NIKKOR-P・C Auto 105mm F2.5 - 素直な描写のオールドレンズ

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Nikon NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm
Nikon NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm
 このレンズは1959年に NIKON F と同時発売された NIKKOR-P Auto 1:2.5 f=10.5cm の光学系を1971年に設計変更し、1973年にマルチコート化されたレンズである。

NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm - 1973年発売

 初期の NIKON F 用レンズは NIKON S シリーズ用光学系を流用したレンズが多くあったが、NIKKOR-P Auto 1:2.5 f=10.5cm も光学系はほは流用だったらしい。 ある意味「実績」の光学系だったけど、1971年の NIKON F2 発売時に光学系が変更された。 ただし、レンズ枚数が同じ5枚なので「NIKKOR-P Auto」という名称も同じだったし、外観デザインも殆ど変わらなかったので光学系が変更された事を知らない人も多かったと思う。

レンズ構成

NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm レンズ構成
レンズ構成
 このレンズは4群5枚構成のクセノター型に近く、テレゾナー型だった先代の3枚張り合わせレンズを凸レンズが肉厚な2枚張り合わせにし、絞り後に凹レンズと凸レンズを配した事が特徴だ。 先代は NIKON S シリーズ時代も含めて人気のレンズだったけど、新型では非対称性の改善を図っている。 残念ながら先代レンズを持っていないので比較できないが、クセノター型を採用する事で解像感を高めつつ画面周辺の描写も改善したのだと思われる。

描写特性

遠景描写

 絞り開放からシャープ感があり、画面周辺でもなかなか良い描写だ。 周辺光量低下もあまり目立たない。 F4にすると描写の良さは変わらずコントラストが向上し、周辺光量低下は判らなくなる。 絞りはF32まで設定できるけど、F11より絞り込むと回折の影響でボヤけ始める。

NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F4
絞り:F4
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6

夜景描写

 点光源に対するコマフレアは少ない方だ。 絞りF4にすれば画面周辺のスポットも小さくなり解像感が増す。 絞りF5.6なら全域で充分な描写だ。 7枚絞りなので14本の光芒が現れるけど、6枚絞りの様な強い光芒ではない。

NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F4
絞り:F4
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F5.6
絞り:F5.6

一般撮影

 被写体を画面の隅に置いても全く問題がなく、素直な描写で絞り開放から安心して使えるレンズだ。 小デフォーカス時のボケが2線ボケっぽくザワツク事があるけど、そこを乗り越えれば素直にボケて行くので煩さは少ない。
 後ボケには緑色に色付いて前ボケには紫色に色付く「色ボケ」が気になる場合がある。 ハイライト部の前後ボケや川面のきらきらボケなどに色ボケが目立つ。

NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F8
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F2.5
NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm 絞り:F2.5
絞り:F4

 逆光フレアも少ないしクセの少ない描写なので現代でも普通に使えるレンズだと思う。 でも、現代の高性能で便利な 70-210/2.8 AF ズームとか 90mm F2.8 AF マクロ とかを使っているなら、敢えてコレでオールドレンズ遊びをする必要はないと思う。 このレンズには楽しいクセが少ないし、最新レンズの方が便利で高性能だからだ。

あとがき

 当時は 20/3.5 と 35/1.4 と 105/2.5 の3本あれば何でも撮れると思い愛用していた。 久しぶりに引っ張り出した NIKKOR-P・C Auto 1:2.5 f=105mm は距離環が随分と重くなっていた。 放っておいて固着すると始末が悪いので、今のうちにヘリコイドグリスを入れ換えた方が良さそうだ...面倒臭いけど...
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