NIKKOR-O Auto 35mm F2 - 良く写るオールド広角レンズ

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Nikon NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm
Nikon NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm
 1965年に発売された当時、一眼レフ用35mm広角レンズとしては明るいレンズだった。 1973年にマルチコート化されるが、今回の個体はシングルコート時代のレンズである。

NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm - 1965年発売

 1959年の NIKON F 発売時には NIKKOR-S Auto 1:2.8 f=3.5cm が広角レンズとして用意されていたが、明るい広角レンズへの要望に応えた製品がコレだ。 1971年には NIKKOR-N Auto 1:1.4 f=35mm が発売されて、最も明るい広角レンズではなくなったけど、マルチコート化やNew NIKKOR化やAi NIKKOR化を経て長く製造されたレンズである。

レンズ構成

NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm レンズ構成
レンズ構成
 このレンズは6群8枚構成のレトロフォーカス型で、アンジェニュー社の古典的レトロフォーカス型とは異なるアプローチが見られる。 絞り前後の張り合わせレンズはダブルガウス型の様に対称性を持っていて、前側の張り合わせレンズの肉厚を厚くする事でレトロフォーカス効果を出せる光路長を確保している。 この空間をガラスで埋める事で前玉を小さく出来て、近距離でも画面周辺の描写悪化を防ぐ効果があるハズだ。

描写特性

遠景描写

 絞り開放でも意外とフレア感は少ないし、画面周辺でも乱れる事は無い。 F2.8に絞ると中央は素晴らしい描写となり、周辺も極四隅以外は充分な描写となる。 個人的に思ってた以上に良い描写だ。 極四隅はF4に絞っても描写改善が鈍いので、風景撮影で極四隅も必要ならF8まで絞った方が良いけど、プリント時に長辺がカットされるのならF4でも充分使える。 周辺光量落ちはあるけど、F4まで絞ると殆ど判らなくなってしまう。

NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2
絞り:F2
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F4
絞り:F4

夜景描写

 絞り開放では点光源にフレアが絡みついていて、フレアには色収差による青ハロも見られる。 画面周辺ではサジタルコマフレアが目立つ。 F2.8に絞ると中央のフレアはスッキリするけど、周辺のコマフレアはまだまだ残っている。F4に絞ると四隅付近以外のコマフレアはほぼ消える。 F5.6まで絞れば四隅でも点光源が点光源的に描写される。 7枚絞りなので14本の光芒が現れるけど、6枚絞りの様な強い光芒なはならない。

NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2
絞り:F2
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2.8
絞り:F2.8
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6

一般撮影

 若干2線ボケの傾向があるけど、嫌らしい描写になる事は少ない気がする。 逆に前ボケが硬いので二線ボケに見える場合がある。 ただし、大きなボケはスムースにボケてくれるので、解像感に拘らなければ絞り開放から充分使える。 逆光ではコントラストが低下して対角線ゴーストが発生するけど一般的なオールドレンズ並みだろう。 樽型のディストーションがあるけど気になる程ではなく、クセが少なく良く写る優れたオールドレンズだ。

NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2
絞り:F2
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2
絞り:F2
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F8
絞り:F8
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6
NIKKOR-O Auto 1:2 f=35mm 絞り:F2
絞り:F2

あとがき

 実はこのレンズ、入手経緯を良く覚えていないのだ。 レンズ単体で購入した記憶がないので、中古のカメラに着いてきた...と思っている。 バカ玉 NIKKOR-N・C Auto 1:1.4 f=35mm を愛用していたので、このレンズを使った事が無いので記憶にも残っていないのだろう。 イヤ、私が歳のせいでボケたのかもね。
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