きくなったQRミラー |
SR-7 より前の製品は、単純な回転軸方式のQRミラーだったので、マウント側からミラーボックスを眺めると、QRミラー下側が随分と短かった。 このため、射出瞳距離が長い望遠レンズなどではファインダー画面下側が暗く陰ってしまう。 SR-7 前期型以降はQRミラー駆動に「しゃくり上げ」方式を採用して長いミラーが使える様になり、射出瞳が長い望遠レンズを使ってもファインダー下側が暗く陰る事は無くなった。 SR-1 Type-1 と比べると、ミラーの大きさの違いが良く判る。
セルフタイマー
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| セルフタイマー |
SRシリーズのカメラ(SR-M を除く)にはセルフタイマーが標準装備されている。 一見普通のセルフタイマーだけど、New SR-7 のセルフタイマーはシャッターをチャージしないでセルフタイマーをスタートさせるとタイマーレバーが途中で止まってしまう。 『壊れたか?』と焦るけど、シャッターをチャージしてから、再度セルフタイマーをセットしてスタートさせると、正常にシャッターが切れてセルフタイマーレバーも通常位置まで戻る。
なお、セルフターマーレバーを捻ってセットすると、レバーの裏からスタートボタンが現れるので、このボタンをボディー側へ押し込めばセルフタイマーがスタートする。 SR-7 前期型ではスタートボタンをレンズ側へスライドするとスタートする仕様だった。
アクセサリーシュー
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| アクセサリーシュー |
ミノルタの一眼レフは SR-T 101 が発売されるまで、アクセサリーシューはアイピース部に別付けする方式を採用していた。 外観デザインが大きく変わった New SR-7 でも別付け(四角いアイピースになったので互換性は無い)のままだったのは、アクセサリーシューを括り付けにするとカメラの容姿が美しくないと考えたのだろう。
当初のSRシリーズは丸窓アイピースだったので、アクセサリーシューも丸窓アイピース枠に装着する方式だったけど、Nw SR-7 や New SR-1 ではアイピース枠が四角になり、上から差し込む方式になったので、
旧型アクセサリーシューの様に露出計窓と干渉しないが互換がなくなった。 新しいアクセサリーシューはカメラ接眼窓上部のピンでロックされ、シューの後部にロック解除釦がある。 また、シュー前部裏側にはキズ防止の小さなモルトが貼ってあり、良く出来た作りのアクセサリーシューだ。 60年以上昔の製品なので、アクセサリーシュー裏のロック用フックの可動部には極少量だけ注油しておいた方が良い。 動きが渋くなるとロック解除釦への負荷が大きくなりボタンが破損したりするだろう。
背蓋のフィルム感度表示板
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| 背蓋のフィルム感度表示板 |
このカメラにはシャッターダイヤルにASA感度設定があるのに、背蓋にフィルム感度表示板がある。 『意味ないよなぁ』と思うけど、ドイツではDIN感度が主流だったので、DIN/ASA換算表として使うのが目的らしい。 個人的にはフィルム紙箱の切れ端を入れられるメモホルダーが欲しかったが、1971年の NIKON F2 が発売されるまでフィルムメモホルダーは装備されなかった。
使用説明書など
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| New SR-7使用説明書 |
カタログや説明書では「New SR-7」と銘打っているが、カメラ自体の刻印は「SR-7」だけである。 なので、中古市場で流通する SR-7 は前期型も後期型も混同されている場合がある。 New SR-7 はデザインが大きく変更されているので、間違える事は無いだろう。 ちなみに、SR-1 Type-1 の使用説明書は29ページしか無かったけど、New SR-7 の使用説明書は66ページまで増えていて、レンズのレスポンス関数とかスポットダイヤグラムとかの記述まである。 ところが、カメラ自体の主要諸元一覧表が無いんだよねぇ...どゆこと?
ファインダー視野
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| ファインダー視野 |
シャッターダイヤルにASA感度もあるので、「ついつい」ファインダー内に露出計メーターがある「つもり」になっちゃうけど、minolta SRシリーズはファインダー内にメーター表示やシャッター速度などの情報表示は一切なく、フォーカシングスクリーンが見えるだけのスッキリしたファインダーだ。 SR-7前期型 のファインダースクリーンはフレネル付きマット面だったけど、SR-7後期型 では中央にマイクロプリズムが付いてピントを合わせ易くなった。 マイクロプリズムはF4.7より暗いレンズから陰りが出るので、明るいレンズに対するピント検出精度はあまり高くない感じだ。 なお、New SR-1 と New SR-7 は全く同じファインダーだと思う。 残念なのは、ファインダー四隅が丸いままなのがチョット気に喰わない。
ミノルタのファインダーはスクリーンの拡散特性の兼ね合いもありエラく暗い。 1959年の SR-1 Type-1 と比べると、SR-7後期型 はフレネル渦が目立たなくなったのは良いけど、相変わらずアルミ蒸着プリズムのままらしく、ファインダーは『ちょっと明るくなった気がする』程度で、後のアキュートマットスクリーンを搭載した minolta XD の明るさとは雲泥の差がある。 カメラを分解してアキュートマットスクリーンと交換すれば明るくできるらしいので、アキュートマットスクリーンが綺麗なXシリーズのジャンクカメラを入手出来たらトライする価値はありそうだ...TTL測光じゃないので露出に影響しないしね。
あとがき
ミノルタの一眼レフカメラには minolta SR-7 の様な外光式露出計を内蔵したカメラは製品化されたけど、TTL絞り込み測光方式のカメラは試作機のみで製品化されなかった。 そして、1966年発売の minolta SR-T 101 にて一気にTTL開放測光方式になった。 minolta SR-7 は開放測光機までの「つなぎ」カメラだったと言える。
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